ビル萌え
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私のエッセーを含む下記図書が出版されました。とても綺麗な写真満載の、ビジュアルムックです。平田オリザさんのシナリオ、平田さんと石黒浩さんの対談、エッセーなど多彩な内容を含んでいます。
大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(編)(2010)『ロボット演劇』大阪大学出版会
私のエッセーを途中まで(けち!)貼り付けます。全部お読みになりたいかた、ぜひ本書をご購入ください(けち!)
「ええ、まぁ」の言語学―タケオと桃子は二つの"フェイス"の夢を見るか―
金水 敏
私は「働く私」を見ていて、ロボットが口にした「ええ、まぁ……」という台詞を聞いた時、衝撃を受け、背筋に戦慄が走った。
*祐治、CDをセットしてスイッチを押す。
「ロボコップ」のテーマが流れる。
郁恵 えぇ?
祐治 どう?
・・・
祐治 (ロボットBに)どう?
ロボB はぁ、
祐治 これ、元気でんじゃない?
ロボB えぇ、まぁ、
(心なしか、リズムに合わせて、身体をかすかに回しはじめる)祐治は、働く気力を失ったロボットA(タケオ)を鼓舞しようとして「ロボコップ」のテーマを聞かせることを、ロボットB(桃子)に提案してみるのだが、ロボットBはその行為の有効性に確信が持てず、その上で、否定的反応によって祐治を傷つけることをおもんぱかり、その結果あえて発した返答がこの「ええ、まぁ」だったのである(この場所以外に、ロボットBは「まぁ、どうでしょう?」「はい・・・まぁ」というせりふを話し、いずれも、似たニュアンスで用いられている)。
なぜ、私はこのせりふに衝撃を受けたのだろうか。それは、「ええ、まぁ」が、私にとって最も"ロボットらしくない"せりふであるように感じられたからであり、そしてそのことこそが平田さん(平田オリザ氏は私の勤務先の同僚なので、こう呼ばせていただきます)がこのロボット演劇に仕掛けた"わな"なのだろうと感じとった。
私たちが想像するロボットの会話と言えば、だいたい次のようなものである(平板な、機械的音声を思い浮かべてください)。「はい、分かりました」
「今お持ちします。しばらくお待ちください」
「計算できません」
「その単語は、私の知識にありません」すなわち、必要最小限の内容を直接的に伝える、よく言えば"効率的"な、悪く言えば"無味乾燥"な受け答えである。むろん、本当にロボットと会話した人はほとんどいなかったはずで、これはSF映画などに登場する、架空のステレオタイプなロボットのせりふである。こうしたSF作品の制作者は、どうせロボットには"人間的"なやりとりなど高度すぎて出来ない(と観客が思う)だろうと見積もった上で、むしろその愚直さ、たどたどしさを楽しむ"トリックスター"的なキャラクターとしてロボットを利用するのが通例であった。いわば、はやりの言葉で言えば、いささかKY(空気読めない)な道化師的存在としてロボットは扱われてきた。そのようなロボットに対する思い込みを、平田さんは冒頭から外しにかかった。そのことを最も象徴的に表したせりふが「ええ、まぁ」だったのである。
ここで、問題の核心に迫るために、ロボットの会話と「ええ、まぁ」の機能について、語用論 (pragmatics) という一種の意味論の立場から考えてみたい。意味論学者のグライス(H. P. Grice)は、すべての会話の参加者は次のような協調の原理(cooperative principle)に従わなければならないと仮定した(Grice 1975)。(以下略)
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ここで書いた「電子譜面」のアイディアを、かつて私が所属していた大学オーケストラ木管メンバー(通称、木管精神注入会)のメーリングリストに投げたところ、下記のようなご意見をいただきました。ご本人の名誉のため、完全匿名で収録させていただきます
まず、オーボエ奏者その1。
貴アイデア笑覧しました。
S(本人)も、この種の装置と、半永久的寿命を持つ(オーボエ)リードの新素材については、何とかならんもんかと、しばしば妄想に耽って参りました。
もちろん「電子譜面」というのも有機EL辺りでいけそうな気がするんですが、音センサ+楽譜表示の透過式ヘッドマウントディスプレイ(眼鏡)で、リアルタイム音程表示や指揮リズム表示も可能な、総合演奏インターフェースというのも、できるんじゃないかと思うんですよ。戦闘機操縦席やアメフの作戦指示システムの要素技術をかき集めて摺り合わせれば、日本のものづくり技術ならできる!
