芸能リポーター回文
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
この記事ですが、mmyさん、ご参加ありがとうございます。私は、「喪章」という名前を忘れてしまっていて、
「あのー、葬式の時にする腕章どこで売ってますか」
って聞いたら、
「あ、喪章ですね」
と返された次第です。
で、正解は、2の「ネクタイ売り場」でした。ただし、仏具売り場やハンカチ売り場で買えないのかどうかは、調べていません(ごめんなさい)。
まあ、喪章は黒ネクタイと連れのものですから、ネクタイ売り場にあるというのも「なるほど」と思いました。
| 固定リンク
| コメント (4)
| トラックバック (0)
拙著『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(2003, 岩波書店)の第6刷が、7月に出ます。
丸3年半立ってまだ売れているというのは、大変ありがたいことです。
(ただし、いわゆるちまたの「ヒット本」とは、総部数にして3桁違うので、誤解のありませんように。ああ、あこがれの印税生活!)
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
先週、必要があって、喪章を買いました。平服でお葬式に出る時に、腕に巻くものです。
阪急百貨店梅田店に行ったのですが、どこで売ってるかよく分からなかったので、インフォメーションデスクで聞きました。
すぐ教えてもらえましたが、さて、私は喪章を何の売り場で買ったでしょう?
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)
きのう、非常勤先の関西学院大学上ヶ原キャンパスの中庭で、イトトンボのつがいをいくつも見ました。
カメラを持っていなかったので取り損ねましたが、こんな感じで、つながって産卵行動をしていました。
イトトンボの種名は、特定できてませんが、上のリンクにあるクロイトトンボかもしれません。
すずしげで、とても心和む風景です。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
大阪大学教育実践センター教授の溝口宏平先生が22日にお亡くなりになりました。59歳です。24日お通夜、25日告別式です。
溝口先生はもと、阪大の文学部の同僚で、研究室も同じ棟、同じフロアのご近所でした。私が着任して間もない頃から、暖かいお言葉を掛けてくださっていました。
ご専門は、ハイデガーを中心とする哲学・解釈学、環境思想のご研究などです。教育実践センターの立ち上げにも尽力されてきました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
現代仮名遣いでは、「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」ではザ行の方を本則とし、語の連合によって生じる濁音(いわゆる連濁)と、同音連呼の「ちち」「つつ」を語源とする場合に限り、ダ行の方を用いることになっています。
ところで、「小千谷」「沼津」「宝塚」等の地名については、現代仮名遣いの適用範囲かどうかという点がそもそもはっきりしていないようです。
もし適用範囲であるならば、これらの地名が一体的なものか、「たから+つか」のように二語に分解すべきものなのかが問題となるでしょう。その場合、「べんきょうづくえ」のような、普通名詞における二語の連合とはかなり性質が違うと言わなければなりません。つまり「勉強机」は「べんきょう」と「つくえ」に分かれることが、意味と形態の本質をなしているわけですが、「宝塚」が「たから」と「つか」に分かれることは、宝塚の指示対象にとってなんの本質にも関わりません。
そのような点から、「たからずか」が正しい、という結論に傾くように思われます。
一方、「適用範囲でない」ということになれば、こんどは「たからずか」と書いても「たからづか」と書いてもいいことになります。言い方を変えると、例えば宝塚市が「うちは『たからづか』だ」と宣言すれば、宝塚市を指し示す限りにおいて、「たからづか」が唯一正しい、ということになるでしょう。
参考までに、Googleでのヒット数(概数)を、「たからずか」「たからづか」「タカラズカ」「タカラヅカ」および、「ぬまず」「ぬまづ」「ヌマズ」「ヌマヅ」を調べたので、上げておきます。なお、「小千谷」をやらなかったのは、「おじや」=雑炊の方が誤ヒットしてしまう可能性があったからです。
たからずか | 211 | ぬまず | 2,860 |
たからづか | 52,900 | ぬまづ | 61,900 |
比率 | 0.4 | 比率 | 4.6 |
タカラズカ | 11,800 | ヌマズ | 3,340 |
タカラヅカ | 314,000 | ヌマヅ | 14,500 |
比率 | 3.8 | 比率 | 23 |
なお、「比率」とあるのは、ザ行のヒット数÷ダ行のヒット数の百分率を表します。
これを見ると、片仮名も平仮名も、「宝塚」も「沼津」も、とにかくダ行の方が用例が多い、ということは言えます。しかし、平仮名と片仮名ではずいぶん様子が違うし、「宝塚」と「沼津」でも割合がかなり異なるようです。
概して、平仮名より片仮名の方が、ザ行が容認される傾向が強いということがまず言えます。これは、片仮名の方がより表音的な文字として受け入れられやすいから、ということがありそうです。
それから「宝塚」と「沼津」では、「沼津」の方がザ行が占める割合が高いと言えます。これは、例えば、宝塚市や宝塚歌劇団が「たからづか」の方を採用しているため、その影響力のもとで、「づ」の使用がより大きい割合を占めるだ、という考え方ができそうです。「たからづか」「タカラヅカ」には、ブランド力があるということでしょう。
なお、パソコンや携帯の仮名漢字変換では、「たからずか」「ぬまず」は正しく変換してくれないケースの方が多いようです(ATOKはしてくれない)。これはこれで問題があるようにも思います。
| 固定リンク
| コメント (8)
| トラックバック (0)
私の関わっております研究グループで、下記のような講演が行われます。
呉智英氏「ポピュラー・カルチャー研究の課題と可能性」
日時:2006年7月8日(土) 15:00~17:00
会場:大阪大学文学部(豊中キャンパス) 文41教室(文法経棟4階)
予約不要、一切無料です。
詳しくは、こちらをご覧下さい(リンク切れご容赦)
呉さんとは、去年朝日・大学パートナーズシンポジウム(朝日新聞が京都精華大学と共催)でご一緒したことがあり、楽しくお話しさせていただきました。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
映画を見た人も見ない人も、小説を読んだ人も読んでない人も、楽しめるサイトです。
http://www.panoramas.dk/da-vinci-code/
「ダ・ヴィンチ・コード」ゆかりの観光地を、360度ぐりぐり回して見ることができます。お楽しみ下さい(リンク切れご容赦)。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
電子レンジで調理することを、
チンする
と言いますか?
MBSテレビ「ちちんぷいぷい」を見ていたら、「モーニング娘。」のミキティも言っていたので、若い人にも通じるのだろうと思います。
疑問は、
今時の電子レンジは「チン」という音がでるのか?
