2010年1月 5日 (火)

昨年の研究の振り返りと今年の展望

最近の研究テーマとしては、役割語、歴史語用論、存在表現、歴史統語論、その他というあたりに収斂しております。

役割語については、昨年3月に、定延さんの科研費との合同によりシンポジウム・研究発表会を実施しました。その折り、役割語を“キャラクター”というより広い視点から捉え直すということを試みましたが、3月の段階では十分ではなかった論点もだいぶ整理されてきたように思いますので、また発表の機会が得られればと思います。

幸い、役割語に興味を持っていただける方がいてくださいますので、去年もいくつかの講演や授業の機会を得ました。6月には、学生さんの企画で、役割語をテーマとするサイエンスカフェに参加しました。7月には、淀屋橋 odona で関西人イメージについての講演を行いました。9月には金沢大学で集中講義を行いました。11月にはクアラルンプールにおける大阪大学フォーラムで講演を行いました。また、日本女子大学でシンポジウムに参加しました。12月には広島女子大学で講演会を行いました。

出版社からも、出版企画のお話をいただいており、準備を進めていますが、なかなか原稿として結実しません。今年は、一つでも二つでも出版までこぎ着けることが課題かと思います。

歴史語用論に関しては、学生さんや元学生さんらと共同で、直示に関する歴史的変化と類型の研究を進めており、10月に国立国語研究所のフォーラムで発表を行いました。また滝浦さんの、ポライトネス研究と出会ったことは大変な収穫でした。9月に雑誌の企画で滝浦さんと対談ができたことも有り難かったです。2月19日には、新宿の麗澤大学のサテライト教室で、滝浦さんと井上優さんと、ポライトネスに関するシンポジウムを行います。

存在表現については、2006年に『日本語存在表現の歴史』を出版して以来、しばらく寝かせてあったような状態でしたが、9月に愛知県立大学で集中講義をやらせていただき、また10月に中国語学会のシンポジウムにお呼びいただいて話をさせていただいたことによって、また少し考えてみたいと思うようになりました。3月27日~28日には、東京言語学研究所(TEC)の集中講義でお話をさせていただく予定です。

歴史統語論に関しては、昨年3月に国立民族学博物館での国際シンポジウムに参加させていただき、発表をしました。本務校では、その内容を取り込みつつ講義をしつつありますが、形式的に整ってきたように思います。3月までの約束で、講座物の原稿を出す計画ですので、なんとか頑張りたいと思います。

その他として、言語と社会、言語と歴史、言語と国家といった枠組み的なことに関して、少し考えていることがあり、とりあえず1月24日の「21世紀懐徳堂シンポジウム」というイベントでお話させていただく予定ですが、学会発表なども久しぶりに出来ればと思っています。

2009年7月10日 (金)

Japanese Korean Linguistics Vol. 16

Takubo, Yukinori, Kinuhata, Tomohide, Grzelak, Szymon and Nagai, Kayo (eds.) Japanese Korean Linguistics, Vol. 16, Stanford: CSLI Publications.

Contents

Acknowledgments

Part I

Guest Speakers

HIRC, QF and the Definiteness Effect 3

S.-Y. Kuroda

On the Chinese Transcriptions of Northeastern Eurasian Languages: Focusing on Imun [吏文] on the Korean Peninsula and Hanliwen [漢吏文] in the Yuan Dynasty 25

Kwang Chung

Optimal A-Scrambling 44

Mamoru Saito

Te Distribution of Subject Properties in Multiple Subject Constructions 64

James Yoon

Part II

Historical Linguistics

Genesis of ‘Exemplification’ in Japanese 87

Tomohide Kinuhata, Miho Iwata, Tadashi Eguchi, Satoshi Kinsui

A Diachronic Account of the Speaker-Listener Honorific Marker -sup- in Korean 102

Chongwon Park, Sook-Kyung Lee

Grammaticalization Pathways for Japonic Nominalizers: A View from the Western Periphery 116

