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2007年5月 6日 (日)

ハーバード日記

Harvard 来たぜ、マサチューセッツ、ということで、ハーバード滞在の1週間でした。

4月30日(月)
13:05発(12:55に変更されたが)のノースウェスト70便で、まず、デトロイトへ。乗り込んでびっくりしたのが、ビール、ワイン等のアルコール飲料が、5ドルの有料になっていたこと。あとで聞いたらユナイテッドもそうらしい。多分、日本航空はまだただで飲めるはずだが。映画は、まじめに見たのが「007 カジノロワイヤル」。まあ、くだらなかった。
 デトロイト空港で、入国審査を受ける。比較的スムーズ。乗り継ぎ便の出発まで2時間近くあったので、サンドイッチを食べ、うつらうつらしていた。思い出したが、デトロイト空港は、2003年にミシガン州立大学に行ったときにも経由で来たことがある。デトロイトからボストンまでは2時間ほど。ボストンの空港で少しまごついたが、Tラインのシルバーラインという線に乗り込む。Tというのはボストンの地下鉄の事で、ところがシルバーラインだけはまったくバスそのもの。バス停で乗り込むということが、しばらく分からなかった。ガイドブックには1ドル25セントと書いてあったのに、2ドルに値上がりしていた。サウス・ステーションでレッドラインに乗り換え(これはほんとの地下鉄)、Harvard 駅で下車。Harvard Square という場所に出、地図を便りにしばらく歩いて、19時ごろ、宿舎であるThe Inn at Harvard に到着。疲れた。432号室に入り、シャワーを浴びて一休み。なかなかの高級ホテルで、料金も少しお高め。夕食に出て、Harvard Square そばのメキシコ料理のファースト・フード店に入り、ブリトーを食す。ボリュームがあって満腹。帰って、コンピュータの接続状況を確かめ、メールチェックなどし、テレビを見る。電話がかかってきたが、Harvard 大の日本語の先生で、今回私を呼んで下さった、ヤコブセン先生だった。明日は空いているので、昼食でもいっしょに、というお申し出だったが、明日は一人で行動する旨お伝えする。3日の昼をごいっしょすることになった。

(写真は、Harvard Square から見るThe Inn at Harvard)
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5月1日(火)
早朝に目覚め、パソコンで、持ってきた仕事を少しずつ進める。8時過ぎ、腹が減ったので、ホテルの向かいのダンキンドーナツに入る。ボストンはダンキンドーナツ発祥の地だそうで、やたらと店舗が多い。コーヒーと、ベーグルのホットサンドを買って、ホテルに帰ったらちょうど掃除をしていたので、またダンキンドーナツに戻って、店の中で朝食。隣のテーブルでゲイのカップル(おじさんと若めの男)がいちゃついていた。
 Harvardの学内を歩いてみようと思い、Holyoke Centerという建物の中の大学インフォメーションセンターで、日本語のガイドマップを購入。Harvard Yard という古いキャンパスは、Oxford ほどではないが、歴史的な建物が多く、落ち着いた雰囲気で気持ちがいい。 お昼は、Holyoke Center 内の Au Bon Pain というパンとファースト・フードのお店で、エビのケイジャン風どんぶりを買い、ホテルで食べる。このAu Bon Pain もポピュラーな店で、あとでケンブリッジとボストンの至る所で見かけた。
 夕方、日本から来た研究者のI氏と合流。二人で、ダンキンドーナツの隣にあるパブで食事。明日の観光をごいっしょすることにしているので、その打ち合わせをする。