ということです。もちろん、昔は「チン」と音がしたのです。Wikipediaによれば、家庭用電子レンジは1965年頃発売されたそうで、うちの実家には、それよりほどなく購入したPANASONICの電子レンジがまだ稼働していて、立派に「チン」と言います。
でも今の電子レンジは、だいたい「ピッ」とか「ピーッ」とか、電子音が出るんですよね。若い人は、電子レンジが「チン」というのを、聞いたことがないと思うんです。
それなのに、なぜ「チンする」という語が生き続けているのか?
一つには、「電子レンジで調理する」を一言で表す語がいままでになかった、ということがあるのでしょう。初期の電子レンジが「チン」と言ったことから、その表現が定着し、特に置き換わるべき語が提案されなかったのだろうと思います。
あと、語呂もいいですね。「ピッする」は言いにくいし。「レンジる」でもよかったけど、「チンする」の語感にはかなわない。
すごく、
「簡便さ」
を伝える力が、「チンする」にはあるのではないでしょうか。
| 固定リンク
| コメント (11)
| トラックバック (0)
続きです。
映画を見ちゃいました(リンク切れご容赦)。何となく想像通りというところもありましたが、映画を見て気づかされたところもありました。(映画を見てない人、ネタバレ注意です)
長い小説ですが、とてもテンポよくまとめられていて、だれませんでした。でも、かなりの知識量が盛り込まれていますから、小説を読まないで映画だけ初めて見たら、たぶん消化しきれないだろうと思います。
謎解きの部分は大幅に簡略化されていて、アクション中心になっていたのは、映画化のためにはしょうがないでしょう。たとえば、二重の入れ子になったクリプテックスは、一個だけになっていました。アクションに関して言えば、小説自体がすごく視覚的・映像的な既述になっていたので、原作通りという印象でした。
ところで、監督がロン・ハワードと知って、「なるほど」と思うところがありました。しばしば現れる、アナグラムやシンボルの見せ方が、「ビューティフル・マインド」を思い出させたからです。
「ビューティフル・マインド」は、天才数学者J. F. ナッシュが、重い妄想に苦しむ物語ですが、その妄想というのが、雑誌記事など目にする活字すべてがソ連の暗号(それもアナグラム)に見えてしまう、というものでした。この映画でロン・ハワードは、アカデミー賞監督賞を得ています(他に主要三部門も)。
ナッシュも、ラングドンも、大学教授。方や、アナグラムを解いて宝を探しだし、方や何もないところにアナグラムを読み取ってしまって、破滅していくという、二つの映画の対比がおもしろいです。
なお、「ダ・ヴィンチ・コード」の映画で最も印象的な役柄が、連続殺人を犯す白面鬼のシラスなのですが、このシラスを演じた俳優ポール・ベタニーは、「ビューティフル・マインド」の中で、ナッシュが妄想から作り出した、大学寮のルームメイトを演じていたのですね。どちらの映画でも、脇役ながらキーになる人物で、いい使われ方をしていると思います。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
神戸大学文学部の西光先生は、古書店めぐりをして、言語学関係の書籍を安く購入しては、関西言語学会などでコーナーを作って販売されています。これを、「西光書店」と呼んでいるわけです。先生のもうけは一切なしで、言語学関係の書籍を有効に流通させるために、日々努力されているわけです。すばらしい活動だと思います。
先々週の関西言語学会で西光書店から購入したのは、以下の通りです。
菊澤季生 (1933) 『国語位相論』国語科学講座、III、国語学、明治書院 (100円)
田邊壽利 (1933) 『社会言語学』国語科学講座、I、言語学、明治書院 (100円)
Jucker, A. H. (ed) (1995) Historical Pragmatics: Pragmatic Developments in the History of English, Pragmatics & Beyond New Series, 35, John Benjamin, Publishing, Amsterdam. (3,000円)
内容の紹介はおいおい、SK's Linguisticsのほうで。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
Lionbassさんのブログで、拙著(ヴァーチャル日本語)の紹介をしていただきました。
過分なお言葉、いたみいります。ありがとうございました。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
きのう書いた、表参道のお店をご紹介しときます。
九州大学ご出身のS先生の同級生の方が、脱サラし、ご自宅を改造してて始められた、隠れ家のようなお店です。
Amor's Bar
〒107-0062
東京都港区南青山5-5-20
Tel 03-3400-5531
表参道駅B3出口より徒歩1分
Open 18:00~24:00
マスターの作るパスタはどれも絶品、ワインの目利きも確かです。東京にお越しの節はぜひどうぞ。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
昨日は、朝はいい天気になりました。渋谷でコーヒーを飲んでから、駒場で10時から始まる言語学会の会議にでました。
午後、学会が始まりました。上野善道新会長の就任講演、シンポジウムがありました。講演は、「日本語アクセントの再建」というタイトルで、本土祖語アクセントに下降式を設定するというアイディアがおもしろかったです。シンポジウムは、「主語」がテーマでしたが、聴衆が多かったのが印象に残りました。
懇親会も人がたくさん来て、ごった返していました。終わった後、九州に縁のある5人のかたがたと、オモサン(表参道)のオッサレーなイタリアンバーに行って、しこたまワインを飲みました。おいしかったです。11時頃店を出て、私はそのまま歩いてホテルに帰りました。随分雨が降っていて、靴がびちょびちょになりました。
翌朝、きびしい体調をなんとかなだめて、9時ごろチェックアウト。渋谷駅のロッカーにカバンを入れて、駒場へ。朝10時から15時まで、しっかり発表を聞きました。指示詞関係の発表が多かったです。
今日は、余裕をもって羽田に着いて、レストランで早めの夕食を取り、帰りました。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
非常勤先で午前中授業をやってから、飛行機で東京に来ました。
明日から、日本言語学会が駒場でありますが、それに引っかけて、神保町のI書店に行きました。8月にやる予定の、座談会の打ち合わせです。編集のOさんと、近代文学のY先生、同じく近代文学で、歌人でもあられるK先生とお会いしました。初めての方ばかりで、緊張しました。
座談会の司会を頼まれて、好奇心だけで引き受けたのですが、見本に渡されたバックナンバーの座談会を、東京に向かう飛行機の中で読んでいたら、格調高いのでびっくりしました。何にも考えてないに等しかったのですが、何とか話のネタをひねり出して、打ち合わせに臨んだ次第です。でも、みなさんとても協調的で、うまく話題を引き出して下さったので、緊張がほぐれました。これでなんとか本番に臨める見込みがついた気がします。
ちなみに、今日はいらっしゃいませんでしたが、本番には作家のS. Y. さんが出席されます。楽しみです。
