流行歌・県名ランキング
2000年『能登・金沢方面研究室旅行パンフレット』所載のエッセーの再録です。
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恒例によって、といっても、別に待っている人もいないと思いますけど、いい埋め草になるので、また『あのうたこのうた5555』(塚本忠夫(編集・発行)、ソニー・マガジンズ、1996)のCD-ROMでご当地の歌を検索してみました。
金沢って、けっこう雰囲気があるから歌謡曲もざくざくあるかと思ったら、2曲だけでした。「加賀の女」(北島三郎、1969)と「金沢の雨」(城之内早苗、1987)です。「加賀」というキーワードもあるな、と思って引いてみると、4曲。次に「能登」で引くと、3曲。これには、大ヒット曲「能登半島」(石川さゆり、1977)が含まれています。
ここで、ふと、「全国の都道府県庁所在地が歌い込まれている歌謡曲って、どれくらいあるんだろう」という疑問が浮かんできました。都市ごとに検索して合計すると、これは延べ238曲ありました(1曲で複数の都市が歌われている場合もあります)。ここで都市別のランキングも分かった訳ですが、なるほどと思う面もあり、意外な面もあり、なかなか興味深いものがありました。
それでは、クイズです。
Q1. ランキング第1位はどこでしょう?
Q2. ベスト10を順位とともに予測して下さい。
紙幅もないので、さっさと解答に行きます。第1位は、ぶっちぎりで「{\bf 東京}」でした。110曲、つまり、半分近くが東京を歌ったものだったんですね。2位以下、順次発表します。2位「大阪」(24)、3位「京都」「長崎」(14)、5位「札幌」(13)、6位「横浜」(10)、7位「神戸」(9)、8位「名古屋」「新潟」(5)、9位「青森」「高知」「仙台」(3)という具合でした。当たりましたか?
ついでに、2曲が「秋田」「岩手」「鹿児島」「金沢」「高松」「千葉」「福岡」「水戸」、
1曲が「浦和」「熊本」「津」「富山」「長野」「松江」「松山」「宮崎」「山形」、残りは残念ながら0曲です。
これって、もちろん人口や一般的な知名度がもちろん関与していると思いますが、都市が持つ詩的イメージの喚起力みたいなものも、当然関わっているのでしょうね。だから、かえって都道府県庁所在地名でなく、旧国名や街道名のような地名のほうがよく歌われたりもします。例えば、思い付くままに検索してみると、「なにわ(浪速・浪花)」(21)、「 津軽」(19)、「瀬戸」(8)、「越後」(6)、「土佐」(5)「加賀」(4)、「越前」(3)、「能登」(3)、「飛騨」(3)といったところです。それから、「福岡」(2)よりも「博多」(8)の方が勝っていたりします。「日本海」(7)もけっこう多いですね(ちなみに「太平洋」は2曲)。これって、ある面で「日本人の好きな地名ランキング」みたいなところがありますね。「現代の歌枕」とでも言いますか。それにしても、「東京」のダントツぶりは意外でした。
(以上)
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