賛美歌
前田均さんから、明治時代の「宣教師語」を示すような資料を教えていただきました。金田一春彦・安西愛子(編)(1982)『日本の唱歌(下) 学生歌・軍歌・宗教家篇』(講談社文庫、ISBN:4061313703)の342-343頁にある「主われを愛す」という賛美歌(聖歌)です。現行の歌詞は次のようなものです。(原文とメロディーはここを参照)
主われを愛す 主は強ければ
われ弱くとも 恐れはあらじ
わが主エス わが主エス
わが主エス われを愛す
解説部分を引用します。
明治版では第四百十八番、現行の『賛美歌』では第四百六十一番にあがっている。『聖歌』では第六百五十五番。この歌はもと、明治七年アメリカ人のクロスビー女史が日本語の歌詞をつけたものがあって、日本人が最初に歌った賛美歌であるという。ここに掲げたのは今歌われる歌詞である。
クロスビー女史が付けた歌詞はエス、ワレヲ愛シマス サウ聖書申シマス
彼レニ子供中 信ズレバ属ス
ハイ、エス愛ス ハイ、エス愛ス
ハイ、エス愛ス サウ聖書申スといったものだったという。「子供中」とはわからない言葉であるがこう書いてある。
この、クロスビー女史の歌詞は、アリマス系のピジン日本語に類するものであることがわかります。
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