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2006年6月12日 (月)

日本語の助詞と機能範疇

著者からいただきました。

日本語の助詞と機能範疇 青柳宏著 ひつじ書房
2006年3月
6000円+消費税 ISBN4-89476-286-2

要約
 本書は、語彙を「詞」と「辞」、つまり、内容語(content word)と機能語(function word)に分けた場合、「辞=機能語」に相当するものに焦点を当てたものである。生成文法理論では語彙を語彙範疇(lexical category)と機能範疇(functional category)に分けている。言語をその意味伝達機能から見れば、前者が圧倒的に重く、後者は軽い。しかし、一般言語理論の立場から、Borer (1980)やFukui (1986)は、言語間の差異は機能範疇の差異に求められるべきだと主張した。本書はこれを継承、発展させたもので、いかに多くの日本語の現象が、この「辞」のはたらきによってもたらされているかを描き出すことが目的である。特に日本語を特徴づける「とりたて詞」を中心とした助詞や接辞がどのように仕組みで実現し、また解釈されるのかを、生成文法理論の立場から論じる。

目次

第1章 助詞、接辞と膠着………1
  第1章注………6

第2章 とりたて詞と機能範疇………7
  2.1 助詞のパラドックス………8
   2.1.1 投射するように見える現象:su挿入……9
   2.1.2 投射しないと考えるべき根拠:選択制限………11
  2.2 接語的付加詞仮説………15
   2.2.1 裸句構造理論と接語………16
   2.2.2 とりたて詞=接語的付加詞………22
  2.3 日本語の機能範疇………24
   2.3.1 日本語に機能範疇は存在するのか………24
   2.3.2 日本語の機能範疇の形態的特性………29
   2.3.3 動詞と機能範疇の膠着………31
  2.4 パラドックスの解法………35
   2.4.1 su挿入について………35
   2.4..2 統語的選択………41
  第2章注………42

第3章 とりたて詞と格助詞………49
  3.1 係助詞と副助詞………50
  3.2 助詞の連結順序………52
   3.2.1 とりたて詞と格助詞………52
   3.2.2 係助詞と副助詞………54
   3.2.3 副助詞の名詞性………54
  3.3 日本語の格と格助詞………56
   3.3.1 抽象格の理論の問題点………56
     3.3.1.1 日本語の格配列………56
     3.3.1.2 理論的余剰性………60
   3.3.2 形態格の理論………60
     3.3.2.1 形態格素性………62
     3.3.2.2 格付与規則………64
     3.3.2.3 「多重主語」構文………69
     3.3.2.4 スクランブリングと可視条件………71
     3.3.2.5 二重対格制約………73
   3.3.3 格付与と線形化………79
  3.4 助詞の連結順序の派生………85
   3.4.1 とりたて詞と格助詞
     3.4.1.1 取り立て詞と与格のni………87
     3.4.1.2 とりたて詞と対格のo………89
     3.4.1.3 とりたて詞と主格のga………90
     3.4.1.4 対格のoが付与されない場合………92
   3.4.2 係助詞と副助詞………94
   3.4.3 とりたて詞と後置詞………99
  3.5 格助詞脱落………104
  3.6 格付与と述語範疇………107
  第3章注………108

第4章 とりたて詞と焦点………119
  4.1 焦点と取り立て………120
   4.1.1 焦点副詞ととりたて詞………120
   4.1.2 「広い焦点」………122
   4.1.3 Kurodaの添加変形………124
  4.2 とりたて詞の作用域………126
   4.2.1 量化詞とLF上昇………126
   4.2.2 係助詞と副助詞………127
   4.2.3 LF表示………132
  4.3 焦点と関連づけ………135
   4.3.1 焦点の広狭………136
   4.3.2 焦点の拡張………138
   4.3.3 [+focus]素性の一致………140
     4.3.3.1 「狭い焦点」の場合………140
     4.3.3.2 「広い焦点」の場合………143
     4.3.3.3 副助詞………145
   4.3.4 関係保存の制約………146
  4.4 とりたて詞の移動………149
  第4章注………152

第5章 動詞・形容詞と機能範疇………157
  5.1 動詞上昇の証拠………157
   5.1.1 Koizumi (1995, 2000) が挙げた証拠………159
   5.1.2 Koizumi の問題点………161
  5.2 形態的併合の優位性………166
   5.2.1 Takano (2005) の主張………166
   5.2.2 とりたて詞と付加詞………168
  5.3 形容詞の屈折………172
  5.4 da縮約………178
  第5章注………182

おわりに………187
参考文献………191
索引………199

(以上)

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