打ち合わせが終わってから、神保町から渋谷まで、地下鉄で移動しました。渋谷宮益坂上の、「サクラ・フルール」というホテルをとりました。名前通り、妙にかわいらしい、女性的なホテルです。
神保町も、渋谷も、馴染み深い町なのですが、一人で夜遊びするのがあまり得意でないので、夜はホテルに籠もりっきりです。ビール呑みながら、この日記を付けてます。酒場放浪記を見るのは好きなんですが、元来、放浪できない性質(たち)なんです。
そういえば、さっき、坂下の交差点で、植え込みに腰掛けて般若心経の写経をしているお姉さんを見ました。東京っていろいろな人がいるもんです。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
昨日の「関西言語学会」(於甲南大学)で、松沢哲郎さん(京都大学霊長類研究所)の招待講演「チンパンジーの認知発達」がありました。
松沢さんが28年間取り組んでいる、チンパンジーAiちゃんの研究ですが、最近はAiちゃんの息子のAyumuくんを加え、母子間の相互関与に関する観察を含めた、比較認知研究が進んでいます。ご著書 Cognitive Development in Chimpanzees も出版されたとのことで、昨日のお話は、この新著の内容を中心になさいました。優しく、丁寧なお話ぶりで、また、画像、動画、グラフなどを効果的に使用され、大変楽しいご発表でした。
チンパンジーの母子を観察することで、人間の特徴がかえってよく見えてくるということでしたが、印象的だったトピックを列挙しておきます。
最後の点で驚いたのは、次のような実験です。
つまり、こんな感じです。まず、こんな画面がでます。
6 | 9 | ||||||
2 | 8 | ||||||
3 | 4 | 5 | |||||
7 | 1 |
そして次の瞬間、画面はこうなります。
6 | 9 | ||||||
2 | 8 | ||||||
3 | 4 | 5 | |||||
7 | 1 |
マスクされたあとで、同じように、数字を小さい方からさわって消していくのですが、人間は全然出来ないんですね。Ayumuくんは、6ヶ月程度ですごい正答率に達していました。
また、アフリカにおけるチンパンジーの集落の観察から得られた、文化の伝達の話もありました。Bossouのチンパンジーは、石器を使ってアブラヤシの実をたたき割る文化を持っていますが、これは3,4歳になってやっと出来るし、上手に出来るまで10年かかるそうです。このような、時間のかかる技術の習得は、報酬による強化だけでは説明できません。チンパンジーの子供は一般に学習意欲が高く、親は決して自発的に教えたりしないのですが、子供が真似をしようとして寄ってくるのは決して排除しないそうです。
類人猿を「一人」「二人」と数えたり、画面のチンパンジーをさして「この方は」「この子は」などと示されたりする様子に、先生の「人類愛」ならぬ「類人猿愛」が感じられて、心が和みました。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
続きです。
このシリーズで、以前、フォーグラーのダイアグラムを引用しましたが、そのもととなった、キャンベルのまとめの方が分かりやすいので、引用しておきます。
冒険は上記のダイアグラムに要約できる。
神話英雄はそれまでかれが生活していた小屋や城から抜け出し、冒険に旅立つ境界へと誘惑されるか拉致される。あるいはみずからすすんで旅をはじめる。それでかれは道中を固めている影の存在に出会う。英雄はこの存在の力を打ち負かすか宥めるかして、生きながら闇の王国へと赴くか(兄弟の争い・竜との格闘・供犠・魔法)、敵に殺されて死の世界へと降りていく(四肢解体、磔刑)。こうして英雄は境界を越えて未知ではあるがしかし奇妙に馴染み深い〔超越的な〕力の支配する世界を旅するようになる。超越的な力のあるものは容赦なくかれをおびやかし(テスト)、またあるものは魔法による援助をあたえる(救いの手)。神話的円環の再底部にいたると、英雄はもっともきびしい試練をうけ、その対価を克ちとる。勝利は世界の母なる女神と英雄との性的な結合(聖婚)として、父なる創造者による承認(父との一体化)として、みずから聖なる存在への移行(神格化)として、あるいは逆に---それらの力が英雄に敵意をもったままであるならば---かれがいままさに克ちうる機会に直面した恩恵の椋奪(花嫁の椋奪、火の盗み出し)としてあらわされうる。こうした勝利こそ本質的には意識の、したがってまた存在の拡張(啓示、変容、自由)にほかならない。のこされた課題は帰還することである。超越的な力が英雄を祝福していたのであれば、かれはいやまその庇護のもとに(超越的な力の特使となって)出発するし、そうでなければかれは逃亡し追跡をうける身になる(変身〔をしながらの〕逃走、障害〔を設けながらの〕逃走)。帰還の境界にいたって超越的な力はかれの背後にのこらねばならない。こうして英雄は畏怖すべき王国から再度この世にあらわれる(帰還、復活)。かれがもちかえった恩恵がこの世を復活させる(霊薬(エリクシール))。
(訳書・下・六五~六六頁)
dVCで、最初に(刑事に)拉致されたのはラングドンですが、前にも書いたように、この小説の真の主人公は、ソフィー・ヌヴーであると思います。或いは、ソフィーとラングドンが一体となって、試練をくぐり抜けていくと言ってもいいでしょう。ソフィーは本当に「神格化」してしまうし、「聖婚」というキーワードまで出てきて、作者はキャンベルを読んでるんじゃないの、と思いたいくらいですが、それは分かりません。
さて、ソフィーとラングドンが旅をするのは、遺物が収められた美術館や聖堂など、薄暗い洞窟のような所ばかりだし、追い求めるのはマグダラのマリアの遺品だし、ほんとに「闇の世界」の旅になっているんですね。
さて、無事帰還したソフィーとラングドンは、この世にどのような恩恵を与えたのでしょうか。神話では、まさしく世界を復活させるような霊妙な力を発揮するわけですが、近代小説では、それは結局「心の問題」になります。キャンベルの本の、結びの一節を引用しておきます。
現代の英雄、すなわち召命を敢えて心にとめ、人類がその宿命として一体化せずにはいられないかの存在のすみかを敢えて探しもとめようとする現代の個人は、己れの所属する共同体に自尊心や恐怖や合理化された欲心や聖化された誤解といった古びた殻を脱ぎ捨てるのを期待してもはじまらないし、事実、期待してはならない。「生きよ、あたかもその日が到来したかのように」とニーチェはいう。社会が創造する英雄を導き救(たす)けるのではなく、まさに逆に創造する英雄こそが社会を導き救けるのである。だからわれわれはみなその一人びとりが、至高の試練に参加し---救世主の十字架を担っているのだ。しかも、己れの属する種族が大勝利をおさめる輝かしい瞬間においてではなく、己れ個人の絶望の沈黙のうちでそれに携わっているのである。(訳書・下・二二一頁)
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
先日、調査先の某所で、T大学のTさんに、「こんな回文知ってますか」と言って見せられたのが、
ヘアリキッド尻(けつ)に付けどっきりアヘ
というものでした。これには少し驚きました。というのも、この回文、私の勤務先でお世話になっている事務員のKさん(30ウン歳)に、「子供の頃、友だちといっしょに作った」と言って教えられたものだったからです。そのとき、
「さすが、大阪の子供は考えることがしゃれてるな」
と妙に感心したものでした。
その、大阪の小学生が考えたはずの回文を、何故T大の先生が知っている?