(写真は、Holyoke Center の前。Au Bon Pein が見える。)
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5月2日(水)
夜中に結構雨が降っていた。朝になると、小やみになったが、まだぱらついていて、外は寒そう。
 朝8時半頃、I氏とホテルを出て、Au Bon Pain で朝食。T に乗って、Park Street で下車、Boston Common という公園を出発点に、Freedom Trail という観光コースを歩き始める。時折雨がぱらつき、傘を買うべきか、心配する。
 この Freedom Trail は、公道に赤い線(ペンキやレンガなど)が引いてあって、その線通りに回るようになっている。アメリカ独立前夜から独立宣言前後までの、アメリカ人にとっては心躍るエピソードに登場する人物や場所が次々と現れる。が、アメリカ史に暗いものにとっては、今ひとつぴんと来ない。ひたすら、知らないアメリカの町をハイキングして回るという気分。途中の Faneuil Hall Market Place というところは、賑やかなショッピングモールのはずだが、平日の朝の10時過ぎでは人通りも少なく、寂しい限り。やがてノースエンドのイタリア人街を通り抜け、チャールズタウン橋を渡り、コンスティテューション号という軍艦を見て、クライマックスのバンカーヒル記念塔へと登っていく。記念塔はてっぺんまで階段で登れるのだが、その元気はもうなかった。

(写真は、コンスティテューション号)
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 チャールズタウン橋を歩いて戻り、途中で右に折れてノースステーションの駅から T に乗って、Arlinton 駅へ。Legal Seafood という有名な店で、クラムチャウダーを食べるため。歩き疲れて、暑かったこともあって、ビールを頼んでしまった。チャウダーはとてもとてもおいしくて、もっと食べたかった。いっしょに頼んだカラマリのフライ(つまり、イカリングフライ)は、味付けが少し濃かった。
 食後、再び T に乗って Museum 駅へ。駅前にボストン美術館があるのだが、水曜日の4時以降は任意の寄付だけで入れるということで、時間稼ぎに、まず近くにあるイザベラ・スチュアート・ガードナー美術館に入った。富豪の未亡人の私邸を用いた個人美術館だが、中庭がとても美しく、天国的。展示はあまり系統だっているわけではなく、ほんとに私邸の中を巡っている感じ。
 どうしても時間がもたなくて、4時前だったが、ボストン美術館に入った。一応全てのコーナーを踏破したのだが、時差と歩き疲れとビールのため、途中で猛烈な睡魔に襲われ、歩いていて膝が崩れる思いがした。何を見たのか、よく分からない状態だった。そんな中でも、日本コーナーが思ったほどでなかったという印象は残った。
 くたくたになってホテルに戻り、食事に出るのもおっくうだったが、なんとか Harvard Square まで出て、少し迷って中華レストランに入った。実は、同僚の A 先生に「ハーバードの近くの中華はまずい」と聞いていて、ためらわれたのだが、何かお腹に優しいものを入れたくて、敢えて入った。近辺には「香港」という店と「燕京」という店と2軒あって、前者は本当に薄汚くて客もまばらだったのに対し、後者はそこそこ客が入っていることを確認していたので、「燕京」を選んだ。海鮮湯麺と特製炒飯を食べたが、やはり感心はしなかったものの、そこそこ食べられた。あとで地元の人に聞いたら、やっぱり「香港」はひどいらしい。

5月3日(木)
 午前中、仕事をして、12時ホテルのロビーでヤコブセン先生とI氏と合流。まずキャンパスの中を案内して下さったあと、Faculty Club でランチをいただいた。とても立派で風格のある建物で、さすがハーバードという感じ。昼は、ビュッフェ形式の食事になっていた。
 食後、Edward O. Reischauer Institute まで連れて行ってもらい、まずコンピュータの接続を確認した。事務面でサポートして下さっている、Institute の職員の Stacie Matsumoto さんともお会いした。会場は、演習室と講義室の中間くらいの広さで、中央のテーブルを囲むようにレイアウトされていた。

