2008年8月16日 (土)

漢字音

SKinsui's blog から転載です。

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先日、H大学で大学院生相手に日本語史の演習をやっていたときのこと。

学生の中に、日本人以外に中国人と韓国人がいたので、それぞれの国の漢字音を比べ合いました。例に取り上げた字は

(簡体字で「叶」)

それぞれの国語での漢字音は、以下の通り。

日本語:ヨウ

中国語:イェ

韓国語:ヨ

もととなった、古い中国での漢字音は

イェ

のようなものであったようです。韓国の漢字音(朝鮮漢字音)が一番古い姿を残していて、音節末の閉鎖音[p]を保存していますね。中国本国では、この[p]は失われてしまいました。一方、日本では、

イェプ > イェフ > イェウ > ヨウ

のような経過をへて、現代に至っています(歴史的仮名遣いでは「エフ」)。

これって、東アジアを舞台に、1000年以上かけて

壮大な伝言ゲーム

をしているようなものですね。その答え合わせを、今、日本の広島でしていると思うと、なんだか楽しい気分がしてきました。

2007年5月14日 (月)

指示詞研究会

指示詞研究会

日時:5月19日(土曜)(3:00~5:00頃)

場所:大阪大学大学院文学研究科 A27

3:00~4:00 発表題目「古代語カ(ア)系列指示詞の定義」
          藤本真理子(大阪大学大学院博士課程)

4:00~5:00  発表題目「日韓における指示詞について」
          朴美賢(甲南大学)・岡崎友子(就実大学)

5:30頃~    懇親会

なお、懇親会のご出席の有無について、岡崎までtomoko-oka@shujitsu.ac.jpお知らせください。

岡崎友子

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2007年2月14日 (水)

WS「叙述の類型をめぐって」

研究会情報です。

○ワークショップ「叙述の類型をめぐって」開催のお知らせ○

下記の通りワークショップ「叙述の類型をめぐって」の開催を予定しております。
皆様のご参加をお待ちしております。

日時:2007年3月21日(水)10:00~16:00
※申し込み不要・参加費無料

会場:神戸市研究学園都市大学共同利用施設ユニティ(セミナー室3)
       神戸市西区学園西町1-1-1ユニバープラザ2F Tel.078-794-4970
      (神戸市営地下鉄「学園都市駅」隣 http://www.unity-kobe.jp/

(プログラム)
第一部:10:00~12:40 (発表30分・質疑応答10分)
10:00~10:40 導入  益岡隆志「叙述類型論に向けて」
10:40~11:20 発表① 岩男考哲「叙述の類型から見た「って」提題文」
11:20~12:00 発表② 眞野美穂「状態述語文の構造と叙述の類型」
12:00~12:40 発表③ 江口清子「事象叙述述語による属性叙述―ハンガリー語
動詞過去分詞形による名詞修飾を通して―(仮)」

第二部:14:00~16:00
14:00~14:40 発表④ 唐沢譲・菅さやか「社会的ステレオタイプの言語的特質」
14:40~15:20 発表⑤ 砂川有里子「語りにおける現象描写文の談話展開機能(仮)」
15:20~16:00 発表⑥ 影山太郎「語形成と属性叙述(仮)」

※駅周辺には軽食程度であればお店はありますが、ご昼食は各自ご用意下さい。
問い合わせ先:眞野 美穂(mihomano@hotmail.com

2006年12月29日 (金)

韓日使役構文の機能的類型論研究

いただきものです。

鄭 聖汝 (2006) 『韓日使役構文の機能的類型論研究:動詞基盤の文法から名詞基盤の文法へ』シリーズ言語対照〈外から見る日本語〉、くろしお出版, ISBN: 4874243622.

