『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書(5)』がリポジトリで公開されました
『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書(5)』が大阪大学リポジトリ「OUKA」で公開されました。
下記URLから無料でダウンロード出来ます。
https://doi.org/10.18910/86387
(DOIが有効になるまでに時間がかかります。サイトが開かない場合は、下記アドレスからお願いします。
)
『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書(5)』が大阪大学リポジトリ「OUKA」で公開されました。
下記URLから無料でダウンロード出来ます。
https://doi.org/10.18910/86387
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昨年度までと同様に、本年度中に『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書(5)』の刊行を計画しております。つきましては、掲載に相応しい原稿をお持ちの方にご寄稿のお願いを申し上げます。
内容といたしましては、「村上春樹作品の各国語における翻訳の分析」をテーマとするものが望ましいですが、このテーマに資する範囲で、次のような内容のものでもかまいません。
・役割語やキャラクターの言語的表現を中心に、翻訳研究や日本語と外国語との対照研究
・外国語における役割語やキャラクターの言語的表現の実態研究
・村上春樹作品の翻訳に資すると思われる、作品の言語学/言語論的分析
該当するテーマをお持ちの方は、とりあえず金水までご連絡をいただけましたら幸いです。状況に応じて、現在お持ちの原稿や要旨等をご提出願うことがあります。また内容によっては、掲載をお断りすることもあることをあらかじめお含み置きください。
なお、ご論文はすでに雑誌や図書に収録済みのものでかまいませんが、再録の許諾は学会や版元等にご自身で交渉して得ていただきますようお願いいたします。またオリジナル原稿ももちろん歓迎いたしますが、将来、査読付き雑誌等に投稿をお考えの場合は、個々の投稿の要件に差し障りがないかどうか、あらかじめご検討くださいますようお願いいたします(報告書に掲載した後の削除・差し替え等のご依頼には応じかねます)。
また、ご原稿は原則として完全版下提出で、Microsoft Wordの指定の書式に整えてご送付を願っております。
大まかなスケジュールとしては以下のようになります。
2022年1月中旬まで 編集者(金水)と内容について打ち合わせ
2022年2月中旬まで 完成原稿の送付
2022年3月中旬 報告書刊行
なお、過去の報告書は下記、大阪大学リポジトリ「OUKA」に登録されており、自由にダウンロードできます。第5巻も同様の形式で公開する予定です(ご寄稿者で冊子体をご希望の方は、お一人3冊程度までお送りすることができます)。
『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書(1)』
https://doi.org/10.18910/68235
『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書(2)』
https://doi.org/10.18910/71875
『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書(3)』
https://doi.org/10.18910/73835
『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書(4)』
以上、ふるってご寄稿を賜りますようお願い申し上げます。
※なお、この報告書の刊行は次の科学研究費補助金によって行うものです。
「役割語・キャラクター言語の翻訳可能性・翻訳手法についての研究研究代表者継続中」(研究代表者:金水 敏、研究期間 (年度):2019 – 2021、研究種目:基盤研究(C))
金水 敏
大阪大学大学院文学研究科
朴美賢さんの翻訳により、韓国語版『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』が刊行されました。
下記の要領で役割語研究会を行います。どなたでも参加できます。参加ご希望の方は、下記フォームより必要な情報を入力して、送信してください。しめ切りは9月15日(水)です。後日、ミーティング情報をお送りします。
