« 筑紫語学論叢II | トップページ | 明治スタンダードと言文一致 »

2006年8月16日 (水)

疑問語疑問文の転変

いただいております。私にとって、大変有用です。

野村剛史 (2006) 「疑問語疑問文の転変」『国語学研究』45, pp. 13-25

キーワード:疑問語疑問文、カ付き・カ無し、係り結び、主格ノ・ガ、終止形

要旨
 上代のカ無し疑問語疑問文では、文末活用形の確例は終止形である。ところがその数が少ないので、特異例のように考えられがちであった。連体形述語の前には主格のノ・ガがあらわれ、終止形述語の前には現れない。カ無しで終止・連体同形の疑問語疑問文の中に、主格のノ・ガは1例も現れない。文末連体形を仮定すると、この現象の説明は困難である。また一人称主格のワガ・ワレに限って考えると、カ付きではワガ主格だけが、カ無しではワレ主格だけが現れる。この現象は、疑問語疑問文におけるカ付き・カ無しの相補性の強さを示唆する。以上から、上代のカ無しの疑問語疑問文の文末活用形は、終止形であると考えられる。さすれば、疑問語疑問文は、「カ無し・終止形」→「カ付き・連体形」→「カ無し・連体形」→「カ無し・終止形」のように変遷したことになる。

この説に従うとき、「上代日本語にはWH移動があり、移動に付随して文末の連体形化が起こった」とする説がどう生き残れるか、興味を引かれます。

« 筑紫語学論叢II | トップページ | 明治スタンダードと言文一致 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 疑問語疑問文の転変:

« 筑紫語学論叢II | トップページ | 明治スタンダードと言文一致 »