序章
1. 動詞基盤の文法 対 名詞基盤の文法
2. 全体の概観
第一部 対格言語と能格性―言語類型論と理論言語学のはざま―
第1章 能格性とは何か
1.1 はじめに
1.2 能格言語と能格性の現れ
1.3 対格言語における能格性の捉え方
第2章 分裂自動詞性の本性について
  ―言語類型論の観点から見た非対格仮説とその問題点―
2.1 はじめに
2.2 非対格仮説の形式化と経験的基盤
2.3 自動詞ベースの受身
2.4 使役交替
2.5 分裂主語システム
2.6 パラメータの提案
2.7 韓国語の自動詞システムに見られる現象
2.8 おわりに
第二部 使役構文の機能論的アプローチ―規則性と不規則性のはざま―
第3章 使役・使役形式・使役構文・使役意味
3.1 はじめに
3.2 使役とは何か
3.3 普遍的傾向に矛盾する統語現象
3.4 使役形式と使役意味の対応関係
3.5 おわりに
第4章 規範的使役構文と非規範的使役構文
4.1 はじめに
4.2 韓国語における非規範的使役構文
4.3 日本語における非規範的使役構文
4.4 形式と意味の対応関係
4.5 おわりに
第三部 動詞基盤の文法から名詞基盤の文法へ
  ―新たなパラダイムを求めて―
第5章 日本語に置ける自他交替とサセ
  ―カテゴリーの拡張と語彙的欠如の動機づけについて―
5.1 はじめに
5.2 従来の捉え方
5.3 宮川 (1989) の問題点
5.4 考察
5.5 分析
5.6 おわりに
第6章 社会・文化モデルと統語構造―個体と関係役割語としての名詞句―
6.1 はじめに
6.2 個体と関係役割語としての名詞句
6.3 F-モデルの導入:個体モデルと社会モデル
6.4 F-モデルと統語現象
6.5 おわりに
6.6 今後の展望

言語に表れる「世間」と「世界」

いただきものです。

中川正之・定延利之(編)(2006)『言語に表れる「世間」と「世界」』シリーズ言語対照〈外から見る日本語〉、くろしお出版, ISBN: 4874243681

第1章 言語に現れる世間と世界
  ―まえがきにかえて― 中川正之・定延利之
第2章 人物の属性表現に関する「具体」と「抽象」
  ―社会心理学的見地から― 菅さやか・唐沢 穣
第3章 無助詞題目の認知的特徴
  ―新内処理と現場性― 金田純平
第4章 描写に関する個とステレオタイプ
  ―談話から見る中国語の「存現文」― 澤田浩子
第5章 日本語、インドネシア語のナル型受動構文
  ―受動表現にみる「世界」と「世間」― 湯浅章子
第6章 マテンゴ語における「未来」と「現在」
  ―2種類の時間境界― 米田信子
第7章 エビデンシャリティと現代日本語の「ている」構文 定延利之・アンドレイ・マリチュコフ
第8章 心内情報の帰属と管理
  ―現代日本語共通語「ている」のエビデンシャルな性質について― 定延利之

条件表現の対照

いただきものです。

益岡隆史(編)(2006)『条件表現の対照』シリーズ言語対照〈外から見る日本語〉、くろしお出版, ISBN: 4874243614

第一部
第1章 条件表現研究の導入 有田節子
第二部
第2章 日本語における条件表現の分化
  ―文の意味的階層構造の観点から― 益岡隆史
第3章 条件表現の範囲
  ―古典日本語の接続助詞バをめぐって― 福田嘉一郎
第4章 韓国語条件表現 -umyen, -ketun, -eya
  ―自体の個別性とレアリティー― 奈良夕里枝
第5章 中国語の条件表現
  ―条件文における“了”の分布と意味― 下地早智子
第6章 タイ語の条件表現をめぐって
  ―日本語とタイ語の対照研究― 田中 寛
第7章 時制節性と日英語の条件文
  ―叙法と時制の観点から― 有田節子
第8章 スペイン語と日本語の条件表現
  ―叙法と時制の観点から― 和佐敦子
第9章 日本語学習者における条件文習得問題について ソルヴァン・ハリー
第三部
第10章 資源としての現実世界 定延利之
第11章 条件表現とは何か? 西光義弘