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2006年12月29日 (金)

方言の文法

いただきものです。

佐々木冠・渋谷勝己・工藤真由美・井上優・日高水穂(著)『方言の文法』シリーズ方言学, 2, 岩波書店, ISBN: 4000271180

執筆者
方言文法論への誘い 小林隆
第1章 佐々木冠
第2章 渋谷勝己
第3章 工藤真由美
第4章 井上優
第5章 日高水穂

第1章 格
1.1 はじめに
1.2 名詞句の格形式を左右する三つの要因
1.3 類型論的観点から見た日本語方言の格
1.4 態
1.5 格記述の課題
参考文献

第2章 自発・可能
2.1 はじめに
2.2 日本語の自発
2.3 日本語の可能
2.4 可能表現の連続相(1): 完遂・自発から可能へ
2.5 可能表現の連続相(2): 可能の中での意味変化
2.6 可能表現の連続相(3): 可能からモダリティへ
2.7 まとめ
参考文献

第3章 アスペクト・テンス
3.1 はじめに
3.2 アスペクト、テンスとは
3.3 言語類型論的観点からみた方言文法
3.4 複数の日本語という視点
3.5 存在動詞とアスペクト
3.6 動詞分類とアスペクト
3.7 文法的カテゴリーとキーワード
3.8 アスペクト・テンスを中心とする体系のヴァリエーション
3.9 おわりに
参考文献

第4章 モダリティ
4.1 はじめに
4.2 方言の終助詞の意味分析の基本目標と記述のポイント
4.3 井波方言の終助詞の概観
4.4 実情説明と実情理解
4.5 命令文のタイプ、命令文につく輯yぞし
4.6 平叙文につく終助詞―「チャ」「ワ」「ゼ」「ジャ」「ガ」―
4.7 「ネー(ノー)」―念押し・同意要求・共感―
4.8 方言のモダリティ研究の(現段階での)基本方略
参考文献

第5章 文法化
5.1 はじめに
5.2 文法化と方言研究
5.3 「やる」「くれる」のダイクシス動詞化の過程
5.4 クレルの求心性動詞化のパターンとその地理的分布
5.5 「のこと」の格助詞化をめぐって
5.6 コト・トコ類の格助詞化の地理的分布
5.7 おわりに
参考文献

索引

「ように」の意味・用法

いただきものです。

前田直子 (2006) 『「ように」の意味・用法』笠間書院, ISBN: 4305703300

第1章 はじめに―「ように」節の4用法―
第2章 類似事態を表す用法
第3章 結果・目的を示す用法
第4章 必須成文として機能する「ように」節―発話・思考の内容を示す用法と命令・祈願の内容を示す用法―
第5章 動詞変化構文「スルようにする」―変化と様態の関係をめぐって―
第6章 否定的状態への変化を表す動詞変化構文―ないようにする・なくする・ないようになる・なくなる―
第7章 おわりに―「ように」節と「ようだ」のつながり―

日本語否定文の構造

いただきものです。

片岡喜代子 (2006) 『日本語否定文の構造:かき混ぜ文と否定呼応表現』日本語研究叢書18, Frontier series, くろしお出版, ISBN: 4874243657

