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2005年11月16日 (水)

宮武外骨

ずっと通勤時間に読んでいた『宮武外骨』(吉野孝雄、河出文庫、1985、ISBN4-309-40108-2)を、人間ドックの待ち時間に読み終えました。総319頁で、資料や年表も充実した、重厚な伝記読み物でした。宮武外骨の生い立ちと生涯、思想信条、そして時代背景、世相・政情などがよく分かりました。私が知らないだけでしたが、博報堂創始者の瀬木博尚、阪急を大きく育てた小林一三、南方熊楠、吉野作造など一流の実業家、学者、政治家と交流があったこと、また晩年は東大法学部の明治新聞雑誌文庫を創始、その主任として東大に奉職したことなど、意外な経歴に驚かされました。

多くの雑誌、新聞を自ら編輯・刊行し、滑稽・猥雑に紛らわしながら為政者・権力者に鋭い批判を浴びせ続けた操觚者としての姿勢にとても共感を覚えました。その生き方故かもしれませんが、家庭的な幸を終に得られなかったのはお気の毒です。

自分はとても外骨のようには生きられませんが、外骨の生き方は、とても

かっこいい

と思います。

(なお、この文庫本、同僚のOさんが古本屋で拾い上げたのを横流ししていただいたものです。)

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