参加フォーム:https://forms.gle/vpxwf1tBfJkV2Fwc6
役割語研究会
2021年9月25日(土)13:00〜18:00(日本時間)
オンライン (Zoom)
(休憩)15:50-16:10
金水(印刷中)では、フィクションの登場人物(インディビジュアル)を《人格》と《キャラクター》の組み合わせとして分析することを提案している。《キャラクター》は記述可能、転移可能な属性のセットであり、《人格》は唯一性を与えられた「心」「精神」「魂」「霊魂」等に相当する概念である。肉体という《キャラクター》から《人格》が独立して物語世界に影響をおよぼす出来事を“霊的事象”と呼ぶことにする。霊的事象が物語にとって重要な構成要素となることを、ジブリアニメや村上春樹の小説作品等から例を挙げて説明する。
キャラ助詞とは、キャラ語尾(金水2003)の下位分類の一つであり、「自分の繰り出したいキャラクタを体現する助詞」(定延2005)である。人物像しか表さない言語形式である(金田2008)。しかし、(1)と(2)のように、キャラ助詞と認定できる「~メポ」は、統語的機能を果たしている。
メップル:あ~、ちょっと…ちょっと待つメポ。(『ふたりはプリキュア』:9話)
(1)の「待つメポ」は、「待って(ください)」に相当し、依頼のモダリティの機能を果たしている。(2)の「メポ」は、断定助動詞「だ」に相当するキャラコピュラ(定延2007)の用法と考えられる。つまり、発話の場面によって「メポ」は統語的機能も果たしている。このように、本発表は、「ふたりはプリキュア」に登場する「メップル」の使う「~メポ」を例に、前接要素の観察および統語的機能の判断により、キャラ助詞の出現位置および機能について再検討を行う。結論として、「~メポ」の出現位置が多様性を呈しており、出現位置によって機能の多様性が現れることを示す。
本研究では,マーガレット・ミッチェルの1936年の小説『風と共に去りぬ』の1938年、2015年、2015-2016年に出版された3つの邦訳における方言などの特徴的な言語形式の使用について考察する。Hiramoto(2009)や熊谷(2015)による先行研究では、これらの翻訳が黒人奴隷の登場人物が話す African American Vernacular English に基づく eye dialect を日本語で表現する際に、日本の東北地方の方言に由来する様々な言語的特徴を採用していることを指摘し、その翻訳手法が現実の東北方言話者に対する否定的な社会的認識を引き出しさらに強めていると主張している。本研究では、テキストの比較分析と定量的な認識調査の二つのアプローチにより、そのスピーチスタイルはむしろ「役割言語」という enregistered form (Agha 2003, 2005) として見なされるべきであると主張する。つまり、それはフィクションに特有の発話変種であり、読者の大多数の目には現実の方言話者という歴史的な起源とは無縁で、キャラクターの典型的特徴を特定するという役割を果たしているのである。
不老不死の吸血鬼の一族に加えられた少年を主人公とした萩尾望都氏によるマンガ『ポーの一族』シリーズ は、1972〜1976年に発表された15作品をもって一旦完結したが、2016年に再開され、2021年現在も再開後3作目が連載中である。当初の15作品では1744〜1976年の、再開後3作品では1888〜2016年の出来事が断片的に描かれている上、作品発表が非時系列順であるため、一連の「物語の時間」と発表に関わる「社会的時間」の両面で複雑な構造である。
現実的な人間社会に生きる不老不死の人物の話し方は、時代と外見に相応しいものだろうか、あるいは「実年齢」を反映したものだろうか。また、日本語フィクション作品の男性主人公の自称詞の主流は「ぼく」から「おれ」へと推移してきているが、不老不死の主人公の台詞には、発表時期や設定年代の違いを反映した差異が認められるだろうか。
本発表では、『ポーの一族』シリーズの主人公および一族の長老3名を取り上げ、その言葉遣いを発表時期別・設定年代別に分析し、彼らの役割とキャラクターを考察する。主人公はやや古風な上流の少年らしい言葉遣いの標準語を話すが、長老らは老人語ではなく性別や役割を反映した役割語を話し、どちらにも時期別・年代別の言葉遣いの差異は特に見られない。今後は本研究を同シリーズの多数の登場人物に広げ、キャラクターの類似性と時間構造の観点から考察を深め、役割語的特徴への英訳版における対応の検証にも発展させたい。