田窪行則氏が書かれた、まえがきを引用します。

 本書は、著者の片岡喜代子さんが九州大学言語学講座に提出した博士論文を全面的に書き直したものである。私は、片岡さんが九州大学言語学講座に研究生として入ってきたときから研究指導してきた。彼女は九州大学言語学講座の修士課程、博士課程に進学し、博士課程を単位取得退学し、私の京都大学への転任に従って、京都大学で一年間研究生としてすごした。私の公認として上山あゆみ氏が九州大学に赴任してからは、それ以前から私的に指導を受けていた上山氏の指導学生となり、この本のもととなった博士論文を仕上げている。
 片岡さんは、もともとスペイン語が専門で、スペイン語の副詞の分類について学士論文を書いている。その後、ご夫君の仕事の関係で中国で生活して、中国語の勉強をしたりして、一番下のお子さんが小学校に入ってから、当時私が勤めていた九州大学の言語学講座の研究生として入学し、さらに修士課程に進んでスペイン語の否定について修士論文を書き、博士課程とすすんだ。このころ、母語以外の言語で統語論の研究をすることの限界を感じて、主として日本語の統語論の研究に本格的に取り組むようになった。最初は、統語論の議論自体も、それを論文にすることも手探りで、自分の主張と他の論文の主張の違いが不明確だったため、何度も議論を重ねてきた。当時九州大学文学部は集中講義の枠が多く、毎年、世界を代表する生成文法の研究者が集中講義に来てくださった。片岡さんはそのような講義を受けて、もちまえの粘り強さと、信じられないうたれ強さで、すこしずつ知識をつみ重ねてきたのだが、そのなかに南カリフォルニア大学の傍士元がいた。傍士氏は、生成文法を厳密な実験科学として実践するためにはどのようにすればよいかを常に考究し、その具体的な方法を模索している研究者である。氏の方法論の特徴は明示的な理論を明示的に実証する方法を提示しようとしていることで、そのため、根気さえあればだれでも理解でき、だれでも行うことができる形で理論とその実証を示している。
 その後彼女はご夫君の南カリフォルニア大での滞在に伴い、訪問研究員として留学し、傍士氏の薫陶を受けることになる。彼女が劇的に統語論の本質をつかむための契機となったのは、2001年サンタバーバラのLSAで夏期言語学インスティチュートの際、南カリフォルニア大学の傍士元氏の元で統語論合宿とでもいえる訓練をうけたときであろう。いまにして思えば、彼女はそれまでの傍士氏の研究方法や研究態度を実感できるほどの成長をしておらず、彼女の研究能力が傍士(氏)の方法を理解できまで成長したのが幸いなことにちょうどこの時期であったと推察される。
 生成文法は言語を可能にする脳内の言語機能を研究し、そのメカニズムを研究しているとされるのだが、本当にこのプログラムを実践するためには何が必要であるのかを真剣に考え、実践に移しているのはそれほど多いとはいえない。傍士氏はそのうちの最も優秀で、もっとも真剣な研究者の一人であるといえる。
 言語現象のうち何が言語機能という計算メカニズムに関わるもので、何が他の認知メカニズムと関わるものかはアプリオリーには決められない。ある文がその言語の使用者にとって受け入れられるものかどうかの判断が、言語機能にかかわるような階層的文構造にかかわるものなのか、構造と無関係な語用論や世界に関する知識に関するものなのかは、その文に対してどのような構造を付与するかに関する理論を離れては決められないからである。つまり、言語機能を対象とする研究は、ある文が非文となるのかの判断、文法性判断そのものを研究の対象にせざるを得なくなるという宿命を持つ。このための方法としては特殊なものがあるわけではなく、文法性判断に寄与する構造的な要因を分離し、他の要因を固定して、一つの要因のみを変化させた最小対に関する判断を比較するという方法しかない。理論的な系として表現できる構造要因を最小可変要素として最小対を構成し、複数の要因の相互作用で理論予測として非文となる環境を特定化することで、文法性判断を厳密科学の実証実験とかわらないレベルにしようというのが傍士氏、上山氏の企図である。傍士、上山両氏の研究とその指導の場は、このためストイックな場となり、いわば武芸の道場のような雰囲気をかもし出す。私たちは、これを親しみを込めて傍士道場と名づけている。
 本書では日本語の否定呼応表現の構造を特定するという目的で書かれた。片岡さんの主張は実に単純で「「シカ」や「誰も」のような否定呼応表現は、否定辞を構成素統御する位置にあり、否定時の作用域にはない。この点で英語の否定辞の作用域にあることを認可条件とする any などのような否定極性表現とは異なる」というものである。彼女はこのほかに否定辞の作用域にある否定呼応表現の存在も認めている。この単純な主張は、しかし、これまでの日本語生成文法の標準的な主張とは真っ向から対立するものである。彼女は傍士流の方法を実に忠実に適用し、この主張の経験的実証を試みている。本書は彼女の傍士道場での修行の成果であり、その免許皆伝のためい提出されたものと理解できるだろう。傍士流は、実は、いわゆる通常の厳密科学の方法を文法性判断という内観に関する現象を扱えるようにしたものであり、経験科学としての生成文法の本来の目的を果たそうとするものである。従って、困難ではあるが、だれにでも開かれており、この本を読むことで、だれでも本来の意味での生成文法の実践方法を追体験し、経験科学としての生成文法が自分でも実践できる理論であることを実感できると信じる

韓日使役構文の機能的類型論研究

いただきものです。

鄭 聖汝 (2006) 『韓日使役構文の機能的類型論研究:動詞基盤の文法から名詞基盤の文法へ』シリーズ言語対照〈外から見る日本語〉、くろしお出版, ISBN: 4874243622.

