文化・芸術

2016年9月 1日 (木)

Dean's Night (第2回)ゲストは吉森保さん!

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Dean's Nightとは、私、金水敏が今お話を伺いたい方をお招きして、トークとディスカッションで楽しい時間を過ごそうという企画です。第2回のゲストは、 “オートファジー”の研究で注目される世界トップクラスの研究者にして、“ラバーダック”の収集家であり、“ハシキョー”(走る教授会)のメンバーとして、世界各地を駆け回る、吉森保さんです。

トーク&ディスカッションのあとは、ゲストを囲んで軽食・飲み物を楽しむ時間も用意しています(トークのみの参加は無料、ビバレッジタイムは参加費を申し受けます)。

 

Dean's Night (第2回)
日時:2016年10月7日(金)
場所:大阪大学大学院文学研究科・大会議室
下記リンク先のアクセスマップ 4番の建物、2階北側です。
タイムテーブル:
  17:15〜18:45(予定) トーク&ディスカッション(無料)
  18:45〜20:00(予定) ビバレッジタイム
  (ソフトドリンク、ビール、ワイン、サンドイッチ、ピザ等の飲み物と軽食を準備します。実費1,000円程度申し受けます。差し入れ歓迎)
参加資格:学生、教員、職員、学内外を問わず、どなたでも参加できます(要予約)
参加申し込み方法:下記サイトからお申し込み下さい(締め切り:2016年9月30日)

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2016年7月24日 (日)

Dean's Night始めました

URAメールマガジン原稿 2016年7月号
                          金水 敏
              大阪大学大学院文学研究科・教授
Toward the Dean's Night
 2016年4月から2年間の任期で文学研究科長に就任しましたが、昨今の大学(特に人文系)を取り巻く環境の悪化の中で、執務と言えば基本、おもしろくないことばかりの連続と言えます。何かおもしろい、楽しいことがしたい、そういう心の叫びからDean’s Nightは発想されました。
 文学研究科長室は結構広くて、私の知る限り研究科の中で一番調度が高級できれいな部屋で、ここで酒盛りをすると結構いい感じになる、と常々思っていたので、まず夏休み前に研究科長室に来たい人を集めてDean’s Barをやってみよう、と考えたのですが、ただ酒を飲むだけでは大学らしさがない、せっかくならゲストに話をしてもらおうと思い、しかし魅力あるゲストを呼んだら研究科長室では狭すぎる、じゃあ会議室で、そうするとbarというのはしっくりこないから、Dean’s Nightにしよう! と考えが進んで、構想が固まった訳です。
 では、ゲストはどうするか? 真っ先にピンときたのが、理学研究科の橋本幸士さんでした。さる食事会でお知り合いになり、著書の『超ひも理論をパパに習ってみた』を拝読し、またfacebookを通じて魅力あるご活動を知るにつけ、第1回ゲストは橋本さんしかいない、と感じました。文学研究科ではふだん聞けない話を聞きたい、という思いもありましたし、橋本さんが最近やっていらっしゃる「多次元小説」の試みも文学研究科の人たちにアピールするのではないか、と思ったのです。さっそく橋本さんに伺ってみたところ、二つ返事でご了解を得ることができました。
 プログラムが固まったところで準備にかかりました。橋本さんはありがたいことにギャラ不要、とおっしゃって下さったので、トークは参加費無料、そのあとの飲食タイムに参加する人だけ1000円いただく、と決めて、チラシ、ブログ、ツイッター、facebookで広報し、googleフォームで応募を受け付けました。最終的に40名ほどの応募があり(文学研究科内外の大学院生、教員、職員、学外の知人の他、阪大出身のプロの作家の方や、上方舞のお師匠さんなど多彩な顔ぶれが集まりました)、飲み物・食べ物の準備も終えて、当日を迎えました。
Dean's Night Open!
 橋本さんは定番の「そりうし」Tシャツ(牛が反り返っているイラストが描いてあって、反り牛=素粒子のしゃれになっている)、短パン、サンダルというスタイルで文学研究科に現れました。これが理論物理学者の正装とのことです。橋本さんのご専門は、言うまでもなく理論物理学の最先端を行くご研究です。橋本さんによると、同じ事をやっている研究者は世界に1000人ほどいて、ジャイアントパンダとだいたい同じくらいだそうです。ガチでお話しされると文系人間には手も足も出ませんが、橋本さんは軽妙な語り口で、時折ユーモアを交えながら、というよりユーモア8割学問2割くらいのお話をされ、聴衆をたちまち魅了してしまいました。「多次元可視化プロジェクト」の一環としての多次元小節の話題をまずされて、そのヴァリエーションである「多次元俳句(多次元川柳)」を参加者にその場で作ってもらうという趣向も披露されました。後半では、理論物理学者の研究スタイル、素粒子の種類のこと、素粒子を「ひも」と考えることのメリット、光と重力についての新しい仮説など、最先端の研究動向を分かりやすく聞かせて下さいました。
 トークのあとは、私の方から感想を述べさせていただき(人間・橋本幸士の本質、なぜ物理学者は尊敬されるか、数式という“言語”について、など)、フロアとのやりとりも活発に行われました。特に「はごろもチョーク」の倒産については、その後のマル秘情報なども教えていただいて有意義でした。
 さらに飲食タイムでは、差し入れ・持ち込みも含めてふんだんなワインが飲み干され、90分があっという間に過ぎ去りました。「理学研究科と文学研究科でこんな本格的な研究交流があったのは、おそらく初めてではなかったか」との評価もいただきました。理学研究科の寺田健太郎さん、URAのクリスチャン・ベーリンさんなど、何人かの方にはこの場で初めてお目にかかれました。お時間のある方はその後研究科長室にお移りいただき、本件の出発点Dean’s Bar開店と相成りました。私手作りの「居酒屋ジオラマ」も公開されて話に花が咲き、これも気がつくと閉店時間になっていました(用途不明の研究科長室のダウンライトが初めて役に立ちました)。ご参加のみなさまの楽しそうにしておられるお顔を見て、満足度の高いイベントとなったかと拝察、主催者として胸をなで下ろしました。
Dean's Night, and beyond
 実は、第3回目まで日程とゲストが確定しています。
2016年10月7日 吉森保さん(大阪大学大学院生命機能研究科教授)
2017年1月20日 山村若静紀さん(上方舞・山村流師範)
 いずれも、ご専門を極めながら、同時にとてもお話がお上手な方々です。若静紀さんには山村流上方舞の実演もお願いします。さらにその2回先まで、ゲストと交渉が出来ています。私も一層のエフォート率を捧げて準備に努めたいと思います。大学ってこんなに楽しいところ、おもしろいことが出来るところ、ということを、全力で伝えていきたいと思っています。ご関心をもたれましたらぜひご参加下さい
(今後の予定は、私のブログ S. Kinsui’s Blogで公開していく予定です。http://skinsui.cocolog-nifty.com)。
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2016年7月23日 (土)

