2008年8月16日 (土)

漢字音

SKinsui's blog から転載です。

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先日、H大学で大学院生相手に日本語史の演習をやっていたときのこと。

学生の中に、日本人以外に中国人と韓国人がいたので、それぞれの国の漢字音を比べ合いました。例に取り上げた字は

(簡体字で「叶」)

それぞれの国語での漢字音は、以下の通り。

日本語:ヨウ

中国語:イェ

韓国語:ヨ

もととなった、古い中国での漢字音は

イェ

のようなものであったようです。韓国の漢字音(朝鮮漢字音)が一番古い姿を残していて、音節末の閉鎖音[p]を保存していますね。中国本国では、この[p]は失われてしまいました。一方、日本では、

イェプ > イェフ > イェウ > ヨウ

のような経過をへて、現代に至っています(歴史的仮名遣いでは「エフ」)。

これって、東アジアを舞台に、1000年以上かけて

壮大な伝言ゲーム

をしているようなものですね。その答え合わせを、今、日本の広島でしていると思うと、なんだか楽しい気分がしてきました。

2006年12月29日 (金)

言語に表れる「世間」と「世界」

いただきものです。

中川正之・定延利之(編)(2006)『言語に表れる「世間」と「世界」』シリーズ言語対照〈外から見る日本語〉、くろしお出版, ISBN: 4874243681

第1章 言語に現れる世間と世界
  ―まえがきにかえて― 中川正之・定延利之
第2章 人物の属性表現に関する「具体」と「抽象」
  ―社会心理学的見地から― 菅さやか・唐沢 穣
第3章 無助詞題目の認知的特徴
  ―新内処理と現場性― 金田純平
第4章 描写に関する個とステレオタイプ
  ―談話から見る中国語の「存現文」― 澤田浩子
第5章 日本語、インドネシア語のナル型受動構文
  ―受動表現にみる「世界」と「世間」― 湯浅章子
第6章 マテンゴ語における「未来」と「現在」
  ―2種類の時間境界― 米田信子
第7章 エビデンシャリティと現代日本語の「ている」構文 定延利之・アンドレイ・マリチュコフ
第8章 心内情報の帰属と管理
  ―現代日本語共通語「ている」のエビデンシャルな性質について― 定延利之

条件表現の対照

いただきものです。

益岡隆史(編)(2006)『条件表現の対照』シリーズ言語対照〈外から見る日本語〉、くろしお出版, ISBN: 4874243614

第一部
第1章 条件表現研究の導入 有田節子
第二部
第2章 日本語における条件表現の分化
  ―文の意味的階層構造の観点から― 益岡隆史
第3章 条件表現の範囲
  ―古典日本語の接続助詞バをめぐって― 福田嘉一郎
第4章 韓国語条件表現 -umyen, -ketun, -eya
  ―自体の個別性とレアリティー― 奈良夕里枝
第5章 中国語の条件表現
  ―条件文における“了”の分布と意味― 下地早智子
第6章 タイ語の条件表現をめぐって
  ―日本語とタイ語の対照研究― 田中 寛
第7章 時制節性と日英語の条件文
  ―叙法と時制の観点から― 有田節子
第8章 スペイン語と日本語の条件表現
  ―叙法と時制の観点から― 和佐敦子
第9章 日本語学習者における条件文習得問題について ソルヴァン・ハリー
第三部
第10章 資源としての現実世界 定延利之
第11章 条件表現とは何か? 西光義弘