Leon A. Serafim, Rumiko Shinzato

Diachronic Changes in Korean Wh-constructions and Their Implications for Synchronic Grammar 131

Jeong-Me Yoon

Part III

Phonology and Phonetics

The Acquisition of the Constraints on Mimetic Verbs in Japanese and Korean 163

Kimi Akita

Language-Specific Production and Perceptual Compensation in V-to-V Coarticulatory Patterns: Evidence from Korean and Japanese 178

Mira Oh

Vowel Harmony as an Anti-Faithfulness Effect: Implication from Nonconcatenative Morphology in Korean Ideophones 217

Chang-Beom Park

Part IV

Discourse/Functional Linguistics

Prompting Japanese Children 235

Matthew Burdelski

Clause Chaining, Turn Projections and Marking of Participation: Functions of TE in Turn Co-construction in Japanese Conversation 250

Yuria Hashimoto

Roles of Gestures Pointing to the Addressee in Japanese Face-toface Interaction: Attaining Cohesion via Metonymy 265

Mika Ishino

Intersubjectification and Textual Functions of Japanese Noda and Korean Kes-ita 279

Joungmin Kim and Kaoru Horie

The Asymmetry between the Iki (Go)-V and the Ki (Come)-V Constructions 289

Noriko Matsumoto

The Deployment of Korean Negative Interrogatives in Conversational Discourse: A Sign-based Approach 304

Jini Noh

A Corpus-Based Look at Japanese Giving/Receiving Verbs ageru, kureru, and morau 319

Tsuyoshi Ono and Ross Krekoski

How ‘Things’ (mono) Get Reanalyzed in Japanese Discourse 329

Nina Azumi Yoshida

Part V

Syntax

Right Node Raising as PF Coordination Reduction 347

Duk-Ho An

The Causal Wh-phrase Naze in Japanese Cleft Constructions 362

Tomoko Kawamura

Processing Left Peripheral NPI in Korean: At the Syntax/Phonology Interface 377

Jieun Kiaer and Ruth Kempson

The Exempt Binding of Local Anaphors: An Empirical Study of the Korean Local Anaphor Caki-casin 392

Ji-Hye Kim and James H. Yoon

Three Types of Korean Comparatives 407

So-Young Park

On the Syntax of External Possession in Korean 422

Reiko Vermeulen

Shika-NPIs in Tokyo Japanese and the Syntax-Prosody Interface: Focus Intonation Prosody and Prosody-Scope Correspondence 437

Hideaki Yamashita

Part VI

Formal Semantics and Discourse Analysis

The Korean Double Past form –essess and Types of Discourse 455

EunHee Lee

Particles: Dynamics vs. Utility 466

Eric McCready

Perspective Logophoricity, and Embedded Tense in Japanese 481

David Y. Oshima

Tense and Modality in Japanese Causal Expressions 496

Sanae Tamura

Index 511

2007年11月 2日 (金)

沖縄語辞典

Photo_2 内間直仁・野原三義(編著)

沖縄語辞典
 ―那覇方言を中心に』


研究社、2006年

ISBN 9784767490526

【目次】


凡例
那覇方言概説
主要参考文献
沖縄語辞典
古典文学引用一覧
和沖索引

2006年8月19日 (土)

Situated Meaning

ニューヨークで、チャールズ・クイン先生にいただきました。「内・外」をキーワードとして見た、日本文化、日本社会、日本語論についての論文集です。

Bachnik, Jane M. and Quinn, Charles J., Jr (eds.) (1994) Situated Meaning: Inside and Outside in Japanese Self, Society, and Language, Prinston University Press, Prinston. ISBN: 0691015384

Part One: Indexing Self and Social Context

Chapter One
Introduction: uni/soto: Challenging Our Conceptualzations of Self, Scial Order, and Language
  Jane M. Bachnik

Chapter Two
The Terms uchi and soto as Windows on a World
  Charles J. Quinn, Jr.