Dean's Night 第2回、第3回予告

Dean's Night 第1回は無事、7月22日に終了しました。

さっそく、第2回、第3回の予告です。
詳細は後日このサイトでお知らせします。
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2016年6月12日 (日)

Dean's Night (第1回)

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Dean's Nightとは、私、金水敏が今お話を伺いたい方をお招きして、トークとディスカッションで楽しい時間を過ごそうという企画です。

今回は、大阪大学大学院理学研究科・教授で、『超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義』(講談社)の著者である橋本幸士さんをお招きします。
橋本さんは、日本を代表する理論物理(素粒子論)のスペシャリストであるとともに、「次元」を小説の形で可視化するなど、文理の枠を越えた意欲的な活動にも取り組まれています。
トーク&ディスカッションのあとは、ゲストを囲んで軽食・飲み物を楽しむ時間も用意しています(トークのみの参加は無料、ビバレッジタイムは参加費を申し受けます)。
Dean's Night (第1回)
日時:2016年7月22日(金)
場所:大阪大学大学院文学研究科・大会議室
   (大阪大学豊中キャンパス・文法経済学本館2階。
    下記アクセスマップ4番の建物。)
タイムテーブル:
  17:00〜18:30(予定) トーク&ディスカッション(無料)
  18:30〜20:00(予定) ビバレッジタイム
  (ソフトドリンク、ビール、ワイン、サンドイッチ、ピザ等の飲み物と軽食を準備します。実費1,000円程度申し受けます。差し入れ歓迎)
参加資格:学生、教員、職員、学内外を問わず、どなたでも参加できます(要予約)
参加申し込み方法:下記サイトからお申し込み下さい(締め切り:2016年7月15日)

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2010年8月10日 (火)

俳句ったー、和歌ったー

twitter が何かと話題になっております。私も最近初めて、軽い中毒気味です。

さて、twitter は記事1件140文字以内なので、俳句や和歌など短詩形式の発表の場にもなるわけですが、どうせなら、俳句や和歌に特化したシステムを作ってみたいものです。俳句、和歌のツイッターなので、「俳句ったー」「和歌ったー」と名付けましょう。

