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2006年8月

2006年8月27日 (日)

三尾ハイキング

Dsc03220 私の所属する学科では、教員が還暦を迎えた誕生日の近辺に、同僚やお弟子さんといっしょにハイキングをしてお祝いをという行事があります。

今年は、国語学のH先生の番なのですが、お誕生日が8月26日という暑い盛りで、場所の選択が難しい。少しでも涼しいところということで、京都・栂尾山高山寺から高尾山神護寺というコースを考えました。幸い、ハイキングには卒業生も含めて31名というたくさんの方々が参加して下さいました。

実はH先生はおみ足を悪くしておられて、このコースは上り下りがありすぎるという点ではあまりいい選択ではなかったのでした。H先生のために、神護寺をさけて仁和寺に回るオプションをくっつけましたが、仁和寺コースを選択されたのはH先生だけという、申し訳ない結果に終わってしまいました。主催者としては反省です。

夜は、京都・木屋町の飲み屋さんで打ち上げ会。二次会は、H先生お得意のカラオケにお誘いし、たっぷりと十八番(オハコ)を聞かせて頂きました。

なお、先生はこの日のために、今まで作ってこられた回文の作品と、歌ってこられたカラオケ・ナンバーの一覧を小冊子にしたものを、全員に配られました。その、ご研究同様の精緻なお仕事ぶりに、一同、新たな感銘を受けた次第です。

写真アルバムへ

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dwarf planet

例の、惑星の新定義について、「日本学術会議ニュース・メール」から引用します。

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**  日本学術会議ニュース・メール  **    No.27  **  2006/08/25  **
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  ◎ 太陽系惑星の新定義!!

  ◎「学術の動向」への寄稿のお願い!

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■国際天文学連合総会における決議(報告)
   
  8月14日からチェコのプラハで開催されていた第26回国際天文学
 連合(International Astronomical Union、以下IAU)総会は、8月24
 日、太陽系の惑星について、骨子以下のように決定した。
  
  これは海王星・冥王星より遠い小天体が最近多数発見されていること
 などにより、これまでの太陽系像を改定する科学的必要が生じたもので、
 2年近い討議と特別委員会での検討、今回の総会での熱心な科学的討議
 により決定されたものである。特別委員会には、国立天文台の渡部潤一
 助教授が委員として参加した。
  
  なお、日本学術会議は日本における国際天文学連合の加入団体であり、
 今回の総会には日本代表として海部宣男日本学術会議会員(前国立天文
 台長)、ほか2名が派遣された。

 (1) 太陽系の惑星は、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、
    海王星の8つとする。冥王星は、惑星とは呼ばない。これは、その
    公転軌道の近傍領域における力学的な主要天体であることを惑星の
    新しい条件としたことによるもの。冥王星は小さく、この条件にあ
    てはまらない。
 (2) 太陽系における新しい種類の天体として、「dwarf planet」を定
    義する。これらは小さいため惑星ではないが太陽を回る一人前の天
    体と認められるもので、これまで惑星とされていた冥王星、「小惑
    星」の仲間であったセレス、最近発見された海王星よりも遠くを回
    る天体2003UB313などが「dwarf planet」である。基準ぎりぎりの
       天体をdwarf planetとするかどうかは、今後制定されるIAUの手続き
       によるものとする。
 (3) そのほかの小さな小惑星(アステロイド)や海王星以遠の天体、
       彗星、隕石など太陽系内の小天体は、「Small Solar System Bodies」
       と総称する。
 (4) 「dwarf planet」のうち、最近発見が続いている海王星以遠の天体
       (Trans-Neptunian Objects)を、冥王星をその代表とする新しいク
       ラスの天体と認める。このクラスの天体の名称はIAUのプロセスに従
       って検討する。
  
   詳しくは、国立天文台ホームページ(http://www.nao.ac.jp/)を参照
   されたい。
    
     なお、上記のdwarf planet、small solar system body、Trans-Neptunian
    Objectsなどの和名と概念の整理、および関連する国内での記載法等につ
    いては、今後日本学術会議と関係学協会が中心となり、科学や教育など
    広い分野の関係者と協議し、とりまとめて公表する予定である。
    
       平成18年8月25日  日本学術会議 会長 黒川 清
                日本学術会議会員(IAU日本代表)海部宣男

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2006年8月25日 (金)

清水義範氏に会う

Dsc03207 昨日24日、岩波『文学』の企画で、作家の清水義範さんと座談会をしました。他に、上智大学の小林幸夫さん、横浜国立大学の山田俊治さんがいらっしゃいました。テーマは「ステレオタイプ」で、私が司会役です。

清水義範さんの小説は『永遠のジャック&ベティ』をはじめ、多くの作品を読んでいて、好きな作家だったので、とても楽しみでした。言葉に対するメタで冷静な視点が、言語学者に通じるところがあると感じていました。

清水氏は、淡々としたお話ぶりでしたが、話題に的確に反応し、誠実に対応されながら、しかもユーモアたっぷりにお話しされ、とても好感が持てました。今書きつつある小説のお話も伺え、貴重な体験ができました。

