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2006年5月 7日 (日)

dVC分析:序章(承前)

からの続きです。キャンベルとフォーグラーについて、少し補足しておきますね。

キャンベルは有名な神話学者で、世界の神話・民話・伝説を分析した結果、特定の人物類型の組み合わせによる、ただ一つの物語の構造を取り出したわけです。それが、「ヒーローの旅 (Hero's Journey)」です。フォーグラーは、映画シナリオの分析家で、世界的にヒットする映画は必ず「ヒーローの旅」の構造を持っている、と考えました。

なぜそうなのか、というと、「ヒーローの旅」は、人生における人の成長の物語だからです。そして成長とは、親からの自立のことです。ぬくぬくとした親の庇護を自らの決心で飛び出し(可愛い子には旅をさせろ)、友を得、敵をかわし、栄誉を勝ち得て一人前の人間になることです。イニシエーションの物語、といってもいいでしょう。この物語が人々の共感を呼び、興奮させるのです。

なお、神話などでは最大の敵が、父親や母親であることがあります。子は、父や母を倒して宝を得なければなりません。ここに現れた「親殺し」のテーマは、つまり親を乗り越えて自立を得る「親離れ」のことなのです。

ここで、「ヒーロー」の条件について考えてみましょう。キャンベルの言う「ヒーロー」は、即ちありふれていて、弱々しい存在です。つまり読者が「自分自身だ」と思える対象です。そんな存在だからこそ、勇気を振り絞って旅に出るヒーローに喝采を送る気持ちになれるのです。なお、キャンベルの用語で「ヒーロー」は性別を問わないカヴァー・タームになっています。

で、私の分析における仮説はこうです。

「ダ・ヴィンチ・コード」は「ヒーローの旅」の構造を持っている。だから売れている。映画も、売れる可能性がある。

もちろん、dVCが売れている原因はいろいろあるわけですが、根本要因として、案外シンプルな物語の構造があることは間違いないと思います。

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