Chapter Three
A Movable Self: The Linguistic Indexing of uchi and soto
  Patricia J. Wetzel

Chapter Four
Indexing Hierarchy through Japanese Gender Relations
  Nancy R. Rosenberger

Chapter Five
Uchi/soto: Choices in Directive Speech Acts in Japanese
  Robert J. Sukle

Chapter Six
Indexing Self and Society in Japanese Family Organization
  Jane M. Bachnik

Part Two: Failure to Index: Boundary Disintegration and Social Breakdown

Chapter Seven
Uchi no kaisha: Company as Family?
  Dorinne K. Kondo

Chapter Eight
The Battle to Belong: Self-Sacrifice and Self-Fulfillment in the Japanese Family Enterprize
  Matthews M. Hamabata

Chapter Nine
When uchi and soto Fell Silent in the Night: Shifting Boundaries in Shiga Naoya's "The Razor"
  Michael S. Molasky

Chapter Ten
Uni/soto: Authority and Intimacy, Hierarchy and Solidarity in Japan
  Jane M. Bachnik

Part Three: Language as a Form of Life: Clines of Knowledge as Clines of Person

Chapter Eleven
Uchi/soto: Tip of a Semiotic Iceberg? 'Inside' and 'Outside' Knowledge in the Grammar of Japanese
  Charles J. Quinn, Jr.

2006年8月16日 (水)

筑紫語学論叢II

81575 ありがたいことに、編者から、下記のご著書をいただきました。

筑紫国語学談話会 編 (2006) 『筑紫語学論叢 II―日本語史と方言―』風間書房, ISBN:4-7599-1575-3

以下に、概要と目次を示します。

概要:「日本語史と方言」というテーマのもと、音韻・表記、文法、語彙、文献、方言などについてまとめた、迫野虔徳先生の退官と筑紫国語学談話会25周年記念の論文集。

上代日本語母音調和覚書(早田輝洋) pp. 1-16
“たまげる” と “たまぎる”(前田富祺) pp. 17-38
「夜の衣を返してぞ着る」の意味ー『古今集』五五四番歌考ー(山口佳紀) pp. 39-54
高野山宝寿院蔵『蒙求抄』について(柳田征司) pp. 55-70
時刻名の転義用法(鈴木丹士郎) pp. 71-86
『交隣須知』の成立存疑(迫野虔徳) pp. 87-112

1 音韻・表記
萬葉集における非単独母音性の字余りの性格ーA群とB群の関わりからー(佐野宏) pp. 115-139
鎌倉時代擬音擬態語と特殊拍(江口泰生) pp. 140-157
四つ仮名と前鼻音(高山倫明) pp. 158-174
近松浄瑠璃におけるハ行四段動詞音便形について―時代物と世話物の言葉ー(奥村和子) pp. 175-188
藍庭晋瓶(晋米)浄書 草双紙類の仮名遣の実態  ー『敵討余世波善津多』及び『正本製 五編 難波家土産』ー(矢野準) pp. 189-207

2 文法
「(さ)せらる」(尊敬)の成立をめぐつて(堀畑正臣) pp.211-237
タリからテアルヘ(山下和弘)pp.238-255
クダサルの人称制約の成立に関して(荻野千砂子)pp. 256-273
原因主語他動文の歴史(青木博史) pp. 274-293

3 語彙
「けしき」をめぐつて(二)―古代の「気色」の特色―(辛島美絵) pp. 297-313
真福寺本将門記における「合戦(カフセン)ス」と「合戦(アヒタタカ)フ」(山本秀人) pp. 314-331
「いいかげん」の意味・用法の変遷(前田桂子) pp. 332-345
「よほど」の使用条件の変化(播磨桂子) pp. 346-363
“返り討ち”の意味変化について(新野直哉) pp. 364-378
外来語成分の造語をめぐつて―《気づかない意味変化》の一例としてー(林慧君) pp. 379-396