18485856 めったにない機会なので、持っていた『永遠のジャック&ベティ』の単行本にサインをいただき、記念撮影をしました。(サインは娘の名前を書いてもらいました)。Dsc03210

座談会のあと、岩波書店のそばの中華料理店でお食事をいただきました。残念ながら、清水義範氏は帰られましたが、小林さん、山田さん、岩波の編集者の岡本さんと楽しく談笑しました。

座談会に先立って、私が作ったステレオタイプと文学に関するメモを、「SKの役割語研究所」にアップしました。

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UDON

明日から UDON という映画が封切りされるということで、テレビで盛んに宣伝しています。そこで、うどんにちなんだ回文を。

うどん、どう?

うどん、感動!

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2006年8月22日 (火)

アクセスカウンター

右の、「バックナンバー」の下に、ひっそりとアクセスカウンターを置いてみました。遊んでみて下さい。リロードすると、一つ進みます。

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水明荘

A ここに書いた、早稲田実業の選手たちが泊まっていた宿舎が分かりました。

水明荘

という旅館です。どっかで聞いたことがあると思ったら、しょっちゅう乗っている阪神電車の車窓から看板がよく見えていたのでした。

ニュース番組(ぷいぷい)によると、予想しない引き分け再試合のために、いつも決勝前夜には出していた「とんかつ」の準備が、再試合前夜には整わなかった、ということです。

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マッタケ食べた

ここで書いた、松茸(関西弁で「マッタケ」)の話の続きです。

値段の正解。一かご、

1,500円

でした。国産品の、ざっと2分の1~3分の1といったところでしょうか。

フェルマータさん、コメントありがとうございました。買った翌日にすき焼きで、その翌日にお吸い物でいただきました。国産品の高級品に比べれば、香りは薄いように感じましたが、小振りだったので歯ごたえもよく、

「マッタケ食べた~」

という気にはなれました。これくらい安ければ、中国産もおすすめかと。

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2006年8月21日 (月)

戦い終わって

引き分け再試合で、初優勝を手にした早実の選手たちも、3連覇を逃した駒大苫小牧の選手たちも、今、西宮市近辺にいるんですよね。

すぐそばにいると思うと、とても親しみを感じます。気のせいですけど。

どちらにも、「よくやった」とねぎらってあげたいです。ゆっくり休めますように。

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2006年8月20日 (日)

いのししの夫婦

4797484500 私の友人の絵本作家、浅野薫さんがお出しになった、新しい絵本です。ぜひお求めください。

浅野薫 (2006) 『いのししの夫婦』新風舎, ISBN:4797484500

新風舎のサイト

アマゾンのページ

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初物

Dsc03203 昨日、にしのみや阪神で見つけて、

「安!」

と思って思わず買ってしまいました。

松茸(中国産)

一かご、さあいくら?

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きのこの部屋更新

久々に、「きのこの部屋」更新しました。

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2006年8月19日 (土)

ジブリの風景

「ジブリの風景」(BS日テレ)という番組を少しだけ見ました。スタジオジブリ作品の背景となった、先行作品や、絵画や、ヨーロッパの風景を探索するという趣旨の番組です。

そこで知ったことを2点だけ。フランスの、ポール・グリモーというアニメ作家の「王と鳥」(最初に発表されたときの表題は「やぶにらみの暴君」)という作品が、高畑勲、宮崎駿に大変大きな影響を与えたとのことです。番組で少し紹介していましたが、確かに、「カリオストロの城」と大変よく似たシーンが多くありました。こちらこちらを参照。

なお、「王と鳥」って、変な題名だと思いましたが、フランス語だと Le Roi et L'oiseau で、頭韻を踏んでいるのですね。

もう一つ、ここで言及した「ハウルの動く城」ですが、ソフィーの帽子屋のある町は、フランス・アルザス地方がモデルだそうで、コルマールでロケハンが行われたそうです。アルザスといえば、2004年に「阪大フォーラム」でストラスブールを訪れたのですが、確かに、そこで見た「コロンバージュ」といわれる特殊な木組みの家がアニメに描かれていました。ストラスブールで撮ってきた写真をご覧下さい。

Dsc01884 Dsc01885

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2006年8月18日 (金)

NY旅日記:発表スライド等

Dsc03131_1 ここで書いております。「日本語教育国際研究大会」での発表で使用した、原稿(ハンドアウト)と、パワーポイントのスライド(PDFに変換)を、こちらにアップしております。左の写真に写っているスライドです。よかったら、参考までにご覧下さい。

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2006年8月17日 (木)

勘違い

ここの記事で、「最近は、一日平均、20人前後は訪問者があるようです」と書きましたが、これは勘違いでした。

アクセス解析で出てくる一日の訪問者数は、1時間ごとの集計の延べ件数ですので、仮に同じ人が1時間以上おいて2回アクセスすれば、それは2人と数えられます。

生ログを見ると、どうやら一日、5, 6人というところでしょうか。

いえいえ、それでも充分です。ご訪問を心より歓迎致します。皆様に少しでも楽しんでいただけるよう、更新に努めます(仕事の合間に)。

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2006年8月16日 (水)

