(この文章は、日本文学・国語学・比較文学研究室旅行のしおりのために寄稿したものです)
私の書いた、大阪大学文学部卒業式での式辞がネット上で話題になっているようだ。人生上でも滅多にないことなので(悪いことでニュースになったり炎上したりするのはすごく簡単)、ことの顛末を備忘のために書いておく(内容の評価や是非については触れない)。
卒業式は2017年3月22日に行われた。卒業式の式辞を読むのは生まれて初めてだったが、あらかじめ大体のシナリオを組み立てておいて、一気呵成に書いた。卒業式で読み上げたときは特別な反応は感じなかったが、まあまあ上手に書けたかなと思ったので、ブログ(http://skinsui.cocolog-nifty.com/)に原稿を上げ、Facebookでもお友達に向けてリンクを張った。何人かの方に褒めていただき、また批判もいただいた。
で、何事もなく日々は過ぎていき、とつぜん2017年7月20日ごろに、数人の方から、「卒業式の祝辞のことがツイッターで話題になってますね」と教えられた。あれっと思って、リンク先を見てみたら、「はるまみん」さん(@alice_eemw)という方のツイートで、式辞のテキストの画像とともに「昨年度の阪大文学部卒業セレモニーで文学部長の金水敏さんが読んだ式辞、人文学類を出た身としてはとても響くものがあるので幾度となく読んでしまう。」(2017年7月17日 午後8:08)という文章がアップされており、リツイートが4千件くらいだったか、そして「いいね」が1.4万件と出ていて驚いた(はるまみんさんは知ってる人なんだかどうだか、心当たりがない)。同日、朝日新聞の若松さんという方から電話があり、この件について文学部長の思いを聞かせてほしいと取材の申し込みがあった。大阪までは来られないので、メールで質問を送るから答えてほしいと言われ、同日のうちにメールが届き、その夜回答を書いてから、一晩寝かして翌日ちょっと修正して送り返した。withnewsという朝日のネットニュースに7月24日に「文学部って何の役に立つの? 阪大学部長の式辞が話題に「本領を発揮するのは、人生の岐路に立ったとき」」という見出しで掲載されたのだが、それがYahooニュースに再録されたために、大勢の人の目に触れることとなったようだ。そこからは、職場の知人、友人、親戚等々から「見ました」というメッセージがいくつも届いた。妻や子どもたちのもとにも何件か「見たよ」メールがあったらしい。「先生、バズってますね」と言われて、初めて「バズる」という動詞を知った。
さて、この間の出来事を、ブログ(Niftyココログ)のアクセス記録で確かめてみよう。ブログは2,3ヶ月に1回くらいのペースでしか更新しないので、普段のアクセスは一日多くて10〜20程度のページ・ビューで、0の日だって珍しくない。それが、式辞をアップした3月22日には228件、翌日には379件のビューがあった。その後なぜか、3月29日に1,528件のビューがあり(原因は謎)、その後一旦収束する。はるまみんさんがツイートをした7月17日からページ・ビューが再び増加し、7月20日には1,317件でピークとなった。そしてYahooニュースに公開された7月24日には、ページ・ビューが一気に10,098件に跳ね上がるである。Yahooニュース恐るべし。(グラフは、3月から7月のブログのアクセス・ログ)
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