T先生のおっしゃるには、これは、教え子のもと学生さんから教えられたとのことでした。気になったので、あとでメールして詳しく教えていただいたところによると、その教え子の方は、
「昭和50年代にやっていたテレビ番組の「ムー」「ムー一族」で、主演の郷ひろみがつぶやいていたのを聞いた」
とのことでした。ひょっとして、と思って、Kさんにそのことを話してみると、
「そう言えば、その番組は見ていた。『自分たちで作った』というのは勘違いで、テレビネタだったのかもしれない」
とおっしゃってました。
なるほどね。
たしかに、子供の頃の思い出って、奇妙に改変されるものですよね。テレビで見たネタをで盛り上がっていたという想い出が、「自分たちで作った回文で盛り上がった」というふうに変質していたということですね。まあ、これが真相かどうか分かりませんが、一応解釈はつきました。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
このシリーズの続き。
「赤瓦(あかがーら)」は、琉球料理の名店です。
写真がピンぼけで申し訳ありません。例によって、実際の店内とはかなり違っております(そりゃ、セットが同じなんだから……)。
ポスターを「オリオンビール」にして、何となくムードを出してみました。料理も沖縄料理じゃないのですが、焼きそばを、ソーミン・チャンプルーに見立てております。あと、お酒もちょっと泡盛風に。
お客のシーサーは、息子が修学旅行で買ってきたものです。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
『第4回 丸善福岡ビル店 歴史をひもとく古書展』(丸善/福岡市古書籍商組合, 2006)という目録が、手元に届きました。
パラパラめくっていたら、こんな書名が目に入りました。
1193 SILHOUETTES OF JAPANESE AIRCRAFT---AIRCRAFT RECOGNITION---HANDBOOK of JAPANESE AIRCRAFT 1944 15,000
出店しているのは、「書肆 幻邑堂」という福岡の古書店です。
そして、この本の解説として、こんなコメントがついていました。
日本の戦闘機に勝手に「ベティ」とか「リズ」とか名称を付けてタイプ分けし、その写真とシルエットを収録したいわばアメリカ空軍戦闘員用の虎の巻。「空中では見るな」との注意書き。そりゃあ危ないからだろう。
着眼点と、ナイスなツッコミが気に入りました。こんな素敵な解説が満載、と言いたいところですが、コメントがついているのはこの1点だけでした。
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)
続きです。激しく「ネタバレ注意」です。
文庫本に基づいて、ストーリー展開を表にしてみました。
節 | 巻 | 始 | 終 | 頁数 | |
プロ | 上 | 7 | 12 | 6 | ルーヴル美術館:ジャック・ソニエール、シラスに殺害される。 |
1 | 上 | 13 | 22 | 10 | ラングドン、ホテルで目覚め。講演の回想、コレ警部補に召還される。 |
2 | 上 | 23 | 29 | 7 | シラス、首尾を報告/アリンガローサ司教、ローマへ。 |
3 | 上 | 29 | 39 | 11 | ラングドン、コレとともにルーヴルへ。ベズ・ファーシュと対面。 |
4 | 上 | 40 | 53 | 14 | ラングドン、ファーシュに案内される |
5 | 上 | 54 | 61 | 8 | シラス、疵の手当。 |
6 | 上 | 62 | 77 | 16 | ラングドン、ソニエールの死体を見る。 |
7 | 上 | 78 | 81 | 4 | サン・シュルピス教会のシスター・サンドリーヌ、オプス・デイの男を宿泊させるようたのまれる。 |
8 | 上 | 82 | 93 | 12 | ソニエールの残した第1の暗号をめぐって、ラングドンとファーシュの対話 |
9 | 上 | 94 | 101 | 8 | ルーブルに、ソフィー登場。 |
10 | 上 | 102 | 112 | 11 | シラス、サン・シュルピス教会に到着。シラスの回想/アリンガローサ、機中。「導師」とのやりとり。 |
11 | 上 | 113 | 120 | 8 | ソフィー、暗号の数列の謎を解く。ラングドン、トイレに行く。 |
12 | 上 | 121 | 127 | 7 | トイレで、ラングドンとソフィーが落ち合う。ラングドンが第1容疑者であることを告げ、暗号メッセージの4行目を示す。 |
13 | 上 | 128 | 133 | 6 | ソフィー、ラングドンに、自分がソニエールの孫であることを告げる。 |
14 | 上 | 134 | 136 | 3 | ラングドンを監視する刑事たち。 |
15 | 上 | 137 | 138 | 2 | シラス、サン・シュルピス教会でキー・ストーンを探すため、その扉をたたく。 |
16 | 上 | 139 | 149 | 11 | ソフィーの回想。祖父の最後の電話。ソフィー、ラングドンに、ルーヴル美術館から脱出することを勧める。 |
17 | 上 | 150 | 154 | 5 | 警部、ソフィーとソニエールの関係を知る。ラングドンが脱出したことをGPSで知る。 |
18 | 上 | 155 | 160 | 6 | ソフィー、ラングドンに付けられた発信器を窓の外に投下。警部たち、部下に発信器の追跡を命じる。 |
19 | 上 | 161 | 165 | 5 | シラス、サン・シュルピス教会のシスター・サンドリーヌと対話。 |
20 | 上 | 166 | 181 | 16 | ソフィーとラングドン、逃げ道に向かいながら、暗号の謎について対話。回想。第1の暗号の謎を解く。 |
21 | 上 | 182 | 192 | 11 | モナ・リザについて、ソフィーの回想。ソフィーは、モナ・リザにソニエールのメッセージがあると考える。脱出の途中で、ラングドン、ソフィーのもとに戻ろうとする。 |
22 | 上 | 193 | 197 | 5 | シラス、サン・シュルピス教会を探索/アリンガローサ司教、ローマに到着 |
23 | 上 | 198 | 211 | 14 | ラングドン、ソフィーのもとへ。P. S. をめぐる、ソフィーの回想。シオン修道会について、ラングドンの説明。 |