いいじいさん

023385620000 ニューヨークに行く飛行機の中で、村上春樹(文)大橋歩(画)『村上ラヂオ』(新潮文庫, 2003, ISBN: 4101001529)を読んでいたら、「にんじんさん」というエッセーの中で、童謡「赤い靴」の歌詞の聞き間違い(言い間違い)について取り上げていました。

「赤い靴はいてた女の子、異人さんにつれられて行っちゃった」

という歌詞の「異人さん」をどう聞いたか、ということについて、インターネットで募集した結果が書いてありました。私も、子供の頃この「いーじんさんに」のところが分からなかったので、興味深く読みました。次のようなヴァリエーションがありました。

  • いいじいさんにつれられて行っちゃった
  • ひいじいさんにつれられて行っちゃった
  • 知事さんにつれられて行っちゃった
  • にんじんさんにつれられていっちゃった
  • イージーさにつられて行っちゃった

私の回りでは、「いいじいさん」「ひいじいさん」は聞いたことがあります。

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天神祭2006

Dsc03094 いささか気が抜けてしまった感がありますが、去年についでことしも、天神祭のお迎え船に乗りました。7月25日でした。今年は、義理の父をお誘いしました。写真をアルバムに置いています。

今年は長雨が続き、はたして25日が晴れるかどうか、大変気がもめました。予報としては、雨のち曇りといったところで、怪しかったのですが、結果としては降りませんでした。関西の言い伝えで、祇園祭で降ると天神祭は晴れるというのですが、まあその通りになった訳です。今年の祇園さんはどしゃぶりでしたから。

二度目ということで、さすがに、去年ほどの新鮮みは感じませんでしたが、それでも独特の高揚感は変わりません。恒例で、船には司会進行役として、落語家さんお一人と、天満天神御伽衆の方が乗り込みます。落語家さんは桂文枝門下の桂かい枝さんでした。また御伽衆は、去年と同じ、大変おきれいな馬場さんでした。

今年も、応援団と軽音研が乗り込み、チアリーダーに、ジャズ演奏にと、にぎやかに船は進んでいきました。お弁当はやはり高麗橋の吉兆さんです。とてもおいしかったのですが、写真に撮らなかったのが残念です。ついつい食い意地が張って、たまらず食べてしまってから「あ、写真」と思うのでした。

御伽衆の解説で一つ勉強になったのは、花火のことです。例えばPLの花火大会では10万発以上の花火が打ち上げられるのに対し、天神祭は4,000発ほどでに過ぎないのですが、花火には神様をお迎えするという、意味が込められていたのです。川の何カ所かに花火の打ち上げ場所があるのですが、神様を乗せた船がお通りになったときに、花火が打ち上げられるのだそうです。つまり、花火が上がれば、「あ、神様がお通りになっているのだな」と分かるわけです。

船の運航は、去年よりもかなり時間がかかりました。どうやら、長雨の影響で水位が高く、橋の下を通るのに各船が減速を余儀なくされたためらしいです。確かに、桜宮橋(通称「銀橋」)の下を通るときなど、橋桁が触れるくらいに迫っていました。

というわけで、今年も大満足のお迎え船でした。ムービーもアップしておきます。船と船との間でかわされる「大阪じめ」から、花火の打ち上げまで連続で撮っています。

「MOV03089.MPG」をダウンロード

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2006年8月15日 (火)

へうたん

Dsc03199 Dsc03200 先週土曜日、丹波にある親の住まいに行ってきたのですが、家の回りにいくつもヒョウタンがなっていました。特に大きいものでもないのですが、姿が可愛いので、写真に撮りました。

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訪問者数

このブログに訪問してくださる方々には関わりがないことなんですが、最近、「ココログ」のアクセス解析機能が強化されました。その結果、いろいろなことが分かってきました。

2005年10月15日にこのブログを立ち上げて以来、306日、累計アクセス数16,189件、一日あたりの平均52.91になります。この数字については、古いアクセス解析でも分かっていました。

このブログについて私は、不特定多数に対して宣伝することを一切せず、できれば知ってる人だけに見て欲しいという態度を保ってきました。そのくせ、アクセス件数は結構、気になったんですね。アクセス件数が減ってくると、ちょっとさみしくなったりして。

でも今回、アクセス件数以外に、訪問者数というものが分かるようになりました。つまり、アクセスしている端末の数を数えている訳です。訪問者の累計は、362人、一日平均1.2人です。こう数えると、少し寂しい気持ちになりますが、最近は、一日平均、20人前後は訪問者があるようです。

アクセス件数というのは、一人の訪問者がサイト内のページを渡り歩くとそれだけ増えていくわけで、訪問者数とは必ずしも比例しないんですね。アクセス件数は変動しても、訪問者数はそんなに変動していません。