序章
1. 動詞基盤の文法 対 名詞基盤の文法
2. 全体の概観
第一部 対格言語と能格性―言語類型論と理論言語学のはざま―
第1章 能格性とは何か
1.1 はじめに
1.2 能格言語と能格性の現れ
1.3 対格言語における能格性の捉え方
第2章 分裂自動詞性の本性について
  ―言語類型論の観点から見た非対格仮説とその問題点―
2.1 はじめに
2.2 非対格仮説の形式化と経験的基盤
2.3 自動詞ベースの受身
2.4 使役交替
2.5 分裂主語システム
2.6 パラメータの提案
2.7 韓国語の自動詞システムに見られる現象
2.8 おわりに
第二部 使役構文の機能論的アプローチ―規則性と不規則性のはざま―
第3章 使役・使役形式・使役構文・使役意味
3.1 はじめに
3.2 使役とは何か
3.3 普遍的傾向に矛盾する統語現象
3.4 使役形式と使役意味の対応関係
3.5 おわりに
第4章 規範的使役構文と非規範的使役構文
4.1 はじめに
4.2 韓国語における非規範的使役構文
4.3 日本語における非規範的使役構文
4.4 形式と意味の対応関係
4.5 おわりに
第三部 動詞基盤の文法から名詞基盤の文法へ
  ―新たなパラダイムを求めて―
第5章 日本語に置ける自他交替とサセ
  ―カテゴリーの拡張と語彙的欠如の動機づけについて―
5.1 はじめに
5.2 従来の捉え方
5.3 宮川 (1989) の問題点
5.4 考察
5.5 分析
5.6 おわりに
第6章 社会・文化モデルと統語構造―個体と関係役割語としての名詞句―
6.1 はじめに
6.2 個体と関係役割語としての名詞句
6.3 F-モデルの導入:個体モデルと社会モデル
6.4 F-モデルと統語現象
6.5 おわりに
6.6 今後の展望

言語に表れる「世間」と「世界」

いただきものです。

中川正之・定延利之(編)(2006)『言語に表れる「世間」と「世界」』シリーズ言語対照〈外から見る日本語〉、くろしお出版, ISBN: 4874243681

第1章 言語に現れる世間と世界
  ―まえがきにかえて― 中川正之・定延利之
第2章 人物の属性表現に関する「具体」と「抽象」
  ―社会心理学的見地から― 菅さやか・唐沢 穣
第3章 無助詞題目の認知的特徴
  ―新内処理と現場性― 金田純平
第4章 描写に関する個とステレオタイプ
  ―談話から見る中国語の「存現文」― 澤田浩子
第5章 日本語、インドネシア語のナル型受動構文
  ―受動表現にみる「世界」と「世間」― 湯浅章子
第6章 マテンゴ語における「未来」と「現在」
  ―2種類の時間境界― 米田信子
第7章 エビデンシャリティと現代日本語の「ている」構文 定延利之・アンドレイ・マリチュコフ
第8章 心内情報の帰属と管理
  ―現代日本語共通語「ている」のエビデンシャルな性質について― 定延利之

条件表現の対照

いただきものです。

益岡隆史(編)(2006)『条件表現の対照』シリーズ言語対照〈外から見る日本語〉、くろしお出版, ISBN: 4874243614

第一部
第1章 条件表現研究の導入 有田節子
第二部
第2章 日本語における条件表現の分化
  ―文の意味的階層構造の観点から― 益岡隆史
第3章 条件表現の範囲
  ―古典日本語の接続助詞バをめぐって― 福田嘉一郎
第4章 韓国語条件表現 -umyen, -ketun, -eya
  ―自体の個別性とレアリティー― 奈良夕里枝
第5章 中国語の条件表現
  ―条件文における“了”の分布と意味― 下地早智子
第6章 タイ語の条件表現をめぐって
  ―日本語とタイ語の対照研究― 田中 寛
第7章 時制節性と日英語の条件文
  ―叙法と時制の観点から― 有田節子
第8章 スペイン語と日本語の条件表現
  ―叙法と時制の観点から― 和佐敦子
第9章 日本語学習者における条件文習得問題について ソルヴァン・ハリー
第三部
第10章 資源としての現実世界 定延利之
第11章 条件表現とは何か? 西光義弘

2006年12月 4日 (月)

レ足す

「レ足すことば」の例を見つけました。

大塚愛の「さくらんぼ」です。

泣き泣きの1日や 自転車の旅や
書きあらわせない
だって 多いんだもん!!

とあります。こちらをご参照ください。

2006年12月 1日 (金)

降灰

Dsc03513 12月26日、「新村出賞贈呈式」と併せて、「新村出生誕一三〇年記念講演会」が行われました。三重大学名誉教授の東辻保和先生による「新村出先生の思い出」というご講演でしたが、新村出氏の肉筆はがきのコピーを材料にいろいろ興味深い話題をご提供いただきました。

その中に、『広辞苑』の見出しとして「降灰」という語の親見出しを「こうかい」とすべきか、「こうはい」とすべきか迷っているという趣旨のはがきをご紹介いただきました。「こうはい」はいわゆる「重箱読み」で、音訓交用であり、教養語としては異例なのですが、気象学用語として流通しているそうです。

これにはやはり、「はい」という読みがあたかも字音であるかのように見える(聞こえる)という点に原因の一つが求められるでしょう。(こちらを参照)

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