4 文献
『物類称呼』巻二「動物」の典拠について(田籠博) pp. 399-421
肥後近世文献に見る方言ー『嶋屋日記』と『上田宜珍日記』ー(藤本憲信) pp. 422-437
江戸語資料としての『はまおき』(山県浩) pp. 437-462
『俚言集覧』『増補俚言集覧』における『今昔物語』からの引用について(岡島昭浩) pp. 463-479
明治期対訳辞書『英語節用集』所載カタカナ表記英語語形をめぐつて
 ー『薩摩辞書』との比較対照調査報告―(坂本浩一)pp. 480-500

5 方言
九州方言の可能形式「キル」についてー外的条件可能を表す「キル」ー(木部暢子) pp.3-19 (横組み、以下同)
福岡方言と朝鮮語釜山方言の疑問詞疑問文の音調(久保智之) pp. 20-36
対馬方言の敬語ー『交隣須知』を資料にしてー(高橋敬一) pp. 37-58
沖縄首里方言における複合名詞音調規則について(﨑村弘文) pp. 59-86
来間島方言の格助詞(杉村孝夫)pp. 87-99

2006年6月12日 (月)

日本学・敦煌学・漢文訓読の新展開

一年くらい前に出た本ですが、内容が多彩でありながら、なかなか人の目に触れない種類の出版物であるように思いますので、内容をご紹介しておきたいと思います。

石塚晴通教授退職記念会(編)(2005.5)『日本学・敦煌学・漢文訓読の新展開』汲古書院, ISBN: 4762935247

序……池田証寿
石塚晴通教授略年譜・研究業績目録

訓点資料として見た漢文文献の諸相―陀羅尼部の訓点を手掛かりとして……沼本克明
訓読と翻訳―日本書紀の古訓―……木田章義
古語拾遺の古訓点について―その年代性をめぐって―……月本雅幸
蘇磨呼童子請問経における注釈と訓読……松本光隆
尚書正義との関係から見た古文尚書平安中期点の問題……小助川貞次
金剛寺一切経の古訓点本―『維摩経』を中心に―……金水 敏
辞書と材料―和訓の収集―……大槻 信
高山寺蔵新訳華厳経音義と宮内庁書陵部蔵宋版華厳経……池田証寿
高野山性厳房宥快の講説とその聞書類について
  ―金剛三昧院蔵大日経疏伝授抄に見える古辞書逸文を中心に―……土井光祐
僧侶の書記用漢字―接続詞「これによりて」の用字から―……山本真吾
中世における「心身不調」表現の諸相……伊原信一
「すまひ(住)」用字考―宛字“住居”の慣用に至るまで―……漆崎正人
あらすじ過去と別人格―『法華百座聞書抄』のキ・ケリ―……福沢将樹
新漢語の産出と近代漢文訓読……陳 力衛
文字番号および部首番号の起源と応用―『大字典』と華英字典とRose-Innes―……高田智和
標準語形使用率と鉄道距離重心……井上史雄
談話における発話の相互関係とまとまり……野村真木夫
