漢字音分類表
社会人対象の日本語教師養成講座で、受講者のお一人から、
漢字の「音」と「訓」の見分けが付かないのですが……
という質問をいただきました。以前から、同様の質問を学生さんからも時々いただきますので、何か適当な教材がないかと思い、手近に見あたらなかったので、自作することにしました。
要するに、声母(頭子音)を横軸に、韻母+韻尾を縦軸に配して字音の一覧とその例を示したもので、「この表に当てはまるものは字音の可能性がある」と考えるわけです。
これは、つまり
韻鏡
の現代版なわけですね(ただし、漢音・呉音・唐音・宋音の区別ができませんし、原音に遡及することもできません)。こういうものを作ってみると、漢字音の仕組みや韻鏡の成り立ちが分かってくるような気がします。漢字の例示を空欄にして、学生に埋めさせるというのもおもしろいかもしれませんね。
Excel ファイルと PDF ファイルをアップしておきます。
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私も似たような表を作ろうとすることが時々あるのですが、もっとごちゃごちゃしたものになってしまいます。余計なことを入れようとするからだと思いますが、これは綺麗に纏められていますね。
改定した方がよろしかろうと思われるものをコメントしておきます。
現代常用音で、ニョのところに「如」などを、ミツに「密」、メツに「滅」、リツに「律」を(リチにもいれてよいか)、入れ忘れておられるかと存じます。
「ヨン四」「べ部」は、「紛らわしい訓」におくべきものではないでしょうか。
「紛らわしい訓」には、いろいろ追加できそうですが、「市イチ」が、まず思いつきます(一方で「道みち」はあまり音と間違えられそうにない気がしますが、そうしたことの理由も気になるところです)。
大変興味深い表なので、じっくり眺めてコメントさせていただきました。
投稿: kuzan | 2006年11月 3日 (金) 22時22分
くうざんさま、
ご訂正ありがとうございます。早速改訂しました。
恥ずかしい誤りもありました。「蚊学」を笑えません。
投稿: SKinsui | 2006年11月 3日 (金) 22時59分