2010年4月 9日 (金)

VSARPJ プロジェクト

Oxford のB. Frellesvig 先生によるプロジェクト

Verb semantics and argument realization in pre-modern Japanese:
A comprehensive study of the basic syntax of pre-modern Japanese

のホームページがここにあります。日本語の説明もここにあります。

2010年3月14日 (日)

特別集中講義「日本語存在表現の歴史」

東京言語研究所・特別集中講義のご案内

東京言語研究所では、言語学の研究者の方々ならびに言語学に興味をお持ちの方々を対象に〔理論言語学講座〕をはじめとして様々を講座を開設しておりますが、この度あらたに「特別集中講義」を開催することといたしました。<特別集中講義>は、多様な研究領域に関して、より多くの方々の受講が可能な条件を勘案し企画いたしました。ぜひご参加ください。

<演題>:「日本語存在表現の歴史」
<講師>:金水敏氏〔大阪大学大学院文学研究科教授〕
<日時>2010年3月27日(土) 13:00~16:30

28日(日) 9:00~17:10
<講義内容>
講義1 存在文・存在動詞の分類
講義2 「いる(ゐる)」の歴史(上代~鎌倉)
講義3 「いる」の歴史(室町~現代)
講義4 「ゐる」と「をり」の関係(上代~鎌倉)
講義5 「いる」と「おる」の関係(室町~現代)
講義6 地理的分布と歴史

<会場>東京言語研究所(新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビル13階)

<参加費>15,000 円

<申込み>メールまたはFAX にて下記をご連絡下さい。(定数:先着50名)
①特別集中講義受講希望②氏名③住所④電話番号⑤メールアドレス
⑥区分(会社員・教職員・大学院生・大学生・その他)
※(この情報は受講手続きにのみ使用いたします。)

講師紹介: 1956 年生まれ。大阪女子大学助教授、神戸大学助教授等をへて、現在大阪大
学大学院文学研究科教授。著書『ヴァーチャル日本語役割語の謎』(岩波書
店)『日本語存在表現の歴史』(ひつじ書房)他

○ 問合せ先
東京言語研究所
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビル16階
TEL:03-5324-3420 FAX:03-5324-3427
E-mail:info@tokyo-gengo.gr.jp ホームページ:http://www.tokyo-gengo.gr.jp/

○以下に、講義の概要を掲げます。

 <講義内容>
 この講義内容の多くの部分は金水 (2006) 『日本語存在表現の歴史』(ひつじ書房)と重なっていますが、残りの部分は今回新しく付加した部分であり、またかつて述べたことを新しい視点から述べ直したところがあります。

講義1 存在文・存在動詞の分類
 存在文を、「空間的存在文」「限量的存在文」「リスト存在文」「所有文」等に分類することを提案し、これらの分類は存在動詞の分類(場所項を要求するか否か)と連動することを述べる。現代共通語の話者は、「いる(おる)」と「ある」をもっぱら主語の指示対象の有生性によって使い分けているが、一部の話者は限量的存在文・リスト存在文・所有文に限って有生物主語に対し「ある」の所有を許容するが、その許容度は話者の年齢・世代によって異なるようである。また、英語、中国語、韓国語、スペイン語等、他の外国語との対照も試みる(この講義は、意味論的・統語論的な分析が主となり、若干聞くのに骨が折れますが、できるだけ分かりやすくお話しします)。

講義2 「いる(ゐる)」の歴史(上代~鎌倉)
「ゐる」(「いる」の古形)は元来は存在動詞とは言えず、移動可能な対象が一定の場所に静止・固着する意味の変化動詞であった。一方「あり」(「ある」のラ行変格活用形)は、主語の有生・無生、空間的・限量的を問わず用いられた。また「あり」の敬語形(尊敬語「おはす」謙譲語「はべり」等)も意味的には「あり」と同様の用法を持っていた。

講義3 「いる」の歴史(室町~現代)
 「いる」は室町時代後期までには有生物の存在を表すようになったが、最初は空間的存在文の一部に限定されていた。やがて、江戸時代までには、有生主語かつ空間的存在文の領域を占めるようになった。近代に入り、有生主語かつ限量的存在文の領域に「いる」が進入するようになり、現在はこの領域をほとんど「いる」が占めることとなって、空間的・限量的という区別が形態論的には効力を失った。

講義4 「ゐる」と「をり」の関係(上代~鎌倉)
 「をり」(「おる」の古形)は、上代には「ゐる」の唯一の状態形(「あり」が膠着し、「ゐる」の結果状態を表す)であった。平安時代に入ると「ゐたり」という新しい状態形が登場し、「をり」の用例は減少した。さらに「をり」に特殊な評価的ニュアンスが加わることとなった。

講義5 「いる」と「おる」の関係(室町~現代)
 現代共通語では、「おる」は「おります」(謙譲・丁重語)、「おられる」(尊敬語)、「おり」「おらず」(中止形)に限って用いられるが、このような分布が近世における重層的なスタイルから流入していることを述べる。

講義6 地理的分布と歴史
 現在、西日本の多くの方言では有生物の存在に「おる」を用い、東日本の多くの方言では「いる」を用いるが、この分布が、中央における歴史的変化とどのように関連するのかという問題について思考実験を試みる。併せて、一般的に語彙・意味が動的に変化する原理について考察する。

2010年1月 7日 (木)

ニュース字幕の“ら抜き”

さきほど、よみうりテレビ(日テレ系列)18:30からのニュース番組で、画面下に掲示された字幕に“ら抜き”がありました。世界最大の3D薄型ディスプレイが発売されたことを伝えるニュースの中でした。