受身文の動作主マーカーについて……劉 笑明
日本文学(古典)の精神病理学……林 美朗
明治前期における中日漢詩文の交流……王 宝平
敦煌写本の書誌学的研究―近年の動向を踏まえて―……赤尾栄慶
唐代楷書事態研究に果たした敦煌出土スタイン三八八番写本の役割
  ―『正名要録』と『群書新定字様』―……西原一幸
「無」・「无」字の問題系―『唐開成石経周易』における二字体―……紅林幸子
    *
ロシア所蔵ウイグル文「金剛般若経」断片一葉について……庄垣内正弘
敦煌石窟におけるペン描き壁画―粛北五個廟第4窟を中心に―……劉 永増
敦煌文献によって展開された六朝隋唐注釈学―『毛詩音隠』を例に―……鄭 阿財
敦煌写本真偽弁別示例
  ―法成の講じた『瑜伽師地論』の学生による筆記を中心として―……栄新江・余欣
敦煌仏教の50巻『華厳経』を探して……李 丞宰
日本の敦煌文学研究の成果と方法の考察……朱 鳳玉
閻崇〓(玉偏に「劇」の左側)『敦煌変文詞語匯釈』の検討および補……方 一新
《遊仙窟》俗語詞君釈……黄 征
韻律と附加式二音節語についての試論……王 雲路
敦煌学への自然科学的分析の導入……加藤雅人
『大宋重修広韻』における掲出字と注内異体字との関わり……工藤祐嗣
日本書紀における中国口語起源漢語の受容……唐 〓(火偏に「偉」の右側)
『源氏物語』における儒家思想―第一部を中心にして―……陳 明姿
訓点資料としてみた「長恨歌伝」「長恨歌」の訓読に関する一考察
   ―金沢文庫本『白氏文集』巻十二所収の場合―……渡辺さゆり
バレト著「葡羅辞書」のキリシタン語学に於ける意義……岸本恵実・豊島正之
キリシタン版前期国字版本の平仮名活字について……白井 純
酒田市光丘文庫所蔵慶応四年「土人共江申渡書」のアイヌ語について……佐藤知己
英和兵語辞書について……朴 均轍
『飲氷室合集』にある日本借用語の性格……李 運博
広辞苑の漢字……小野芳彦
「どうせ」の用法の分析……菊地康人
日本語の主題文の形成原理と情報構造……陳 訪澤
慣用句の翻訳による意味伝達の問題について……ボトーエフ・イーゴリ
日韓推量表現形式の対応関係分析……尹 相実
「言語接触」の観点から見た日本語と朝鮮語……門脇誠一
韓国漢字の表音字と表意字……朴 盛鍾
韓国の口訣……鄭 在永
漢字・漢文の韓国的受容……初期吏読と釈読口訣資料を中心に……金 永旭
周本『華厳経』巻第六における点吐の重複表記と符号……朴 鎮浩
『瑜伽師地論』点吐口訣に関する一考察
   ―口訣点の懸吐位置の細分と位置変異現象について―……張 景俊
韓国の角筆符号口訣と日本の訓点において存する華厳経の不読字について……尹 幸舜
16世紀韓日両国の論語理解……呉 美寧