それから、訪問者の訪問頻度というのも分かるようになりました。このサイトにたった1回だけ訪れた方は200人、55.2%に当たります。200人のみなさん、さようなら。

2回の方は50人、3回の方は20人。4回から10回まで40人、11回から87回までまとめて52人です。この52人の方がだいだい、このサイトのリピーターと考えてよろしいのでしょうね。私の知人の規模として、概ねこんなものだろうと思い、納得しました。その中には、学生さんも半分以上、含まれていることでしょう。

ところで、訪問回数のトップは87回であり、これは文句なく私自身だろうと思います。次に多いのが78回、続いて72回などとなっています。熱心な方もいらっしゃるものです。

毎日20人程度の方が、毎日気にして見に来てくださると思うと、大変ありがたいことのように思われます。残暑厳しき折から、どうぞお体にはお気を付け下さいませ。

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「役割語研究所」更新

ひさびさに、「SKの役割語研究所」を更新しております。8月のバックナンバーでご覧下さい。

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2006年8月14日 (月)

dVC分析:岩波『文学』

このページに書きつづってきたことを、短いエッセーにまとめたものが雑誌に掲載されました。。

金水 敏 (2006) 「ファンタジーとしての『ダ・ヴィンチ・コード』」『文学』第7巻第4号(7, 8月号) 2006年7月26日、岩波書店

「特集=ファンタジーの世界」の記事の一つとして、編集者に依頼されたものです。編集者の希望は役割語について書いてくれというものでしたが、『ダ・ヴィンチ・コード』のほうがひねりがきいてるかなと思ってこちらにしました。

よろしかったら、どこかで雑誌を手にとってお読み下さい。

(なお、補注の番号が狂っている箇所があります。申し訳ありません)

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2006年8月13日 (日)

NY旅日記:アルバム

ニューヨーク旅行の写真をアルバムにアップしました。

タイムズ・スクウェアの喧噪を収めたムービーもアップしておきます。mpegです。

「MOV03174.MPG」をダウンロード

「MOV03175.MPG」をダウンロード

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2006年8月11日 (金)

NY旅日記:タクシー、空港、文庫本

8月8日、夜中3時に目が覚めましたが、日本時間に早く適合するように、無理に寝ないことにしました。

9時半に、近くのホテルに泊まっていた鄭さんと岡崎さんと落ち合って、空港に向かいました。なかなか道でタクシーがつかまらなくて、15分くらいしたところでやっと1台止まってくれました。ちょっとおじいさんの運転手で、愛想が悪そうで、行き先がちゃんと伝わったか不安でした。

この運転手さん、ちょっとした渋滞にぶち当たると、帽子を席にたたきつけ、手を振り上げて何かよく聞き取れないことをわめきます。何度も何度も。それで、無理矢理車線を変えて、少しでも先へ、先へ行こうとします。運転が結構荒っぽいので、しょっちゅうクラクションを鳴らされて、隣り合った車の運転手がにらんできます。まったく、肝が縮まる思いでした。

しかし、無事に空港に到着しました。しかも、通常より相当早く着いてしまいました。プロ根性ですね。やれやれ。

ところで、最近、アメリカに入国する外国人に対して、US-Visitというシステムが適用されています。入国の時には、全員が両手人差し指の指紋と顔写真を取られて、電子的に記録されます。さらにパンフレットによれば、帰国の際にも、空港に設置された機械で、自分でパスポートと指紋と顔写真を記録せよとのことです。

チェックインをすませ、手荷物検査も受けて、やれやれと思ったら、US-Visitの帰国手続きをしていないことに気づきました。あれれ、と思って、機械を探したのですけど、どうも見あたりません。そこで空港の警備員に「US-Visitの機械はどこにあるのか」と聞いたら、「この空港にはない」と言われました。なあんだ。うるさく言ってるくせに、準備はまだまだだったのね。まあ、帰って行くやつのことなんか、どっちかというとどうでもいいんでしょうね。

で、あとは免税品を買うだけですが、どうもJ. F. ケネディ空港は、免税店がしょぼいんです。ゲートが細かく分かれているせいもあるかもしれませんが。とにかく店の種類が少ないし、点数もあんまりない。家族に、Coachのバッグを買うようたのまれていたのですが、Coachの店舗がなかった。しょうがないので、チョコレート菓子の類を少し買って終わりにしました。焼きたてベーグルの店なんか作ってくれたら、いくらでも買うのにねえ。どうも、商売っけが薄いです。

印象ですけど、L. A. なんかですと、一般に商店の店員の愛想がよくて、にっこりしてくれるんですけど、ニューヨークはどこへいっても店員がむすっとしてる気がします。西海岸と東海岸で違うのかな、と思ったりしますが、もう少し調査を進める必要があります。

帰りの飛行機は特に珍しいこともなし。「アイスエイジ2」を見ました。あと、出発するときの成田空港で、ダン・ブラウンの『天使と悪魔』(上)の文庫を買ったのですが、帰りの飛行機に乗る前に読み終わってしまいました。続きが気になったので、英語の原典のペーパーバックを、空港で買いました。成田に着くまでに読み切りました、といいたいところですが、3、4章しか読んでません。やっぱり日本語訳の文庫本を買うことにします。