私の考える「俳句った-」はこんなんです。単に入力・公開するだけでなく、まず字数チェックをしてくれます。字数チェックのために、発表用の漢字仮名交じりの入力のほかに、仮名文字による読みの入力もしてもらいます。たとえば、こんな感じ。

古池やかはず飛び込む水の音

ふるいけや かわずとびこむ みずのおと

投稿者は両方の行を入力しますが、公開されるのは、上の行だけ。

次にシステムは、内蔵されている歳時記を引いて、季語のチェックをしてくれます。基本は、当季(今の季節)のものを投稿するのが基本。季節違いの場合は、指摘してくれます。もちろん、無季語や季重なりも教えてくれます。それでも投稿は出来ますが、公開時に「無季」「季重なり」など表示されます。「字余り」「字足らず」も表示されます。

あと、俳句に添える短文も別に入力できたらいいですね。140字以内としておきましょう。

すごいのはここからです。システムは、古今の俳句のデータベースも持っています。入力した段階で、データベースと照合し、「同一句」「類似句」が表示されます。同一句については投稿が拒否されます。類似句のある場合は、公開された句に「類似句あり」と表示され、クリックするとその句が出てきます。入力・公開された句は、直ちにデータベースに追加されます。

表示は、横書きと縦書きが選べるようになっています。横書きは本家ツイッターと似てますが、縦書きはなかなかユニークな画面になると思います。

むずかしいのは、作品の評価で、玉石混淆、というより、石ばっかりになってしまうかもしれませんが、本家ツイッターのように followee, follower の数が公表され、またリツイートもできるようにしておけば、自然と人気句、人気投稿者がはっきりしてくると思います。ぜひ、実力派俳人にも参加していただきたいものです。データベースや類似句チェックがきっちりできたら、有名俳人や愛好家にも利用されるようになるのではないでしょうか。

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2010年3月15日 (月)

社会とアートのあり方

同僚の方がコーディネータをしているので宣伝します。

3月24日(水)に、哲学者の鷲田清一氏とアーティストやなぎみわ氏を迎え、関 西 芸術会議vol.3シンポジウム「社会とアートのあり方」を開催致します。
既存の枠組みを超えて私たちに疑問や驚きを与え、新たな世界観への視界を開け さ せる「社会の中でのアート」がテーマです。

皆様、お誘いあわせの上、お運び下さいませ。

■ 日時 : 3月24日(水) 18:30~20:00 (開場 18:00)
■ 開場 : 大阪市中央公会堂 (大阪市北区中之島1-1-27)
■ 出演 : 鷲田清一氏(哲学者/大阪大学総長)、やなぎみわ氏(美術作 家)
 <コーディネーター:木ノ下智恵子(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター特任講 師)>
■ 主催 : 関西広域機構 関西元気文化圏推進協議会
■ 定員 : 150名(申込順/入場無料)※申込締切=3月18日(木)必着
■ お申込み、お問い合わせ先 :
  関西広域機構 文化振興部 (関西元気文化圏推進協議会事務局)
  TEL. 06-4803-5577 FAX. 06-4803-5574
  E-mail : art@ kansai.gr.jp 
  お申込み方法等詳細はこちら(http://www.kansai.gr.jp/ku/)をご覧くだ さい。

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2010年3月13日 (土)

ロボット演劇

私のエッセーを含む下記図書が出版されました。とても綺麗な写真満載の、ビジュアルムックです。平田オリザさんのシナリオ、平田さんと石黒浩さんの対談、エッセーなど多彩な内容を含んでいます。

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大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(編)(2010)『ロボット演劇』大阪大学出版会

私のエッセーを途中まで(けち!)貼り付けます。全部お読みになりたいかた、ぜひ本書をご購入ください(けち!)

「ええ、まぁ」の言語学―タケオと桃子は二つの"フェイス"の夢を見るか―

金水 敏

 私は「働く私」を見ていて、ロボットが口にした「ええ、まぁ……」という台詞を聞いた時、衝撃を受け、背筋に戦慄が走った。

*祐治、CDをセットしてスイッチを押す。
  「ロボコップ」のテーマが流れる。
郁恵  えぇ?
祐治  どう?
・・・
祐治  (ロボットBに)どう?
ロボB はぁ、
祐治  これ、元気でんじゃない?
ロボB えぇ、まぁ、
       (心なしか、リズムに合わせて、身体をかすかに回しはじめる)