24 | 上 | 212 | 213 | 2 | シラス、キー・ストーンの位置を探し当てる。シスター・サンドリーヌ、危機を察知。 |
25 | 上 | 214 | 216 | 3 | 警部、ソフィーの電話トリックに気づく。 |
26 | 上 | 217 | 224 | 8 | モナ・リザについて、ラングドンの回想。ソフィーとラングドン、モナ・リザの防護ガラスに書かれたメッセージを発見。 |
27 | 上 | 225 | 227 | 3 | 警部、ソフィーとラングドンを包囲。 |
28 | 上 | 228 | 233 | 6 | モナリザの防護ガラスに、第3の暗号を発見。シオン修道会の思想について、ラングドンの回想。警備員に追いつめられる。 |
29 | 上 | 234 | 238 | 5 | シラス、サン・シュルピス教会で、石版を発見。シスター・サンドリーヌ、電話を掛ける。シラス、自分の間違いに気づく。 |
30 | 上 | 239 | 247 | 9 | ソフィー、第3の暗号を解いて、秘密の鍵を手に入れる。警備員の手からラングドンを救出。 |
31 | 上 | 248 | 250 | 3 | シスター・サンドリーヌ、電話で危機的状況を知る。シラス、シスターを殺害。 |
32 | 上 | 251 | 263 | 13 | ソフィーの車で、ルーヴルを脱出。ラングドン、「岩窟の聖母」について瞑想。ソフィー、ソニエールと決別した、10年前の出来事を回想。ソフィーとラングドン、アメリカ大使館に到着するが、張り込みを見てさらに逃走。 |
33 | 上 | 264 | 271 | 8 | ソフィーとラングドン、鍵について検討。サン・ラザール駅に向かい、チケットを購入。 |
34 | 上 | 272 | 278 | 7 | アリンガローサ司教、ヴァチカンで会合に向かう。 |
35 | 上 | 279 | 284 | 6 | ソフィー、チケットを捨てて、タクシーに乗り込む。鍵に書かれた住所を発見し、そこに向かう。 |
36 | 上 | 285 | 287 | 3 | ファーシュ警部、二人の探索を指示。インターポールに連絡を取ることを考える。 |
37 | 上 | 288 | 296 | 9 | ラングドン、ソフィーに、シオン修道会と聖杯について説明。 |
38 | 中 | 5 | 11 | 7 | ラングドン、聖杯をめぐる回想。ソフィー、タクシー運転手をおろし、ラングドンが運転。 |
39 | 中 | 12 | 14 | 3 | シラス、アジトで回想。 |
40 | 中 | 15 | 22 | 8 | ソフィーが運転を代わる。ラングドン、聖杯について瞑想。チューリッヒ保管銀行に到着。 |
41 | 中 | 23 | 28 | 6 | アリンガローサ司教、ヴァチカン国務省長官らから、債権を受け取る。 |
42 | 中 | 29 | 39 | 11 | ソフィーとラングドン、銀行に入っていく。守衛、二人を見てインターポールに通報。二人に、係員が対応。口座番号を知らないために、怪しまれる。コレ警部補、銀行に向かう。 |
43 | 中 | 40 | 49 | 10 | 銀行支店長のヴェルネとソフィー、口座番号をめぐって、やりとり。ラングドン、口座番号を突き止める。 |
44 | 中 | 50 | 58 | 9 | ソフィー、番号を入力し、保管庫から、宝箱を手に入れる。 |
45 | 中 | 59 | 64 | 6 | ヴェルネ、トラックに二人を乗せ、警察の手を逃れる。 |
46 | 中 | 65 | 67 | 3 | シラス、アリンガローサに計画の失敗を告げようとする。そのとき、「導師」より新たな指示。 |
47 | 中 | 68 | 78 | 11 | 宝箱の中の「クリプテックス」について、思索。 |
48 | 中 | 79 | 87 | 9 | ラングドン、クリプテックスの中身はキー・ストーン、即ち、聖杯の場所を示した地図であると予測。ヴェルネ、拳銃で二人を脅す。 |
49 | 中 | 88 | 94 | 7 | ヴェルネにクリプテックスを奪われそうになるが、奪還。ソフィーとラングドン、クリプテックスを持ち、トラックで逃走する。 |
50 | 中 | 95 | 96 | 2 | アリンガローサ、導師と連絡が取れないことに不安を抱く。 |
51 | 中 | 97 | 109 | 13 | ラングドン、クリプテックスのキーワードを探る。ラングドン、ティービングの助力を得る考えをソフィーに打ち明ける。 |
52 | 中 | 110 | 114 | 5 | ティービングの屋敷の門外で、ティービングとやりとり、許されて請じ入れられる。 |
53 | 中 | 115 | 116 | 2 | ヴェルネ、銀行の夜間支配人に指示して、トラックの現在地を探させる。 |
54 | 中 | 117 | 126 | 10 | 屋敷の中で、ソフィーとラングドン、ティービングと対面。 |
55 | 中 | 127 | 140 | 14 | ティービング、ソフィーに聖書と聖杯について語る。 |
56 | 中 | 141 | 145 | 5 | ティービング、ソフィーに、聖杯は「人」であると告げる。執事のレミー、二人が指名手配されていることを知る。 |
57 | 中 | 146 | 148 | 3 | コレ、ソフィーたちの居場所を知らされ、そこに向かう/シラス、ティービングの屋敷に到着。 |
58 | 中 | 149 | 166 | 18 | ティービング、「最後の晩餐」の解釈およびマグダラのマリアについてソフィーに説明。 |
59 | 中 | 167 | 169 | 3 | アリンガローサ、フランス司法警察から伝言を受け、連絡する。 |
60 | 中 | 170 | 181 | 12 | ティービング、サングレアル文書とマグダラのマリアの墓、イエスの血脈について語る。 |
61 | 中 | 182 | 187 | 6 | ソフィー、自分がマグダラのマリアの末裔かと疑うが、否定される。ラングドン、聖杯の物語が現在の芸術作品に隠されていることについて説明。 |
62 | 中 | 188 | 202 | 15 | ティービング、二人が追われていることを知り、追い出そうとするが、ラングドンがキー・ストーンのことをほのめかす。ソニエールの死などについて語り、直面する危機についてやりとり/シラス、3人の居る部屋にたどりつく。3人が出て行った後、部屋に侵入。 |
63 | 中 | 203 | 208 | 6 | コレ警部補、ティービング邸の外で待機。アウディと、トラックを発見。銀行から二人がここに来たことを知る。 |