(以上)

言外と言内の交流分野

026774050000 私も寄稿した、論文集のご紹介をします。

上田 功・野田 尚史(編)『言外と言内の交流分野』小泉保博士傘寿記念論文集
税込価格 : \10,500 (本体 : \10,000)
出版 : 大学書林
サイズ : A5判 / 624p
ISBN : 4-475-01875-7
発行年月 : 2006.4
【内容】

傘寿の辞……小泉 保
小泉保博士履歴・学会活動・研究業績
定住外国人対象の日本語教育の枠組みに関する一考察……足立祐子
「どうせ」の意味と規定性……有田節子
日本語の思惟方法から見た動詞のしくみ……池田哲郎
接続文構造の習得方法……伊藤克敏
ウラル基語属格考……稲葉信史
「派生時代」の音韻獲得制約再考……上田 功
得意な指示詞「あれ」再考――日本語会話コーパスによる分析……上村隆一
ハンガリー語の副動詞構文について……大島 一
面白い言語現象……何自然・劉小珊
「XはYがP」構文における「Yが」の解釈について……甲斐ますみ
直喩と諺―語用論の視点から―……鍵村和子
スリランカ手話のネームサインにおける位置と生起制約……加納 満
日本語「VNする」と韓国語「VN Hada/doeda」―基礎的語彙を中心に―……金 良宣
役割語としてのピジン日本語の歴史素描……金水 敏
わきまえの言語行為研究のための課題探求「遠慮」の言語行為をめぐって……久保 進
ビジネストークの語用論……黒田史彦
20世紀の言語学:分析対象の縮小とその結果……児玉徳美
異文化間の誤解……小林純子
情動自動詞に見られる使役性と他動性……小牧千里
フィンランド語の離格の用法について……佐久間淳一
「はおろか」構文・「どころか」構文に関する意味論的・語用論的考察……澤田 治
ヴォイスの観点から見た日本語の受益構文……澤田 淳
日本語の自発文をめぐって……澤田治美
とりたて動詞と条件・否定の相互作用……澤田美恵子
Kalevala と古事記の距離……清水義夫
いわゆる日本語の助詞に関する覚え書き……庄司育子
普遍性仮説と類似性……杉本孝司
「~てもらっていいですか」という言い方―指示・依頼と許可求めの言語行為―……砂川有里子
「で」の「格解釈のゆれ」再考―「道具」と「原因・理由」を中心に―……宗田安巳
「~ている」形の解釈と非能格/非対格動詞……高見健一
Triant lo Blanc の難解な箇所と Albert Hauf 版について……田沢 耕
埋め込み文の推意について……田中廣明
条件文の意味論……田中美和子
サミュエル・ベケットの演劇―混沌からグレート・マザーへ―……谷上れい子
「は」と「が」の意味について……陳 訪澤
雑談における評価の共有―映画を見たあとの雑談の分析―……筒井佐代
会話における「異文化性」のダイナミズム―相互行為分析の視点から―……徳井厚子
ハンガリー語の様格-kent が語順に現れる位置について……野瀬昌彦
新聞の見出し末における格助詞・とりたて助詞の特徴……野田春美
日本語の打ち間違いの言語学的な分析―パソコンのローマ字入力の場合―……野田尚史
譲歩の談話と認識的モダリティ―「のではないか」はなぜ譲歩文と共起しないのか―……蓮沼昭子
「認知語用論」の展開―参照点能力と推論―……林 宅男
ディスコースメタファーの構築:シロ色がジェンダーの意味を獲得する瞬間……林 礼子
英語のジョークと川柳の笑いについて:関連性理論による分析……東森 勲
日本語の名詞述語文の連続性と「ハ」「ガ」の選択……樋口 功
トルコ語とウイグル語における現在形と過去形の人称を示す形式……藤家洋昭
Perceived Competence in Prononciation: Change During a Phonetics Course……Emi Matsumoto
理系日本語論文における緒言部と結論部の呼応的関係―専門日本語教育のための文章研究として―……村岡貴子
ポルトガル語の中舌母音……村松英理子
語法研究に潜む暗黙の前提……山口治彦
認知プロセスと構文の分布関係……山梨正明
日本語教育における「場面」概念の意義……由井紀久子
時間直示に関する日中対照語用論研究的研究……余 維
執筆者一覧
編集後記

東アジア国際フォーラムプロジェクト

Taiwan 大阪大学大学院文学研究科東アジア国際フォーラムプロジェクト(編)(2005, 3)『2004-2005年大阪大学大学院文学研究科共同研究報告書 台湾における日本文学国語学の新たな可能性〔2004年度〕 アジアの表象/日本の表象〔2005年度〕 』(大阪大学大学院文学研究科)という報告書ができました。2年度分の国際フォーラムの成果をまとめたものです。2004年度分の目次はこちらにあります。入手したい方、コメントでお問い合わせ下さい(メールアドレスをお願いします)。

2005年度分の目次を挙げておきます。

活動報告………(098)
参加報告………同志社大学教授 佐伯純子 (101)
研究報告抄録
大江健三郎『われらの時代』における女性像―女性の問題―
  ………チュラロンコーン大学講師 ドゥアンテム・クリサダターノン (103)
英語で書かれた想像の日本語―カズオ・イシグロと翻訳
  ………京都外国語大学短期大学部講師 荘中孝之 (111)
「声の文学」としての語り物―近代における浪花節の変貌
  ………大阪大学大学院助手 真鍋昌賢 (118)
浄瑠璃『壺坂霊験記』における「貞節」と「愛」
  ………別府大学講師 細田明宏 (122)