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2006年9月17日 (日)

私ということ

埼玉県の高校教員の、福田公明さんという方から、下記のような資料を送っていただきました。

埼玉県高等学校国語科教育研究会「音声言語指導事例集(第2集)」編集委員会 (編)(1999) 『高等学校国語科指導資料「音声言語指導事例集」第2集―言語の教育の場としての国語教室の活性化をめざして―』埼玉県高等学校国語科教育研究会.

福田さんの教案「22 私ということ 自分を何とよんでいますか」(pp. 276-277)には、一人称代名詞の反省を通じて、自己と社会とのつながりについて考察するきっかけを与えようという狙いがあるかと思います。次のような例が挙げられていました。

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【授業の展開】
1. 「みんなは、自分のことを何て言っていますか?」と生徒に問いかける。
 (身近なことから、言葉の問題を引きだし、問いかけたい。自分を何というかは、最も身近な問題である。身近な問題から言葉の本質に迫りたい。)

2. 次の文章を、生徒に示す。(模造紙に書いた文章を示す。)
[例1]
 先日、TV番組を見ていたら、吉田拓郎がこんなことを言っていた。

「新聞で(A)のことが出ているのを読むと、いつでも(B)はと書いてあるんだけど、(C)は自分のことを(D)と言ったことがないんだ。マスコミはそう思いこんでいるのかな?」

3. 「ABCDには、何が入りますか。どうして、そう考えましたか?」
 (TVでは、ACは僕、BDはおれと言っていた。)

[例2]
先日TV番組を見ていたら巨人の清原選手がこんなことを言っていた。

「(E)は自分のことを(F)とよんでいるのに、マスコミは(G)と書く。VTRで確認してもらえばわかる。どうして(H)はと書かれるのかな?」

4.  「EFGHには、何が入りますか。どうして、そう考えましたか?」
 (TVでは、EFは僕、GHはわしと言っていた。)

5. 生徒の意見を、黒板にまとめる。吉田拓郎と清原は、どんなイメージを持たれているのかを考える。言葉と人間のイメージが密接な関係にあることを理解させる。

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ここおよびここここをご参照下さい。

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