/r/という音素が歯茎弾き音や顫動音[r](いわゆる「巻舌」)を含む複数の異音で実現される現象は言語の違いを超えて共通してみられる特徴である。日本語では巻舌は一般的な日常発話音声にはほとんど現れないにもかかわらず、現在の演劇や吹き替えの世界ではやくざやチンピラなどの悪役の男性登場人物を表すのに用いられる特徴であり、役割語の音声的側面の一例としてとらえることができる。本発表では、現在見られる巻舌と悪役の結びつきがどのように発生し、変遷してきたのかを、巻舌を用いる人物のタイプの変遷を整理することにより考察する。発表では、1930年代後半以降の映画およびテレビドラマが本格的に普及した1960年代以降のテレビドラマを対象に調査を行った結果を報告する。
下記の要領で役割語研究会を実施します。
日時:2021年9月25日(土)午前10時〜午後18時(日本時間) ※発表者の数によって開始時間は変わる可能性がありますが、終了時間は変わりません。
方法:オンライン(zoomによる)
ついては、発表者を募集します。最大4名程度、一人につき質疑も含めて50分程度の発表となります。発表を希望される方は、下記の事項をお書きの上、金水までお送りください。
応募者数や内容によっては、ご希望に添えない場合もあることをあらかじめご承知おきください。
みなさまのご応募をお待ちします。
『日本語学』に論文が掲載されました。特集「ポップカルチャーの日本語」の巻頭論文です。
金水 敏 (2021)「ポピュラーカルチャーのことば」『日本語学』40-1: 4-13
こちらから試し読み等できます。
『宣伝会議』にエッセーが掲載されました。
金水 敏 (2021) 「役割語で読み解くCMキャラクター「第1回 薬師丸ひろ子の博士役が画期的な理由」」『宣伝会議』No. 954: 175.
昨年度までと同様に、本年度中に『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書(4)』の刊行を計画しております。つきましては、掲載に相応しい原稿をお持ちの方にご寄稿のお願いを申し上げます。
内容といたしましては、「村上春樹作品の各国語における翻訳の分析」をテーマとするものが望ましいですが、このテーマに資する範囲で、次のような内容のものでもかまいません。
該当するテーマをお持ちの方は、とりあえず金水までご連絡をいただけましたら幸いです。状況に応じて、現在お持ちの原稿や要旨等をご提出願うことがあります。また内容によっては、掲載をお断りすることもあることをあらかじめお含み置きください。
なお、ご論文はすでに雑誌や図書に収録済みのものでかまいませんが、再録の許諾は学会や版元等にご自身で交渉して得ていただきますようお願いいたします。またオリジナル原稿ももちろん歓迎いたしますが、将来、査読付き雑誌等に投稿をお考えの場合は、個々の投稿の要件に差し障りがないかどうか、あらかじめご検討くださいますようお願いいたします(報告書に掲載した後の削除・差し替え等のご依頼には応じかねます)。
また、ご原稿は原則として完全版下提出で、Microsoft Wordの指定の書式に整えてご送付を願っております。
大まかなスケジュールとしては以下のようになります。
2020年12月中 編集者(金水)と内容について打ち合わせ
2021年1月末日まで 完成原稿の送付
2021年2月末日 報告書刊行
なお、過去の報告書は下記、大阪大学リポジトリ「OUKA」に登録されており、自由にダウンロードできます。第4巻も同様の形式で公開する予定です(ご寄稿者で冊子体をご希望の方は、お一人3冊程度までお送りすることができます)。
『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書(1)』
https://doi.org/10.18910/68235
『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書(2)』
https://doi.org/10.18910/71875
『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書(3)』
https://doi.org/10.18910/73835
以上、ふるってご寄稿を賜りますようお願い申し上げます。
※なお、この報告書の刊行は次の科学研究費補助金によって行うものです。
「役割語・キャラクター言語の翻訳可能性・翻訳手法についての研究研究代表者継続中」(研究代表者:金水 敏、研究期間 (年度):2019 – 2021、研究種目:基盤研究(C))
金水 敏
大阪大学大学院文学研究科
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