8月9日、夜9時過ぎに、我が家に帰り着きました。あ~あ、疲れた。

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2006年8月10日 (木)

NY旅日記:ダウンタウン探訪

8月7日、今日は一日、ニューヨークの見学日です。日中は暑いと感じる時もありますが、だいぶ涼しくなりました。3日に着いた時が一番暑かったようで、だんだんましになってきました。

10時、鄭さん、岡崎さんの二人と、ホテルのロビーで待ち合わせて、まず近代美術館(MoMA)に行くことにしました。鄭さんと岡崎さんは今朝まで大学の学生寮に住んでいて、今日落ち合う前に、私のホテルのそばにある別のホテルに引っ越してきたのでした。二人が私の顔を見るや、興奮した口ぶりで

「さっき、ホテルのチェックインをしてるとき、びっくりするような人に会ったんです」

と言いました。それは、私と鄭さんの同僚で、岡崎さんにとってもこの3月まで同僚だった美術史のF先生なのでした。鄭さん、岡崎さん、F先生は同じ委員会で仕事をしていたので、特になじみも深く、それだけに驚きも大きかったわけです。F先生は、メトロポリタン美術館で調査を行うために来られているそうです。確かに、旅行先で意外な人にあうことは結構ありますよね。特に海外の場合、日本人が行くような場所は限られているので、日本よりも案外出会う確率が高いような気がします。

Dsc03161 さて、ホテルの最寄りの96thの駅から地下鉄の1番に乗って、50thで降り、歩いてMoMAに向かいました。地上にでると、「どどん」という感じでミュージカルManma Mia!の看板が目に飛び込み、人や車の喧噪にわっと取り囲まれます。ニューヨークでも、いままでの立ち回り先とは明らかに違った、超都会的な雰囲気です。東京や大阪とも違う、味わったことのない雰囲気です。それは、周囲のビルの背の高さによるところが大きいかもしれません。見た目に圧倒されますし、騒音がわんわんと反響する感じです。

Dsc03162 MoMAの前の道から、横の空き地にかけて、すでにチケットを求める人の長い行列ができていました。15分くらいはかかったと思います。メトロポリタン美術館が伝統的な重厚な建物であったのに対し、MoMAは非常に近代的で、細部にまでデザインの目が行き届いた、とてもしゃれた建物でした。絵画では、ピカソやマチスやセザンヌの著名な作品が収蔵されていますし、ホッパーやオキーフやリキテンシュタインやウォーホルのようなアメリカ人画家の作品も充実しています。特別展としては、DADAが取り上げられていました。有名な収蔵品の一つに、マチスの「ダンス」がありますが、これは94年にエルミタージュで見たものの方が、大きくて迫力があったように思います。

Dsc03166 11時に入館し、自由行動で13時に2階のカフェで落ち合うことにしました。楽しいことは楽しいのですが、時差ボケが依然として影響を与えていて、頭がもうろうとし、足ががくっと折れるような感覚にときどき襲われます。2階のカフェはイタリア料理店で、パスタを食べました。食後は1階のミュージアムショップで、絵はがきなどおみやげを買いました。

次に、岡崎さんが「5番街のティファニーを是非見たい」というので、そのあたりをぶらぶら歩きしました。次に地下鉄でタイムズ・スクウェアに移動し、「ハードロック・カフェ」に少し立ち寄ったりしました。

Dsc03185 ミッドタウンの雰囲気を満喫したところで、ぐっと下がって自由の女神行きのフェリーに乗り込みました。船の上は、地上とはまた違った雰囲気で、海風も涼しく、なかなか爽快です。自由の女神の博物館には入らず(現在は台座のところにある博物館までが公開されていて、冠までは行けません)、女神の周りをぐるっと一回りしてツアーを終わりました。さすがに大きくて立派な像で、それなりの感慨があります。ただ、どうしても自由の女神を見ると、「アメリカ横断ウルトラクイズ」を思い出してしまいます。あと、映画の「X men」ですね。ヒッチコック映画もあったと思うけど、なんだっけ。

映画と言えば、ニューヨークを舞台にした映画はかずかず見たのですが、ビル街を見ると、どういうことか、米国版「ゴジラ」を思い出してしまって困りました。あとは「スパイダーマン」。ろくなもんじゃないです。

Dsc03195 というわけで、そろそろ食事をということになり、ソーホーに出ました。最初、ガイドブックに出ていたダイナースに入ろうとしたのですが、ちょっと入りにくい雰囲気の店だったので、別のところを探しながらソーホーのなかをぶらぶらしました。食料品屋でおみやげを買ったり、すしパックを買ってベンチでつまみ食いもしました。このあたりはおしゃれなブティックや高そうなバー・レストランが結構あり、買い物袋を下げた観光客は入りにくい感じです。結局、中華・ヴェトナム・タイなんでもありのアジアン・エスニック料理のお店に入りました。ここも結構、店内の雰囲気がスタイリッシュにまとめられています。料理は安くないですが、それなりのクォリティで満足しました。

