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2005年11月13日 (日)

ソウルで買った本

DSC02633 2005年9月末にソウルを訪問したとき、仁寺洞(インサドン)の古書店で『京電ハイキングコース 第四輯 唐人里』という薄いブックレットを見つけました。50,000ウォン(5千円)でした。「これ」って言ったら、店の人は「これはページが切り取られている。無傷のがある」と言って別のを出してきました。値段は100,000ウォンでした。とりあえず、最初の50,000ウォンの方を買って帰りました。DSC02634

DSC02638 サイズは128mm×187mm、表紙を除いて56頁、カラー図版一枚を含む写真や地図などが入っています。奥書は以下の通りです。

昭和十二年十月廿七日 印刷
昭和十二年十月三十日 発行 (実費 二十銭)
編輯兼発行人 佐脇 精 京城府南大門通二ノ五
印刷人 眞山一治 京城府蓬莱町三ノ六二
印刷所 朝鮮印刷株式会社 京城府蓬莱町三ノ六二
発行所 京城電気株式会社 京城府南大門通二ノ五

DSC02637 「京電」とは「京城電気株式会社」ですが、電鉄会社であるのかどうか、内容を読んでもよく分かりません(電車の話は出てこない)。ハイキングコースは次のように書かれています。

(西大門)赤十字病院前→金華山→鞍山→泰元寺→新村→落々長松→西江駅→廣興倉址→唐人里発電所→蠶頭峯・柳花渡→外人墓地→放送所→汽車・貸し切りバス

DSC02635 この地域を現在の地図で確かめると、ソウル市麻浦区の漢江沿岸地域、汝矣島(ヨイド)の対岸に当たる所です。図版や本文の内容を見ると、のんびりとした田園地帯で、梨花女子専門学校(現在の梨花女子大学)の図版が載っているのを見ると、畑と林のただ中にある感じ。この辺り、車に乗せてもらって走りましたが、今では完全に都会の真ん中で、まったく面影がありません。

DSC02636 本屋の人が言っていたように、この本は図版が切り取られています。数えてみると六カ所切られていました。残ったキャプションを見ると、どうも放送所や発電所の写真のようです。なぜ切り取られたかというと、同僚のH先生の意見では、検閲ではないかということです。表紙に押された「削除済」というゴム印が、それを示しているという訳です。おそらくそうなのでしょう。朝鮮総督府による検閲か、自主規制か、その辺りはよく分かりません。なお、本文にも「×××」による伏せ字の箇所があります。

このブックレットが発行された年には廬溝橋事件や南京虐殺事件が起こり、また前年には二・二六事件が起こっている訳で、国際的には大変緊迫した時期であると言えます。当時のソウルの状況がどのようであったか、これを見ていると、いろいろ知りたくなってきます。

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