(写真は、Edward O. Reischauer Institute)
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 一旦ホテルに戻り、3時半に再び Institute に来て、事務手続きをしたあと、4時過ぎに、講演を行った。今日は、Harvard と近辺の日本語教師が中心の会で、30人くらい集まっただろうか。その中には、久野すすむ(日偏に章)先生もいらっしゃった。2004年に神戸の学会でお会いしていらいだが、お元気そうだった。ハーバード大に長くお勤めで、今は完全にリタイアされているという。
 講演は、日本語で、「おる」の歴史について話した。時間配分を間違えて少し長くしゃべってしまい、聴衆には辛かったかと思う。
 終わったあと、何人かの方と個人的にお話ししたが、そのお一人は、伊藤さんといい、ずっと以前に神戸YMCA で日本語教師養成講座が始まったときの一期生で、私の講義も受けたことがあるという方だった。その後、寺村先生の研究生としてO大にもいたらしく、日本語教師としてアメリカで職を得、ご結婚もされて現在にいたっているという。YMCA のころ、私も含めてクラスでカラオケに行ったことなど、懐かしくお話しした。他に、2001年に Santa Barbara でLSA の Summer Institute の講師をしたときお会いした、山下喜久子さんという先生もいらっしゃった。
 懇親会は、近くのお寿司屋さんで寿司弁当をいただく。十数人ほどの会だったが、日本語教師なので、女性が多く、また若い方も多かった。お弁当は例によってアメリカサイズで、最後の方は少しもてあました。
 解散後、ホテルまで徒歩で帰った。というより、ほとんどホテルの隣のようなところだったことを、その時知った。Harvard Square と反対方向だったので、気付かなかったのだ。その近辺にはレストランやマーケットが何軒も集まっていた。

5月4日(金)
午前中はボストンに買い物に。Copley Place というショッピングモールで、家族に頼まれたものを購入。あと、時間があったので、再びボストン美術館へ。一昨日買ったチケットが、6日間有効なのだ。今度は、西洋美術を中心に鑑賞。モネの「日本娘 (La Japonaise)」が大変よかった。昼食は再び Copley に戻り、Turner Fisheries of Boston という店で、チャウダーの定食をいただく。ボストン一おいしいという評判らしいが、確かに結構なお味だった。Legal Seafood よりも、クラムの味わいが生かされているようだった。
 ホテルに戻り、休憩後、3時半にまた Reischauer Institute へ向かう。今日の講演は、役割語についてで、英語の発表。聴衆は、語学に限らず、広く日本について関心のある人向け。昨日よりは聴衆は少なめだが、若い人が多めで、確かに質問も語学に限らず広く文化的・政治的な議論が出てきた。原稿は、2005年に Oxford で使ったものの流用であり、ディスカッションはヤコブセン先生に通訳をお願いした。結構笑いも起こり、和やかな講演になった。
 夜は、昨日昼を食べた Faculty Club でディナーをいただいた。どうも夕食時は、やはり時差の関係でお腹が張って食欲がなくなるので、食べるのを少なめにし、お酒もほどほどにしておいた。今日も久野先生がいらっしゃっていて、お話の中で、そのグルメぶり、健啖ぶりに驚かされた。このエネルギーが研究にも生かされているのだと思った。あと、お名前を失念したが、とても上品な年配の女性がいらっしゃった。やはり日本語教師をやっていらっしゃったようだが、今は所属がないとのこと。柔らかいお話ぶりに引き込まれた。伊藤さんも、昨日に引き続き、参加されていた。

(写真は、Faculty Club の玄関に飾ってあるお花)
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5月5日(土)
I氏が早朝に帰国。メールやブログをいじったあと、ハーバード大の中にある、アーサー・M・サックラー美術館、フォッグ美術館、ブッシュ・ライジンガー美術館を見た。どれも大変充実していたが、特にフォッグでは、モネ、マネ、ピカソ、ドガ、ゴーギャンなど、豪華な作品がこれでもかと展示されていて、圧倒された。大学の持ち物でこんなすごいものが所蔵されていたとは思わなかった。この美術館は建物も素敵で、中は回廊に囲まれた吹き抜けになっており、ピアノがあって、学生のような人がショパンを弾いていた。

(写真は、フォッグ美術館の内部)
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 昼前には、ボストンに出て、ニューイングランド水族館に行った。昨日のディナーの話題にもなっていて、とてもいいから是非行けと言われていた。設計をした人が海遊館と同じということで、確かに中央の巨大水槽を巡って上り下りする構造がそっくりだった。展示に工夫があって、とても楽しめた。
水族館のムービーをどうぞ。「MOV03867.MPG」をダウンロード