その後、エンパイアステート・ビルで夜景見物、というもくろみだったのですが、ビールも入って、3人ともいささかお疲れモードだったので、おとなしく帰ることになりました。

これで、ニューヨークでの予定はおおむね終了、あとは帰るのみとなりました(おみやげショッピングが残された課題ですが……)。

さすがニューヨークは、都会好きの人にはたまらない魅力を持った都市でした。ショッピング、グルメ、エンターテイメントなど、遊ぶことには事欠かない、退屈知らずの街です。また機会があれば、来てみたいです。

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2006年8月 7日 (月)

NY旅日記:トルコ料理に舌鼓

Dsc03150 8月6日、大会二日目で最終日です。今朝も8時から、朝ご飯をLow Libraryに食べに行きました。研究発表や、日本アニメに関する基調講演、ポスターセッションなどの合間に、大学のBook StoreでTシャツなどの買い物もしました。午後には鄭さんの発表もありましたが、なかなか上手でわかりやすい発表で、反応もよかったようです。

反応と言えば、何人もの知ってる方、知らない方に、「発表がおもしろかった」と言われました。まあ、専門違いなので優しく言ってくださっているのだろうと思います。

Dsc03158 6時に、Low Libraryの前で鄭さん、岡崎さん、Shirane先生と待ち合わせをしました。Shirane先生がおいしいお店に連れて行ってくださるとのことでしたが、その前に、コロンビア大の歴史と構造についてご説明してくださり、その上に、ご自分のアパートメントまで見せてくださいました。アパートメントは大学の敷地内にあり、アメリカの中でも古い建物になるそうです。広くて立派な部屋が、教授だと格安で借りられ、改造費も大学が出してくれるとのこと。日本との、教授の待遇の違いにため息がでました。

Dsc03159 Shirane先生が連れて行ってくださったのは、West 79th近くのトルコ料理店Pashaというところで、ほんとにほんとにおいしかったです。参りました。Shirane先生は、英語と日本語のほぼ完璧なバイリンガルで、お話がお上手で話題も広く、ずっと聞いていたい気持ちになります。時々子供っぽく笑われるところも、とてもチャーミングです。

というわけで、今日も充実していました。

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NY旅日記:発表本番

8月5日、いよいよ、「2006日本語教育国際研究大会」(International Conference on Japanese Language Education)が始まりました。

Dsc03120 朝8時から、コロンビア大のシンボル的な建物Low Memorial Libraryのホールで朝ご飯の軽食が出されるので、食べに行きました。お昼も同じところでお弁当を配ってくれるし、夜はまた同じところでレセプションがあります。とてもリッチな学会です。

開会のセレモニー、基調講演、最初の研究発表のセッションを聞き、お弁当を食べて、午後一番、いよいよ本番です。我々のセッションは、Shirane先生が構成された「古典日本語」に関するもので、日本語教育の中ではマイナーな話題ですから、あまり聴衆が多くないのではないかと思っていました。ふたを開けてみると30人程度は来てくださったようで、ありがたかったです。Whitman先生の発表は、大学院生が代読しました。古典の音読に関するご論文です。続くQuinn先生のご発表は、格助詞「が」をケーススタディとする、アメリカの大学における日本語史教育の方法と効果について述べられました。

Dsc03131  私の発表は、「現代に生きる古典日本語」という題で、主にことわざ、本や新聞・雑誌のタイトル、慣用句等に現れる古典的・文語的表現について取り扱いました。20分ほどの発表を、プリントとパワーポイントのスライドを併用して行いました。妙に会場が好意的で、すごく笑っていただいたので、発表者としては満足しました。何かの間違いじゃないかというくらい、何でもないところまでうけてました。質問もいくつか受けました。

Dsc03134 発表のあと、くたびれたので、いったんホテルに戻って昼寝をしました。それから着替えて、レセプションに出ました。人数が多くて、終始雑然とした雰囲気でした。料理も少ないので、大学の同僚の鄭さんと、元助手の岡崎さんといっしょに外に出て、大学の近所の韓国料理店で食べなおしました。適当に選んだお店でしたが、あまりおいしくなかったです。Dsc03139

というわけで、大会1日目終了です。

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2006年8月 6日 (日)

NY旅日記:METに圧倒される

Dsc03108_1 現地で8月4日、時差ボケ解消の一環として、午前中はメトロポリタン美術館に行くことにしました。通称、METです。セントラルパーク西沿いの地下鉄で96から81まで乗り、セントラルパークを歩いてつっきりました。さすがに、とても広くてきれいな公園です。夏らしくて、気持ちがいい風景なのですが、何か日本の公園と違う感じがします。静かなんです。あとで気がついたのですが、蝉の鳴き声がないんですね。日本だと、今のシーズン、蝉の大合唱でうるさいわけです。Wikipediaの「セミ」のところに、こんな記事がありました。