MさんとKさんが組んで、SがK産省から開発補助金をだまし取ってきて、A山さんが不正融資してくれて、M岡さんが太鼓判を押してくれれば可能かも...ね。SKinsuiさん企画監修してください。会社がいくつか倒産しそうですが。
つぎに、オーボエ奏者その2。
政治家が演説のときに使うプロンプタがありますよね。あれを仮想的に実現する研究というのが行われています。いろいろな会社がやっていますが、IBMの基礎研究所では、ゴーグル型をさらに軽量化して、眼鏡のフレームに装着するぐらいにまでに小さくなっています。この装置で、物理的なスクリーンなしに、ホログラムのような感じで仮想映像を結ぶわけでして、モバイル環境におけるマン=マシンインターフェイスとして期待されています。こんなのが実用化すれば、満員電車の中でも、電子ブックを楽勝で読めるようになるでしょう。
電子譜面は、一般的・汎用的なデバイスの応用イメージで、割合と時間をかけずに実現するような気がします。スマートフォン2.0ぐらいのタイミングです。そのときには、もう譜面台なんていらなくなるのではないでしょうか。実現すれば、老眼問題は解決ですね。
続いて、ファゴット奏者。
ゴーグル型の電子譜面、オケ全員で利用すると「マトリックス」みたいでちょっと怖いですが、あながち夢物語ではなさそうですね。
ソフト面で言うと落っこちた時に演奏箇所を指示してくれる機能とか数えるのがめんどくさい長い休止をカウントダウンしてくれる機能とかほしいですね。長い休止の時には、退屈しないようにエッチな動画が流れるといったオプションつき。それができるなら、ブルックナーの場合などには演奏中にもエロ動画などを流してもらいたいものです。さらに「トリスタン」や「サロメ」の時には、士気(痴気)や演奏効果を高めるために全篇、全員にエロ動画が配信……、くだらなくてすみません。
こうなると指揮者も指揮台に立つのではなく、コントロールパネルの前に陣取ってそこからいろいろな指示を出すという形になりましょうか。各演奏者の演奏内容も逐一チェックできて、間違えたりサボっているのがわかったら電気ショックを与えるとか、罰金を翌月の給金から差っ引くとか。演奏者の方も指揮者に対する欲求不満度などが自動的に感知されてその集計結果で指揮者の首が飛んだり。こうなるとほとんどバトルですね。
……重ね重ね、くだらなくてすみません。
最後に、フルート奏者。
「電子楽譜」は、PDF譜面のダウンロードサービスが商売になっている米国で、しかもアマゾンのKindleとアップルのiPodで電子ブックが普及し、Googleが世界中の図書館を書籍の電子化に誘っているのに、まだ無いみたいなのは不思議ですね。多分、読書人口に較べ「読譜人口」が相当小さいとういう商業的理由でしょうね。技術的には、貴兄のMIDIと連動させたりするアイデア含め、全く問題なく(端末が厚くなったりもせず)直ぐにも出来るはずですから。
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こんなものがあったらいいな、というアイディアです。
演奏家にとって、従来の紙の譜面は十分実用的で完成されているのですが、たくさんになってくると、やはり持ち運びや保管に問題が出てきます。一人で演奏するときは、譜めくりの問題もあります。そこで、演奏のために特化したコンピュータ式の譜面を作ってしまおう、というアイディアです。オーケストラでフルートを吹いていた経験を思い出しながら考えました。
仕様は、現在の技術で十分可能なことばかりだと思っていますが、問題は価格でしょう。ある程度売れて、安くならないとだめですね。1万円と2万円の間が限度でしょうか。
以前、ヤマハのデザイナーさんとお話しする機会があって、この話を少ししてみたら、すでに開発途上であるとのことでした。しかし同じものになるかどうかは分からないので、とにかく思いつきを書いてみます。
まず大きさですが、A4サイズノートブックと同じサイズで、大画面液晶タッチパネルを2面持っています。つまり、両方合わせるとA3サイズになります。180度広げて、譜面台に乗っけます。折りたたむとA4サイズになるので、カバンに入れて持ち歩けます。キーボードがなくて液晶画面が2面あるノートブックパソコンのイメージです。
譜面ファイルは、PDFが便利だと思います。ハードディスク内蔵で、何千曲でも保存可能です。専用サイトからダウンロードできるし、紙の譜面を別売スキャナーでスキャンして取り込むことも可能です。USB端子が付いていて、ファイルのやりとりができます。
一番の肝は、「譜めくり機能」ですね。タッチパネルで手でめくることができ、また無線リモコン、またフットペダルで操作することもできます。演奏会で譜めくりの人がやるように、「見せめくり」と言いますか、めくりが近くなってくると、次のページの頭を折り返してちらっと見せておいて、さっとめくる、という機能も付いています。また、単に横スクロールで移動していく機能もあります。
