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2006年10月 1日 (日)

小川信治

昨日、まったく予備知識無しに、立ち寄った国立国際美術館で、「小川信治展」を見ました。

古い絵はがきや、ピンナップや、有名な絵画(フェルメール、レオナルド、菱川師宣等)を改変し、不思議な世界を作り出す作風です。Chain Worldや「干渉世界」といったビデオ・インスタレーションには、ちょっとした感動を覚えました。

目の前で分解、合成、解体、融合されていく風景写真やピンナップ写真を見ていると、「時間」あるいは「記憶」の変容、改変といったことを感じさせます。フィリップ・K・ディックの小説世界を思い出させました(と言っても、実はディックの小説は読んでなくて、映画化されたものを想起したのですが)。例えば、「ブレード・ランナー」で、自分を人間と信じるレプリカントが古い写真を自分の子供時代のものと思いこむという設定。

あるいは、横田めぐみさんのピンナップとして北朝鮮から持ち帰られた写真。影の向きが回りの風景と逆向きで、誰から何らかの意図で作り出したニセの想い出であった訳です。

そんなことどもを想起しながら、時間の経過の中で、世界が揺らいでいく静かな不安を感じました。

(ちなみに、午前中の、しかもさほど有名でない作者の作品展ということで、「客よりも監視員の数の方がはるかに多い展覧会」というのを体験しました。これはこれで、何となく不気味な雰囲気でした。小川信治の作品を見るには、大変ふさわしい環境であったとは言えるでしょう)

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