日本のドラマを欧米に出すとき、夏の場面ではセミの声を消して送るという。日本ではいかにも暑い盛りのBGMと感じられるが、あちらでは妙なノイズが乗っていると思われる場合が多いという。

Dsc03110 さて、METに着いて、まずその外観の大きさに圧倒されました。館内は人でごったがえしています。20ドル払って、まずエジプトエリアへ。とにかく、出品点数の多いことといったら、すさまじいです。一つ一つ丁寧に見ていったら、エジプトだけでも1日では終わらないでしょう。次にヨーロッパ絵画、アジア美術、特別展いくつかなど見て回りましたが、一つ一つのエリアが日本の美術館1館分をはるかに凌駕するような規模で、そんなエリアが10以上もあるわけです。地下1階の隅っこみたいなところに何気なくルノワールのおなじみの絵がさりげなく掛かっていたりもするのです。

Dsc03116 一つ日本の美術館と違うところは、特別展以外はたいてい、写真・ビデオ撮影が自由なことでした。私はどうも勇気が出なくて、けっきょく絵の写真は撮りませんでしたが、日本美術エリアにしつらえられた、書院造りの見本の部屋がみごとだったので、写真をとりました。そしたらフラッシュが光って、係員に "No flush!"と叱られました。薄暗い展示場はフラッシュ禁止だったのですね。まあ、絵の展示は、写真に撮ってもブログには載せられませんが。

地下1階に、大きなカフェテリアがあって、いろんな飲食物をチョイスしてリーズナブルな値段で食べられました。観光客にはありがたい施設です。こういうところも、日本では考えられません。館内にはほかに、値段高めのきれいなレストランもありました。Dsc03113

METに圧倒されてへとへとになって、いったんホテルに戻りました。それから夕方、いったんコロンビア大に行って、学会の前日登録を済ませた後、6時半の約束で、Broadwayと79thの近くにあるホテルに向かいました。明日のパネルのメンバーと落ち合うためです。コロンビア大のShirane先生、オハイオ州立大のQuinn先生、コーネル大のWhitman先生と私がメンバーですが、Shirane先生から、Whitman先生の奥さんが今朝お亡くなりになり、こられなくなったと伺いました。日本人の奥さんですが、ガンが悪かったそうです。残念なことです。ご冥福をお祈りいたします。

さて、Haruo Shirane先生は、源氏物語から芭蕉まで、日本文学について深い見識に基づく理論的な研究を展開されている方です。わたしは2003年12月3日の、大阪大学のCOEプロジェクトで面識を得ました。Charles Quinn先生は、日本以外の世界で数少ない、日本語の歴史について研究していらっしゃる先生です。2001年にUC Santa Barbaraで行われたJapanese/Korean Linguistics Conference でご発表を伺ったのが最初の出会いです。今回、残念ながらお目にかかれなかったJohn Whitman先生は、日本語古代音韻論から、生成文法まで幅広い活躍をなさっている方で、これまで何度もお世話になっています。

Shirane先生とQuinn先生と3人で、west 79th 近くのLa Grolla というイタリア料理店に行きました。とてもおいしいお店でした。明日の発表の打ち合わせなどして、別れました。

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NY旅日記:酷暑と時差ボケ

ホテルは、学会の紹介でとってもらったところで、大学から地下鉄で3駅下がったところにあります。セントラルパークの西側、Broadwayに面しています。

部屋はこぎれいですが、入って

「げげっ」

と思ったのは、冷房が見あたらないこと、風呂場にタオルがないことでした。「これで一日、140ドルか!?」とびっくりしました。

とにかく、

くそ暑い

のです。部屋の中でさえ、35度ぐらいはあったかもしれません。とにかく、飛行機に12時間もいたので、シャワーを浴びようと思って、お湯を出したら、水が赤い。ちょっとげんなりしながら、ともかく体を流していると電話がかかってきて、

「タオルを持って行くから、ドアを開けて受け取ってくれ」

と言われました。ほどなく、ドアにノックの音がして、あわててズボンをはいてお姉さんからタオルをもらいました。つまり、チェックインが早すぎて、タオルをセットしている時間がなかったのですね。やれやれ。

あとは部屋が暑いことですが、とにかく時差ボケ早期解消のためにも、日があるあいだは出歩こうと思いました。自然史博物館が比較的近いので、まずそこにいくことにしました。

自然史博物館は、地下鉄で2駅ほど下がって、セントラルパークに向かって少し歩いたところにあります。地下鉄の駅の自動券売機で7日間フリーパス券を買って、乗り込みました。

Dsc03100 場所はすぐ分かりました。15ドル払って、まず恐竜の部屋に行き、巨大なティラノサウルスの化石に感心しました。あと、迷路のような館内をぐるぐる歩き回りましたが、さすがに1日目の疲れが出て、時差のせいもあって、足がだるくなり、気分も悪くなってきました。夕方5時頃、博物館を出てホテルに戻りました。

