広東外語外貿大学
広東外語外貿大学・日本語科講師の池田貴子さんが、教室で役割語のクイズをしてみてくださり、その結果をご報告してくださいました。拙著の最初のところに出てくる、次のような選択問題です。
- そうよ、あたしが知ってるわ( )
- そうじゃ、わしが知っておる( )
- そや、わてが知っとるでえ( )
- そうじゃ、拙者が存じておる( )
- そうですわよ、わたくしが存じておりますわ( )
- そうだよ、ぼくが知ってるのさ( )
- んだ、おら知ってるだ( )
お武家様、老博士、女の子、田舎者、男の子、お嬢様、関西人
上の話し方に当てはまる人格を、下のリストから選んで当てはめなさい、というものです。なお、拙著にはもう一つ「そうあるよ、わたしが知ってるあるよ」(ニセ中国人)というのがあるのですが、中国本土でこれを入れると、説明が難しいし、意図を誤解されるかもしれないということではずしたとのことです(事前に私が少しアドバイスしました)。
クイズに挑んだのは、同大学2年生85人で、日本語『会話授業」最終クラスにおいて実施されたとのことです。
全問正解は19人(約22%)、2箇所だけ入れ間違えたのは30人(約35%)とのことです。このうち、「老博士」と「お武家様」を入れ間違えた人が12人とのことで、たしかに「拙者」を知っているかどうかにかかっている点で、この間違いは無理もないかなと思います。
あと、3~5問正解というのが42人、なぜか1問のみ不正解が1人、1問のみ正解2人、全問不正解2人となっています。
全体に、男女の違いに関しては誤りが少なく、あとは古い、新しい、丁寧、乱暴等の印象で答えた人が多いようです。
正解率の高い学生は、普段から優秀な学生さんが多いようですが、日本のドラマ、アニメ、テレビ、ゲーム等に親しんでいることが正答につながっているらしいとの見方もできるようです。また関西弁については、「関ジャニ∞」を通じて正解した人もいるそうです。
さらに詳しい分析を池田さんにお願いしていますので、そのうちご報告いただけるものと思います。
« 読売「新 日本語の現場」 | トップページ | 女性のことば »
とり上げていただき、ありがとうございました。本来は私のほうからご報告すべきでしたのに、お手数をお掛けしてすみませんでした。
今回、一応はパイロット調査をした上で本調査(クイズ)に当ったつもりだったのですが、やってみるとやはりまだまだ不備があり、これではきちんとしたデータとしては使えないのではないかと思いました。頂いたご指摘に基づいて、再度調査をしてみたいと思っているところです。
そのためにも、もう一度、今回の調査方法と得られたものに関する反省等をまとめなおしておきたいと思います。OHよろしくお願い致します。
投稿: 池田貴子 | 2006年8月22日 (火) 00:21