ズージャ語補遺
落語通の友人に聞いた話では、上方落語「煮売屋」(「東の旅」シリーズの一つ)に、ズージャ語のような転倒語を含むエピソードが入っているそうです。私が聞いた「煮売屋」ではその部分がなかったので、省略されることもある脇筋のやりとりのようです。「ラーハ(腹)が北山じゃ、底入れていこか」のようなせりふが入ります。このやりとりがいつ成立したか、まだよく分かりません。
またいろいろ例を思い出しました。「ポンニチ(日本)」「モノホン(本物)」「ワイハ(ハワイ)」「グラサン(サングラス)」など。
グラサンの場合、5モーラ語が4モーラに短縮されているのがおもしろいところです。
3モーラ語が転倒される場合、231となる場合と312となる場合があるようです。
231:ワイハ(ハワイ)、ヤノピ(ピヤノ)、ロイク(黒い)、マイウー(うまい)
312:タモリ(森田)、ナオン(女)、ビーチク(乳首)
どちらになるかは、口調の善し悪しの問題と、ぼんやりとは言えるかと思いますが、例えば「ナオン(女)」の場合、「ン」は語頭には立てないためという理由があるのでしょう。
あと、原語が「12イ」である場合、「1+2イ」と分解された上で「2イ+1」となるようですが、これは「○イ」が一音節と認識されているからではないかと思います。
そういう意味では「オンナ」は「オン+ナ」と分解される訳で、「オン」が一音節と認識されていると言えます。
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