64 | 中 | 209 | 213 | 5 | 二人はティービングに箱とクリプテックスを見せる。ラングドン、箱に記された謎のメッセージを発見したところで、シラスに襲われる。 |
65 | 中 | 214 | 221 | 8 | シラスにクリプテックスを奪われそうになるが、撃退する。コレが、ティービング邸に踏み込もうとする。 |
66 | 中 | 222 | 225 | 4 | コレ、ティービング邸を捜索するが、脱出されてしまう。 |
67 | 中 | 226 | 236 | 11 | ティービング、二人と執事とシラスを連れ、自家用機でイギリスに脱出する考えを述べる。ラングドン、アメリカに電話をしようとする。 |
68 | 中 | 237 | 243 | 7 | ラングドン、ニューヨークの編集者から、自分の原稿をソニエールに送ったことを知らされる。空港に到着。 |
69 | 中 | 244 | 249 | 6 | 飛行機が飛び立つ。シオン修道会の秘密について、語り合う。 |
70 | 中 | 250 | 253 | 4 | コレ、ヴェルネの証言を聞かされる。また、ティービングたちの国外脱出を知る。 |
71 | 中 | 254 | 261 | 8 | ソフィー、箱に刻まれた文字の謎を解く。 |
72 | 中 | 262 | 267 | 6 | 文字から、新たな暗号が示される。 |
73 | 中 | 268 | 270 | 3 | コレ、ル・ブールジェ飛行場で、ティービングらの足取りをつかむ。 |
74 | 中 | 271 | 281 | 11 | ソフィー、10年前に祖父の別荘で見た儀式について、ラングドンに打ち明ける。 |
75 | 中 | 282 | 284 | 3 | ティービング、ファーシュからの連絡を受け、急遽ロンドンに向かう。 |
76 | 下 | 5 | 10 | 6 | ラングドン、パスワード割り出しのアイディアを思いつく。 |
77 | 下 | 11 | 17 | 7 | パスワード獲得。 |
78 | 下 | 18 | 22 | 5 | クリプテックスの中から、新たな暗号と、第2のクリプテックスが出現。 |
79 | 下 | 23 | 29 | 7 | コレ、ティービング邸を探索。連絡をしてきたヴェルネを怪しむ。 |
80 | 下 | 30 | 35 | 6 | 飛行機は着陸しようとするが、捜査員が待ち受けているらしいことを察知する。 |
81 | 下 | 36 | 45 | 10 | ティービング、捜査員を煙に巻いて、リムジンで空港を脱出する。 |
82 | 下 | 46 | 58 | 13 | 目的地として、テンプル教会を目指す。サングレアル文書の処遇について、語り合う。 |
83 | 下 | 59 | 67 | 9 | テンプル教会を探索。 |
84 | 下 | 68 | 75 | 8 | レミー、シラスを助け、自分も導師の指令のもとに動いていることを知らせる/ファーシュ、ビギン・ヒル空港に到着、飛行機を捜索。アリンガローサ司教に連絡。 |
85 | 下 | 76 | 84 | 9 | ラングドンら、テンプル教会が目的の場所でないことに気づく。レミーとシラス、教会の侍者を追い払い、ラングドン等にせまる。 |
86 | 下 | 85 | 93 | 9 | レミーとシラス、ラングドン等を襲い、ティービングを人質に取ってクリプテックスを奪い去る。 |
87 | 下 | 94 | 99 | 6 | コレ警部補、ティービング邸で盗聴部屋を見つける。 |
88 | 下 | 100 | 105 | 6 | ラングドンとソフィー、善後策を検討。ソフィーは警察に電話するが、ファーシュが出てきて、警察に保護を求めるよう説得する。ソフィーとラングドンは電車に飛び乗る。 |
89 | 下 | 106 | 108 | 3 | ファーシュ、ヴェルネと話し合い、もはや心配がないことを告げる。 |
90 | 下 | 109 | 111 | 3 | コレ、ティービング邸での盗聴の対象を知って驚く。 |
91 | 下 | 112 | 117 | 6 | シラスとレミー、導師から別々に指示を受ける。 |
92 | 下 | 118 | 128 | 11 | ラングドンとソフィー、キングズカレッジの図書館で情報検索。 |
93 | 下 | 129 | 131 | 3 | シラス、レミーをオプス・デイの宿舎で降ろす。警察がレミーの立ち回りを察知する。 |
94 | 下 | 132 | 139 | 8 | 導師、レミーからキー・ストーンを受け取った後、レミーを殺す/アリンガローサ、ビギン・ヒル空港に到着。警官が出迎える。 |
95 | 下 | 140 | 147 | 8 | 検索を通じて、パスワードの手がかりを得る。 |
96 | 下 | 148 | 150 | 3 | シラス、宿舎で警官の襲撃にあい、逃走する。誤って、アリンガローサ司教に発砲する。 |
97 | 下 | 151 | 160 | 10 | ソフィーとラングドン、ニュートンの墓を目指して、ウェストミンスター寺院を探索する。導師、ウェストミンスター寺院でソフィーとラングドンを見つけ、二人を誘い出すことを考える。 |
98 | 下 | 161 | 171 | 11 | ソフィーとラングドン、導師が残したメッセージを発見し、指示通りに進んだところでティービングに出会う。 |
99 | 下 | 172 | 186 | 15 | ティービング、ソニエールの死の真相を語り、二人に協力を求める。 |
100 | 下 | 187 | 195 | 9 | シラス、アリンガローサを病院へ運ぶ。アリンガローサ、回想。 |
101 | 下 | 196 | 211 | 16 | ラングドン、ティービングに脅されながら、とっさにクリプテックスを解錠し、空のクリプテックスを放り投げて難を逃れる。ファーシュと警察官がやってきて、ティービングを逮捕する。 |
102 | 下 | 212 | 213 | 2 | シラス、公園で息絶える。 |
103 | 下 | 214 | 221 | 8 | ファーシュ、ティービングの行動について真相を知る。アリンガローサと、シラスのことなどについて語り合う。 |
104 | 下 | 222 | 240 | 19 | ソフィーとラングドン、キー・ストーンに書かれた最後のメッセージに導かれて、スコットランドのロスリン礼拝堂にやってくる。ソフィー、幼児のころ、祖父につれられてここに来たことを思い出す。ガイドの青年と、その祖母が、自分の弟と祖母であることを知る。 |