 祐治は、働く気力を失ったロボットA(タケオ)を鼓舞しようとして「ロボコップ」のテーマを聞かせることを、ロボットB(桃子)に提案してみるのだが、ロボットBはその行為の有効性に確信が持てず、その上で、否定的反応によって祐治を傷つけることをおもんぱかり、その結果あえて発した返答がこの「ええ、まぁ」だったのである(この場所以外に、ロボットBは「まぁ、どうでしょう?」「はい・・・まぁ」というせりふを話し、いずれも、似たニュアンスで用いられている)。
 なぜ、私はこのせりふに衝撃を受けたのだろうか。それは、「ええ、まぁ」が、私にとって最も"ロボットらしくない"せりふであるように感じられたからであり、そしてそのことこそが平田さん(平田オリザ氏は私の勤務先の同僚なので、こう呼ばせていただきます)がこのロボット演劇に仕掛けた"わな"なのだろうと感じとった。
 私たちが想像するロボットの会話と言えば、だいたい次のようなものである(平板な、機械的音声を思い浮かべてください)。

  「はい、分かりました」
  「今お持ちします。しばらくお待ちください」
  「計算できません」
  「その単語は、私の知識にありません」

 すなわち、必要最小限の内容を直接的に伝える、よく言えば"効率的"な、悪く言えば"無味乾燥"な受け答えである。むろん、本当にロボットと会話した人はほとんどいなかったはずで、これはSF映画などに登場する、架空のステレオタイプなロボットのせりふである。こうしたSF作品の制作者は、どうせロボットには"人間的"なやりとりなど高度すぎて出来ない(と観客が思う)だろうと見積もった上で、むしろその愚直さ、たどたどしさを楽しむ"トリックスター"的なキャラクターとしてロボットを利用するのが通例であった。いわば、はやりの言葉で言えば、いささかKY(空気読めない)な道化師的存在としてロボットは扱われてきた。そのようなロボットに対する思い込みを、平田さんは冒頭から外しにかかった。そのことを最も象徴的に表したせりふが「ええ、まぁ」だったのである。
 ここで、問題の核心に迫るために、ロボットの会話と「ええ、まぁ」の機能について、語用論 (pragmatics) という一種の意味論の立場から考えてみたい。意味論学者のグライス(H. P. Grice)は、すべての会話の参加者は次のような協調の原理(cooperative principle)に従わなければならないと仮定した(Grice 1975)。

(以下略)

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2009年10月22日 (木)

緊急リンク

リンクのリンクで失礼します。

とても寂しい、情けないこの国の文化行政。

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2009年8月29日 (土)

水都大阪2009記念国際シンポジウム

水都大阪2009を記念して、国際シンポジウムが9月22日(火・祝)、大阪中之島・リーガロイヤルホテルで行われます。

世界的に著名な研究者・アーティストが出演します。私も、コーディネータの一人として出ます。

参加費1000円、事前登録が必要です。締め切りは9月5日です。22日、空いていたらぜひお越しください。

詳しくはこちらのサイトをどうぞ。

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2009年5月 6日 (水)

カフェ・アオキ in 大阪

青木文化庁長官が主催する、トークイベントです。文楽の人形遣いの桐竹勘十郎さんが実演します。私も紹介役で登場する予定です。

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青木保文化庁長官と文化人によるトークサロン『カフェ・アオキ』を、このたび、大阪大学コミュニケーションデザイン・センターが実施する『ラボカフェ』とのコラボレーションにより、京阪電車なにわ橋駅「アートエリアB1(ビーワン)」で開催します。
 
大阪大学総長の鷲田清一さんと、文楽人形遣いの桐竹勘十郎さんをお招きして、「都市と文化」をメインテーマに鼎談を行います。
 
また、鼎談の中では、桐竹勘十郎さんによる文楽人形のデモンストレーションが行われます。

◆ ゲスト:鷲田 清一さん(大阪大学総長)
       桐竹 勘十郎さん(文楽人形遣い)
  司  会:青木 保(文化庁長官)
  総合司会:金水 敏さん(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター長)

◆ 日時:平成21年6月4日(木)18:30~20:00(開場18:00)

場所:アートエリアB1(ビーワン)
京阪電車中之島線「なにわ橋駅」地下1階コンコース

◆ 入場:無料 

◆ 主催:文化庁、「中之島コミュニケーションカフェ」プロジェクトチーム
  共 催:大阪大学21世紀懐徳堂、国立文楽劇場
  企画制作:大阪大学コミュニケーションデザイン・センター
  制作協力:NPO recip

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