(写真は、水族館の一こま)
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 ハーバードに戻り、こんどは大学の中の博物館めぐりをした。9ドルで、考古学博物館、植物学博物館、比較動物学博物館、鉱物学と地質学博物館が全部回れるようになっている。ここでも、展示の質と量に圧倒された。植物学博物館では、ガラス細工による植物標本のコレクションが展示されていて、その精巧さには本当に驚かされた。

(ガラス細工のウツボカズラ)
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 夜、ヤコブセン先生に迎えに来てもらって、メモリアルホールの中のサンダースシアターで、学生オーケストラの公演を聞いた。ヤコブセン先生は、教え子の一人が出演するということで、最近行く気になったらしく、たまたま昨日の夜、ディナーの中で話題になったので、私もつれていってもらうことにしたのだ。Harvard-Radcliffe Orchestra というオケで、マーラーの「復活」シンフォニーをやっていた。建物がとにかくすばらしく、演奏もなかなかのもので、とてもよかった。ハーバードで過ごす最後の夜が、印象的なものになってよかったと思った。

(劇場の内部)
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5月6日(日)
帰国。8時半頃、ホテルを出る。Tラインをレッド、シルバーと乗り継いで、ローガン空港のEターミナルに到着、チェックイン。今はEチケットなので、機械にパスポートを通すだけ。すこぶる簡単。デトロイト空港での乗り継ぎもスムーズ。ここの空港は、英語の表示の下に必ず日本語が書いてある。日本人の企業人が多く来るのだろうと思うが、今のご時世では、恐らく中国語・韓国語が書かれるところだろう。複雑な気持ち。
 デトロイト~関空便では、「ラブソングができるまで」を見た。ドリュー・バリモアとヒュー・グラントのラブコメディ。吹き替えも字幕も無かったが、筋は大体分かった。英語が堪能だからではない。余りにも単純だから。ヒュー・グラントはイヤミのないおっさんだが、ドリュー・バリモアはちょっとあざとくて好きになれない。もう一つ、「ナイト・ミュージアム」も見た。ばかばかしい話ながら、少しほろっとなった。父子ものには弱いのだ。そういう意味では、「宇宙戦争」も同じ構造でしたね。
 さて、夕方6時頃、関空まで来て、なんと故障機のため、滑走路が閉鎖と告げられた。急遽伊丹空港に着陸、そのまま降ろしてくれるのかと思ったらやはりそうはいかず、燃料補給中、機中で待機。関空がオープンしたと知らされると、伊丹を飛び立って関空にやっと着陸。3時間近く遅れて帰宅。やれやれ。

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コメント

ごぶさたしております。(このハンドルネームでお分かりいただけますか?)
卒業式でばったりお会いして以来です。

ボストンのあちこちで美術鑑賞されていて、羨ましいです!
アメリカの大学は立派な博物館や美術館を持っているんですね。びっくりしました。

失礼ながら、5月1日の日記、「ドーナツが発症?」と想像して、面白い誤字にちょっと笑ってしまいました。

投稿: NK | 2007年5月 9日 (水) 14時18分

NKさま、コメントありがとうございます。社会人としてご活躍のことと思います。
アメリカの大学といっても、やはりハーバードは特別だろうと思います。うらやましいですけどね。
「発症」なおしました。笑っていただいて、よかったですけど。

投稿: SKinsui | 2007年5月 9日 (水) 20時59分

オオツキです。調査ではたいへんお世話になりました。
昨年ボストンにいた時の写真を以下に置いています。

http://www.flickr.com/photos/mootsuki/sets/72157594186830856/

相当枚数があり、子供中心ですが、お時間おありの際にでもご覧下さい。

投稿: オオツキ | 2007年6月 4日 (月) 17時40分

オオツキさま、ありがとうございます。
めちゃくちゃかわいいお子さんですね!
同じ風景を共有できて、うれしく思います。

投稿: SKinsui | 2007年6月 4日 (月) 21時54分

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