(ピアノを一人で弾いているときは、両手右足を使っているので、左足で譜めくりをコントロールすることになりますね。パイプオルガンを弾いているときは、両手両足がふさがっているので、口でコントロールするしかないでしょうか)
「書き込み機能」もあります。タッチペンでフルカラーで自由に手書き文字が書き込めます。もちろん、書き込んだ文字を消すことも自由です。
画面の拡大・縮小、一覧表示、ページジャンプ、しおり機能、ファイル検索も自由です。これらの操作はタッチペンか、または指で行います。
基本仕様は以上ですが、あったらいいな、というおまけ機能を書いておきます。
まず、「プロジェクション機能」。USBを介してプロジェクタやテレビにつなぎ、画面を大勢に見せることができます。オーケストラでの指示(弦楽器の弓のアップダウン、ニュアンスの指示など)や、音楽学の講義等に便利でしょう。
あと、「メトロノーム機能」、「チューナー機能」、「録音再生機能」が内蔵されていたら、練習にはとても重宝しますね。
ただ、あんまり機能を増やして重く、厚くなったらもとも子もないところですが。
midi 端子を付けて、midi楽器との間で譜面の打ち込み・再生機能(シーケンサー機能)もつけてはどうか、と考えましたが、ここまでやると別物になってくるので、取り敢えずこれは採用しないことにします。
(ところで、よく考えてみると、このマシンは譜面だけじゃなくて普通のテキストを入れて、本として読むこともできるんですよね。要は、電子ブックの音楽版です)
さて、この電子譜面、あったらあなたは買いますか? だれか、作ってくれませんか?
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ナカバヤシの兵庫工場を見学しました。
製本工場ですが、新刊本製本ではなく、雑誌・定期刊行物の合冊製本をする工場で、全国大学・公共機関で、圧倒的シェアを誇る大工場です。それが、のどかな山間に忽然とあります。
高度なテクノロジーと、工員さんの熟練の技が光り輝いていて、改めて「日本ってすごいなあ」と思いました。
日頃、図書館や研究室で慣れ親しんでいる雑誌の出来る過程に、こんなすごい技術が注入されていたなんて、びっくり、感激でした。
(なお、この工場では、和本の修復も行っています。それも面白かったです)
で、内容とまったく関係ないのですが、「ナカバヤシ」を折り込んだ回文です。
「男(をとこ)ナカバヤシや!」「馬鹿なことを……」
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最近、S社の大型液晶テレビを買った人と話すことがありました。仮に、Qさんとしておきましょう。
優秀な製品としてよく知られたテレビで、Qさんも満足しているのですが、ただ一つ、液晶テレビの特徴として、動くものの画像がぼやけることに不満を持っていたそうです。
この問題について、改良を加えたP社の液晶テレビのCMが、今盛んに流れています。某女優がブランコに乗っている映像を、従来品と、新製品の液晶テレビとで比べて見せて、いかにP社製品の映像がきれいであるかをアピールしています。これです。
Qさんは、このP社のCMを自宅のS社のテレビで見て、その映像の美しさに感心し、「こんど買うなら、P社の製品にしようかな」と思ったそうです。
この話を伺って、私は、「あれ?何かおかしいな……」と感じました。さて、私は、何がおかしいと感じたのでしょう?
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それが何であるかを意識させず(見えない)、しかも「いつでも、どこでも、だれでも」が恩恵を受けることができるインタフェース、環境、技術(Wikipediaより)
とかけて、何と解く?
しくじったや○ざのおとしまえ
と解く。その心は
ユビキタス(指切ったす!)
※ちょっと、グロかったか?
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2004年に日産「ティアナ」を買って乗っていますが、車に
音声コマンド・システム
が付いていることに、今日気が付きました。
ハンドルの左手の握り位置に、ボタンがあって、それを押すとナビ画面が変わり、
「音声コマンドをどうぞ」
と車がしゃべります。それで、「ポン」という信号音のあと、
テレビ!
とか
CD!
とか叫ぶと、テレビやCDプレーヤーのスイッチが入る、という仕組みです。
声が小さかったり、早かったり遅かったり、認識に失敗すると、やり直しさせられます。
最初、標準語アクセントでやってみましたが、大阪弁でも大丈夫かな、と思って
テレビ
とか
シーディー
とか(赤字の部分を高く読む)言ってみましたが、ちゃんと認識しました。
あと、いろいろな方言でやってみたいところですが、運転中に遊んでいると危ないので、ほどほどにしました。
でもこれって、便利なんでしょうかね?? 有効に使っている人、いるんでしょうか……
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