めがねをかけることによって立体映像が見れる

口頭表現ではもはや標準的と言ってもいいほど広まっていますが、報道番組の字幕ではかなりめずらしいのではないでしょうか。とっさのことで、写真を撮れなかったのが残念です。

2008年4月12日 (土)

屋名池誠氏形態論メモ

  • 「活用の捉え方」「活用とアクセント」日本語教育学会(編)『新版 日本語教育学事典』大修館書店
  • 「『音便形』―その記述」『築島裕博士古稀記念 国語学論集』汲古書院
  • 「上方ことばのアクセント」大阪女子大学国文学研究室(編)『上方の文化 上方ことばの今昔』和泉書院
  • 「平安時代京都方言のアクセント活用」『音声研究』(日本音声学会)8-2
  • 「動詞活用の地域差と成因・今後の進路―理論と『方言文法全国地図』の出会うところ―(仮題)」『日本語学』臨時増刊(2007年9月)
  • 「文法論と語彙」石井正彦・斎藤倫明(編)『これからの語彙論』ひつじ書房(未刊)

2007年5月13日 (日)

現代日本語の複合語形成論

027686900000 現代日本語の複合語形成論 (ひつじ研究叢書) 
  石井 正彦著
税込価格 : \8,820 (本体 : \8,400)
出版 : ひつじ書房
サイズ : A5判 / 497p
ISBN : 4-89476-324-9
発行年月 : 2007.2

目次
序論 複合語形成論の対称と方法
第1部 複合動詞の形成
第1章 複合動詞形成の基本モデル
第2章 動詞の結果性と複合動詞
第3章 派生的な複合動詞の形成
第4章 複合動詞と複合名詞
第5章 複合動詞の語構造分類
第6章 「既成」の複合動詞と「新造」の複合動詞
第2部 複合名詞の形成
第1章 複合名詞形成の4段階モデル
第2章 複合名詞の語構造と命名概念構造
第3章 複合名詞の表現性と弁別性
第4章 造語成分の位相と機能
第5章 複合名詞の語構造と語彙の生産性
第3部 臨時一語の形成
第1章 臨時一語と文章の凝縮
第2章 文章顕現型の臨時一語化
第3章 文章顕現型の脱臨時一語化
第4章 新聞における文章顕現型の臨時一語化と脱臨時一語化
第5章 文章顕現型の臨時一語化の基本類型

2006年12月 4日 (月)

レ足す

「レ足すことば」の例を見つけました。

大塚愛の「さくらんぼ」です。

泣き泣きの1日や 自転車の旅や
書きあらわせない
だって 多いんだもん!!

とあります。こちらをご参照ください。

2006年9月 5日 (火)

拙著要約

book_2309ここでご紹介した、拙著『日本語存在表現の歴史』の概要を、ある必要のために書きましたので、記録しておきます。

『日本語存在表現の歴史』
金水 敏(著)ひつじ書房(刊)2006220日発行

本書は、日本語固有の存在動詞「ある(あり)」「いる(ゐる)」「おる(をり)」の3語を主たる対象とし、その意味、用法等の分布と変遷について、歴史的な検討を加えることを目的とする。そのために、本書は第1部「「いる」と「ある」」および第2部「「いる」と「おる」」の2部構成をとっている。

1部では、まず現代共通語を中心に、「いる」と「ある」の違いを意味論、統語論の面から分析し、空間的存在文、限量的存在文、所有文、リスト存在文という分類を得た。次に、古代語において変化動詞であった「ゐる」が、「たり」を伴った形式から「いた」を経て室町時代に存在動詞「いる」に至った経過、またその際、「いる」が空間的存在文の意味を獲得したこと、その後、限量的存在文・所有文その他へと広がっていった過程を明らかにした。

2部では、古代語の「ゐる」と「をり」がアスペクト的意味において対立していたこと、平安時代に新しい形式「ゐたり」が成立し、その結果「をり」が特殊な動詞へと変容したこと、その「をり」の意味と文体との関係等について検討した。さらに、全国共通語の「おる」の機能が、漢文訓読文、武士言葉、上方言葉由来の町人言葉等、異なる経路を経て形成されたことについて述べた。併せて、人を主語とする存在文における「いる」「おる」「ある」の地理的分布と中央語の変遷を照らし合わせ、西日本では「いる」「おる」について京阪を中心とする周圏分布が形成されていること、東日本では「ゐたり」に起源をもつ「いる」「いだ」等の形式が広く強い勢力を持っていることを確認した。また、「動詞+存在動詞」「動詞+て+存在動詞」という形式によるアスペクト形式が、存在表現の語彙の変化と深い相関関係にあることについて概観した。

2006年8月19日 (土)

Classical Japanese: A Grammar

コロンビア大学のHaruo Shirane先生にいただきました。アメリカで古典日本語を教えるための、実践的な教科書です。日本の学校文法を基盤とした体系になっています。続編として、例文集がもうすぐ出るとのことです。

Shirane, Haruo (2005) Cassical Japanese: A Grammar, Columbia University Press, New York. ISBN: 023113526

2006年8月18日 (金)

文語文法・動詞活用早わかり

前期の授業で使った、文語文法を説明するためのパワーポイント・ファイルをアップしておきます。

パワーポイントのアプリケーションをお持ちでない方のために、PDF化したファイルもアップしておきますが、アニメーションが表示できません。アニメーションがあった方が、このスライドは分かりやすいです。

「katuyo_slide.ppt」をダウンロード

「katuyo_slide.pdf」をダウンロード