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2006年12月31日 (日)

オケは金がかかる(2)

ここに書いた、オーケストラ活動の経済的な側面を、今度は団の立場から整理してみましょう。

下に書くことは、恐らく、ブラバンや軽音バンドなど、グループで音楽活動をする団体なら、ある程度共通の事項があるでしょう。また、アマチュア・オケでもプロ・オケでも、基本的な事項は同じです。

まず、支出面から。

場所代
まず、練習場です。オーケストラの場合は、広いホールが必須ですので、まずこれの恒常的な確保が必要条件となります。大学オケの場合は、大学内の設備で無料でまかないますが、社会人オケやプロ・オケではこの点が大変です。社会人オケをやっていた時、安くて便利な練習場を求めて、転々とさまよった経験があります。教会を借りて練習していたら、神父さんに「騒がしい」としかられたこともあります。全体練習のホール以外にも、パート練習の小さな部屋も随時必要です。この点もやはり、学校は便利です。プロ・オケの場合、公共機関や企業などに、無償または格安で練習場を提供してもらっているケースが多いのではないでしょうか。
それから、本番のためのホール代ですね。いいホールだと、午後から夜まで借りて、100万円以上取られることもあるのではないでしょうか。2,3十万円は当たり前でしょうね。
場所代として他には、楽器(コントラバス、ティンパニ・打楽器)、楽譜、譜面台等の備品の保管場所が必要です。常時練習に使うホールと一体となっていれば便利なのですが、学校以外でそういった恵まれた環境はそうないでしょう。

人件費・謝金
プロの場合は、団員の給与がいりますが、これだけ考えても大変なものですね。一人あたりの平均月給20万円として、団員100人で、一月2,000万円ですもんね。
アマの場合はもちろん給料は出ませんが、客演指揮者、全体トレーナー、パート・トレーナーを雇う費用が要ります。それから、本番に際して、サポートメンバーを雇う場合も多いです。

譜面・備品・借料
パート譜をしっかり買いそろえると、数も多いのでかなり高いです。学生オケの場合は、もっぱらコピーということになるでしょう。特に現代曲の場合はコピーに対する罰則がきついので、譜面一式、高いお金を払って買ったり借りたりすることになります。
コントラバス、ティンパニ・打楽器等は個人で買えないので、団で持つことになります(プロならコントラバスも個人持ちでしょうが)。あと、ピアノやハープ、ピッコロ、コールアングレ、コントラバスーンなどの特殊楽器も、必要に応じて借りたり(時に買ったり)することになるでしょう。買った楽器は、維持費もかかります。

交通費・運送費
団員の移動費は、アマの場合自腹が基本ですが、プロなら計上しないと行けませんね。地方や海外に旅行すると、人数も多いので膨大な費用になります。大型楽器・打楽器はトラック輸送になります(バンドの場合は、PAを運ぶ運賃が必要なのでしょうね)。

印刷費
本番に際して、プログラム、ポスター、チラシを印刷します。

宣伝・広告費
アマチュアは、お金を出してメディアに広告を打つことはめったにないと思いますが、プロはやはりこれが必要ですね。まあ、オーケストラが打つ、というより、興業屋の仕事になると思いますが。

以上が、支出面のあらましですが、収入面となると、チケット収入くらいしかない(あとは、プログラムに掲載する広告費)。アマ・オケの場合、チケット一枚、2000円として、1000人入るホールで完売して2,000,000円。これでぎりぎりトントンかなあ。公演の費用としては、結構苦しいと思います。しかも結局、チケット収入は団員のチケット・ノルマによってまかなわれるわけで、半分以上は団員が自腹を切るのです。その上で、日常活動のために、アマ・オケの場合は団員が団費を出し合って維持していくことになります。

外国のオケの公演の場合、高いチケットは数万円もざらですが、物価の高い日本では仕方がない、という気がしますね。利益も出さないといけないわけですから。

(あと、オーケストラごと雇われて営業、ということもたまにはあります。私も社会人オケ時代、アマチュアオペラ団に雇われて「椿姫」の演奏に加わったことがあります。)

こうして見ると、やっぱりオーケストラの運営というのは大変で、金持ちが集まってアマ・オケをするのはまだいいとして、プロ・オケを維持していくのは並大抵のことではない、と改めて思います。自治体、企業などの後押しがなければ、とても続かないと思います。大阪では、いくつかあるプロ・オケを統合する、という話が出ていますが、なんとかいい解決策を探り当てて欲しいです。兵庫県も、芸術文化センター付きのオーケストラを持っていますが、いつまで維持できるのか、心配です。

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