一人の夕食をどうするか、明日の朝飯をどうするか考えましたが、結局、近くのSUBWAYでサンドイッチを買い、また食料品店で水やジュースやヨーグルトや桃を買い込んで、ホテルに帰りました。とにかく水がないと、死んでしまいそうです。

ホテルの窓を開け放し、上半身裸になって、サンドイッチをほおばりながら、パソコンであさっての発表のためのスライド作りに励みました。それから、無線LANが使えることが分かったので、ロビーでパスワードをもらい、メールの送受信など。そうこうしているうちに、夜の12時も近づき、就寝に。

Dsc03140 それにしても暑いので、窓をもう一つ開けようと思ったら、なんと窓辺にクーラー発見。そりゃそうだよね。クーラーがなかったら、ほんとに死んでしまう。無事、部屋もすずしくなって、なんとか長い1日を終わりました。

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2006年8月 4日 (金)

NY旅日記:油断も隙もない

8月3日早朝家を出て、伊丹、成田と無事にたどって、NY行きの飛行機に乗り込みました。

ビジネスクラスに、くりぃむしちゅーの有田哲平が乗っていました。いま、ニューヨークのどこかにいるんでしょうね。

機内では約12時間。しんどかったけど、特に不調もなくすごしました。映画は、「ゴジラ」(1954年のオリジナル版)と「M:I:3」を見ました。「ゴジラ」は、何回か見てたはずだけど、非常に新鮮で感激しました。また改めて書きます。

さて、JFK空港に着き、タクシーを探してうろうろしてると、黒人のおっきい人が近づいてきて、タクシーチケットのようなカードを手渡して、「どこにいくんだ」と聞いてきました。ホテルの地図を見せると、「おー、マンハッタン! おまえはラッキーだ、おれはちょうどマンハッタンに帰るところだったんだ」と早口でまくし立てます。

(「おれ」になってるのは、役割語で黒人っぽくしてます。ほんとに「ビバリーヒルズ・コップ」みたいなしゃべり方だった)

「ここの乗り場はブルックリン行きだ。マンハッタンはこっちだから着いてこい」と言って、ぼくからスーツケースをひったくってごろごろひっぱっていきます。

内心、

(あれあれ、ちょっとまずい雰囲気)

と思いながら、「あんた、タクシードライバーか?」と聞くと、「そうさ、おれはホテル・タクシードライバーだ」と言います。連れて行かれたのは空港のパーキングで、黒い大きなバンにさっさとスーツケースを積み込むと、「乗れ」と言います。

勢いで乗ってしまって、「いくらだ」と聞くと、「フラットレートだ。フラットレート。分かるか。90ドルだ。」と言います。これで、完全に

「やられた」

と思いました。飛行機の中でガイドブックを読んでて。空港からマンハッタンまでは、フラットレートで45ドルと書いてあったからです。

「45ドルじゃないの」

と聞き返すと、「いいか、ここはクイーンズだ。マンハッタンまでは2区ある。1区45ドルで、2区だと90ドルなんだ」とまくしたてます。ちょっと頭に来て、

「すぐ降りるからおろせ」

といったら、

「降りる?何で降りるんだ?」

とか言いますが、とにかく降りる姿勢をしめすと、

「降りるんだったらパーキング代20ドル出せ」

と行ってきました。ま、なんとか降ろしてくれたので、うるさく言われるのがいやだからとりあえず10ドル渡しました。渡す必要もほんとはないんだけど、とにかくこの場を早くさりたかったのでお金を出したんです。

スーツケースを出して、まだ自分で引っ張っていこうとするので「返してくれ」といったけど、「タクシーじゃないなら、シャトルバスか。シャトルバスならやすいからな」などと言って、バス乗り場まで連れて行こうとします。

バス乗り場でこの雲助にいちゃんとは別れたけど、どうもシャトルバス乗り場もあやしい雰囲気だったので、きょろきょろしてたら、やっと黄色いタクシーの乗り場を見つけました。乗ろうとしたらまた「このタクシーはブルックリン行きだぜ。マンハッタンには行かないよ」などと言って近づいてくる男がいる。

まったく、「油断もすきもあったもんじゃねーぜ」という感じです。

確認のため、とりあえず空港ビルに戻って、日本航空の案内デスクを見つけ、

「マンハッタン行きのタクシー乗り場はどこですか」と聞いたら、

「出口を出てすぐ左側の乗り場です。ぜったいに黄色いタクシー以外には乗らないでください」

といわれました。もう、乗っちゃったんだけどね。

で、なんとか黄色いタクシーに乗り込んだら、やっぱり45ドル均一料金でした。よかったよかった。ただし、有料道路の料金が入って49ドルです。チップを含めて57ドルあげたら運転手さんは喜んでた。

やっぱり、一人旅に、事前のリサーチはかかせませんね。均一料金のことを知ってたからよかった。あと、空港でぺらぺらとしゃべりかけてくるやつは絶対に相手にしないことですね。

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