105 | 下 | 241 | 256 | 16 | ラングドン、ソフィーの祖母マリーから、シオン修道院の秘密、ソフィーの両親の秘密等について聞かされる。ソフィーと、フィレンツェでの再会を約束する。 |
エピ | 下 | 257 | 264 | 8 | ラングドン、ルーヴルこそが聖杯のありかであることに気づく。 |
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
ここの記事に関連し、3年前に書いた、短いエッセーを再録しておきます。
金水 敏 (2003) 「法鼓台のモリアオガエル」高山寺典籍文書綜合調査団(編)『千恵御住職頌寿記念 栂尾抄』pp. 73-75
=================
法鼓台のモリアオガエル
金水 敏
モリアオガエルは日本の固有種で、多く山間部に生息しています。高山寺にも多数住み着いているようです。「ようです」と曖昧な言い方をしているのは、実は一度も姿を見たことがないからで、しかし声はよく聞くことができます。夏の調査の折り、作業に飽いて法鼓台の前の池のほとりで一息ついていると、「クルルルルル…、コロロロロロ…」と鳴き交わす声が耳に心地よく響いてきます。蜩の涼しげな鳴き声とともに、夏の高山寺を象徴する音と言ってよいのではないでしょうか。それと、このカエルに非常に特徴的な、卵を、やはり法鼓台の前の池の上で見たことがあるような気がします。モリアオガエルは、池や湿地にかかる木の葉に粘液で泡の固まりを作り、この中に卵を産み付けます。卵は泡の中でかえり、オタマジャクシは泡の中から下の水面にぽとり、ぽとりと落ちていくわけです(多くのオタマジャクシは、下で待ちかまえている魚やイモリのごちそうになる運命にありますが…)。
カエルが鳴くだけだったら、何の変哲もないお話ですが、実は私は法鼓台のモリアオガエルと、コミュニケーションを交わすことができます。このことに気づいたのは、私が高山寺の調査に初めて参加した、昭和五七年の夏のことでした。先ほど書いたように、調査の合間にモリアオガエルの声を聞いていて、ふと、この声を真似することができるのではないか、と思いつきました。本当のところ、何でそんなことを思いついたのか、今となってはよく分からないのですが、その方法というのは次のようなものです。
調査の一環として、毎回、典籍文書の写真撮影をしていますが、撮影には専ら「ネオパン」という富士フイルム製のモノクロ・フィルムを用いています。このフィルムは、通常の三六ミリ・フィルムと同様、一本一本が半透明で円筒型ののプラスチック・ケースに収められています。ケースにはもちろん蓋がはめてあって、この蓋のふちには、開けやすいようにギザギザが刻んであります。法鼓台の片隅にしつらえられた撮影台の回りには、この白っぽいフィルム・ケースがごろごろしている訳です。私は、このフィルム・ケースを手に取り、蓋のぎざぎざで、円筒形のケースの空いたほうの縁を、何の気無しに擦ってみたのでした。何となく、そうやったらカエルの声に似た音が出るような気がしたのです。まさしく、そのとおりでした。柔らかめのケースの縁に、蓋のギザギザが擦れると、「コロロロロ…」と軽やかな音がしました。その音はケースの空洞に反響して、思いの外の大きさで響きました。そしてこの音は、モリアオガエルの鳴き声に、実にそっくりなのでした。人間が聞いたところ本物にそっくりのこの鳴き声が、果たしてカエル本人に通じるものか、私は半信半疑で池の前に出て、フィルム・ケースをそっと鳴らしてみました。
コロロロロ…
すると、間髪を入れず、池の向こうの林の中から、
クルルルル…
と声が帰ってきました。偶然かと思ってもう一度鳴らしてみると、やはり返事が返ってきました。フィルム・ケースの音に反応していることは間違いないようです。私は軽い興奮を覚え、しばし、カエルとの交信にふけったことでした。調査にいらっしていた月本さんや近藤さんにも、カエルがちゃんと反応していることを確かめてもらいました。
お話は、これだけです。交信といっても、カエルがフィルム・ケースの音を愛の呼びかけと聞き取ったか、なわばりを侵す怪しい同類と思ったか定かではなく、こちらの独り合点で楽しんだだけなのですが、何となく「自然とふれあった」という気がして、大変満足したものでした。一頃ではうるさいほどに鳴いていたモリアオガエルも、近年ではめっきり少なくなってきたようで、寂しい限りです。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
役割語研究のケーススタディとして、「サイボーグ009」を取り上げたことがあります*1。この作品のキャラクター設定は、様々な関係性が盛り込まれていて、大変おもしろいと思います。マジョリティとマイノリティという観点からキャラクターを分類することを思いついたので、メモしておきます。この場合、マジョリティ/マイノリティとは、社会的に優位/劣位にある(と読者が感じる)という意味で用いています。
ご存じない方のために、この作品の梗概を述べます。
ブラックゴーストという悪の軍団が、世界各国から拉致してきた9 人の男女に、最強の兵士として仕立てるべく改造をほどこし、超人的な能力をそれぞれに与えた。その改造に手を貸したのが、天才的科学者、ギルモア博士であるが、博士は良心の呵責に堪えきれず、9 人と力を合わせて脱出を果たす。その後、9 人のサイボーグたちとギルモア博士は、日常的な世界では、様々な職業について世間の目から逃れる一方で、機に応じて参集し、その能力と知力を結集して、ブラックゴーストはじめ、世界の悪人や、地球をおびやかす超常的な存在と死闘を展開していく。
9人のサイボーグ+ギルモア博士のキャラクター設定は以下の通りです。
001 (本名:イワン・ウィスキー)ロシアの幼児にして天才児、超能力者
002 (本名:ジェット・リンク)ニューヨーク・ウェストサイドの不良少年
003 (本名:フランソワーズ・アルヌール)フランスのバレリーナ
004 (本名:アルベルト・ハインリヒ)東ベルリンの反政府主義者
005 (本名:ジェロニモ・ジュニア)ネイティブアメリカンのカウボーイ
006 (本名:張々湖)中国人の料理人
007 (本名:グレート・ブリテン)イギリスの元シェークスピア俳優
008 (本名:ピュンマ)アフリカの元奴隷、野生動物の監視官
009 (本名:島村ジョー)日本人の母と国籍不明の父との間に生まれた混血児であるカーレーサー、
ギルモア博士 ハーバード大学出身のサイボーグ研究者
まず、性別による分類です。
マジョリティ=男性:003以外の全員
マイノリティ=女性:003
斎藤美奈子氏の言う、典型的「紅一点」構造です*2。
次に、国籍・人種による分類です。
マジョリティ=白人:001, 002, 003, 004, 007, ギルモア博士
マイノリティ=白人以外:005, 006, 008
両義的=009
精華大学の吉村和真さんがおっしゃっているよう*3に、マンガでは、白人の身体=小さい顔、白い皮膚、長い手足、金髪等の身体的特徴が、理想の身体として扱われています。これに対し、黒い皮膚、短い手足・がに股、モヒカン、入れ墨等の特徴は、マイナス的要素として扱われています。009は、西洋人と日本人のハーフで、日本人の心を持ちながら、身体的には白人です。
次は年齢です。
マジョリティ=成人・壮年:002, 003, 004, 005, 006, 008, 009
マイノリティ=幼児・老人:001, ギルモア博士
両義的=007
幼児、老人は、成人・壮年にいたわられ、養育される存在として描かれています。なお007は、見た目は老人に近いのですが、変身能力を持っていて、しばしば小さい男の子として現れます。年齢・世代を越境するトリックスターとして立ち現れています。
このように、重層的な対立軸が仕掛けられることによって、起伏のあるストーリーが紡ぎ出されるわけです。なお、サイボーグ全員が、肉体改造者すなわち異常な身体の所有者として、健常者に対するマイノリティの性格が与えられています。そのため、日常的には自分たちの素性を隠し、一般人として生活しているのです。
その他、例えば002はニューヨークの下町の不良少年、004は東ベルリンの反政府主義者など、マイノリティとしての特徴が個々に与えられている点も注意されます。
*1 金水 敏 (2005) 「近代日本マンガの言語」(Le Langage dans le Manga moderne japonais) 『Le Japon, d'autres visages 日本、もうひとつの顔』pp. 176-186, 阪大フォーラム2004委員会, 21世紀COEプログラム「インターフェイスの人文学」
*2 斎藤美奈子 (1998) 『紅一点論:アニメ・特撮・伝記のヒロイン像』ビレッジセンター出版局(ちくま文庫に再録、2001年)
*3 吉村 和真 (2005) 「近代日本マンガの身体」(Le corps dans le Manga moderne japonais) 『Le Japon, d'autres visages 日本、もうひとつの顔』pp. 187-198, 阪大フォーラム2004委員会, 21世紀COEプログラム「インターフェイスの人文学」
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
高山寺境内の小さい池にかかるカエデの枝に、モリアオガエルが卵を生み付けていました。ソフトボール大の泡の固まりで、その中に小さな卵が多数入っています。二つもありました。夕方になると、親ガエルが「カタカタカタカタ……」と、泣き声を上げていました。
その他の高山寺境内や、清滝川周囲の写真もご覧下さい。
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)
このクイズですが、お分かりになりましたか。答え合わせです。
(1) 肯徳基:ケンタッキー(フライド・チキン)
(2) 麦当労:マクドナルド
(3) 星巴克:スターバックス
写真は、2003年に北京の故宮博物院(旧紫禁城)の中で撮った、スターバックスの写真です。
広州広子さんが興味深いコメントを付けて下さったので、再掲しておきます。
>これを考えたのは、広東語話者なのでしょうか。
『誰か』は分かりませんが、『どこか』といえば、香港です。その「第一号」が香港だったということです(ちなみに、1975年)。その際、原音から広東語(の音と文字)に訳され、大陸デビューの際は、(その文字だけをそのままに音だけ)普通話で読み替えられたことになります(1990年)。
(1)も同様で、香港デビュー(1973年)を経て、大陸デビュー(1987年)に至りました。
面白いのは(3)で、これになると、大陸デビューが先で(1999年)、その後に香港デビュー(2000年)を迎えています。このことを踏まえて、(1)~(3)について2パターンの発音を聴くと、(1)(2)はやはり、普通話よりは広東語の方が原音に近いです(もちろん多少無理はありますが)。これに対し(3)になると、広東語より普通話の方が近い気がします(断然とまではいかないでのすが)。【ちなみに先ほど学生さんにやってもらって聴き比べをしました】
いずれにしても、これらのことは、中国の現代史(特に1997年をはさむ)がそのまま言語に反映されている実例で、本当に興味深いと思います。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
お昼前、車の中で、NHK FMを聞いておりました。12時前、アナウンサーによる行事の告知等が終わった後で、等のアナウンサーが、
あと1分少々で12時になる予定です。
と言ったあとで、一呼吸置いて、やや小さい声で
……なります。
と付け加えました。言った後で、「予定です」はおかしい、と思ったんでしょうね。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
教材用に、留学生Sさんに入れてもらった音源で、クイズを作ってみました。
以下の(1)~(3)は、英語の音訳で、中国本土および台湾で実際に使われているものです。一体なんでしょう?MP3の音源を参考に、お考え下さい。
(1) 肯徳基
(2) 麦当労
(3) 星巴克
ヒント:
(a) 3つとも、同じカテゴリーのものです。
(b) 都会には、街角ごとにあるといってもいいくらいあるよね。
(c) (2)は、日本語の感覚だと、原語からちょっと遠いかも。
(d) (3)の1字目「星」のみ、音訳ではなく、意訳です。
当てたら、ほめてとらせます。ただし、中国語の母語話者、中国語の先生・研究者、並びに現地在住者は遠慮してね(微笑)。
| 固定リンク
| コメント (3)
| トラックバック (0)
最近のコメント