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2007年12月29日 (土)

月刊言語「日本語のスタイル」

月刊『言語』2008年1月号 (Vol. 37, No. 1)  ISSN: 0287-1696
 
特集名:  日本語のスタイル――その表現力と創造性 
 
定価:  980 円 (A5判・128頁) 

特集内容:
日本語には方言や若者言葉、敬語といった多様性が見られるが、一人の人が用いる日本語の中でも様々なスタイルが使い分けられ、特に自己表現やコミュニケーションなどの対人戦略において効果を発揮している。それぞれのスタイルは言語構造にどのように現われているのか、またその使い分けが担う機能とは何か。その実態に光を当て、明示的に分析することから、言語の本質に迫る新たな研究領野が拓かれる。 

主要目次:

スタイルの使い分けとコミュニケーション(渋谷勝己) pp. 18-25

一人の人が使い分けるさまざまな日本語のスタイルは、コミュニケーションや自己表現において大きな役割を果たしている。スタイルの形式と機能、その切り換えの実態を整理し、言語現象としての本質に迫る。

依頼と謝罪における働きかけのスタイル(熊谷智子) pp. 26-33

日本人はすぐ謝るとよく言われる。これは理論的には自分を不利な立場に置くが、実は一種の対人行動スタイルとして機能している。外国人との対照もふまえて、日本人のコミュニケーション特性を浮かび上がらせる。

新聞にみる話しことばの変遷(土屋礼子) pp. 34-39

明治期以降、新聞は知識人から庶民へと読者層を拡大していく努力の中で、記事に口語体を取り入れるようになった。マスメディアにおける言文一致の経緯をたどり、そこで試みられたさまざまな文体を紹介する。

ケータイ/ウェブの表現スタイル(松田美佐) pp. 40-45

ケータイ・メールやウェブでやり取りされている見慣れない日本語の実態とは? 入力方法の特性ややり取りの作法、受け手との関係性といった条件の下でカスタマイズされていく新しい表現スタイルの背景を探る。

関西若年層にみる東京語の使用(高木千恵) pp. 46-51

現代の若者の方言使用においては、二次元的なコード切り換えにとどまらず、より複雑な構造と繊細な機微に通じたスタイル切り換えが見られる。そのリアルな使用状況を捉えることから、方言研究の新たな可能性が見出せる。

コミュニケーション・文法とキャラクタの関わり(金田純平・澤田浩子・定延利之) pp. 52-59

話し手の心内に潜むキャラクタは、みなそれぞれの得意技を持っており、話し手はその得意技に応じて、発話キャラクタを発動する。コミュニケーションと文法の両面に顔をのぞかせるキャラクタたちの実態を観察する。

音声による人物像の表現と知覚(勅使河原三保子) pp. 60-65

我々の話し声の音声的特徴は聞き手に様々な印象を与えるが、その印象は必ずしも話し手の特徴と一致しない。話し手と印象の対応を扱った研究を通して、音声スタイルが日常生活やアニメ作品で果たす役割を考察する。

汗と涙のシンデレラ――サクセス・ストーリーの語り方(山口治彦) pp. 66-71

体験談のような「物語」にも、定型的な語り方のスタイルが存在する。その「型」は、どのように立ち現れ、どのような効果を上げるのか。成功物語を例に、語り手と聞き手が共同するスタイル生成の実態を探る。

2007年12月27日 (木)

ゲス、ゴス、ガス

来嶋靖生編『岩本素白随筆集―東海道品川宿』(ウェッジ文庫)について紹介されている、「黌門客」さんの記事をご紹介しておきます。

公開セミナー

大阪大学・豊中キャンパスで、下記のような公開セミナーを行います。参加自由です。

公開セミナーのお知らせ
役割語/日本語の性差をテーマとする、公開セミナーを行います。文学部の学生が発表しますが、自由に討議に参加していただけます。事前登録は不要です。
200819日(水)午後1440分~1610
  川淵 彩子  Jポップにおけることばの性差について
   藪根 知美  「オネエ言葉」についての考察
2008130日(水)午後1440分~1610
  森田理紗子 平成の口語短歌における男女言葉
  三好 敏子  『動物のお医者さん』におけることばの表現について
場所はいずれも、文法経講義棟・文12教室です。
※この公開セミナーは、文学部・国語学演習「作品における男女のことばの表現 」(担当:金水 敏)の一環としておこなうものです。
お問い合わせ:金水 敏(kinsui at let dot osaka-u dot ac dot jp)

2007年12月26日 (水)

外国人なまりの日本語

「外国人なまりの日本語」キャラクターの例を、西田隆政氏がお教え下さいました。

片言日本語の外国人の登場するアニメが2本あります。
ともに、現在深夜に放映中です。

げんしけん2

http://www.genshiken.info/

スケッチブック~full color's~

http://www.sketch-full.net/

前者は中央大学のキャンパスがモデルです。後者は福岡大宰府高校がモデルで、博多弁のキャラも一人
登場します。

2007年12月 2日 (日)

日本語「音声言語」の教育と基礎資料

こちらで紹介した科研費に基づくシンポジウムのお知らせです。

国際シンポジウム『日本語「音声言語」の教育と基礎資料』

概要
「日本語・英語・中国語の対照に基づく、日本語の音声言語の教育に役立つ基礎資料の作成」と「人物像に応じた音声文法」の2つの研究プロジェクトをつなぐ形で、日本語教育・国語教育・日本語学・音声科学・コミュニケーション論・言語学など、さまざまな領域が重なり合う学際的なシンポジウムを開催いたします。誘い合わせの上ご参加下さいますよう、初冬の神戸で、一同お待ち申し上げております。

日時
2007年12月9日(日) 9:55~17:00

場所
神戸大学百年記念館
(〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1 電話078-803-5294)

アクセス:阪急「六甲駅」またはJR「六甲道駅」で下車。そこからタクシーなら約10分で660円。バスなら神戸市バス36系統「鶴甲団地」行に乗って「神大文理農学部前」で下車。徒歩なら阪急「六甲駅」より約20分。

人物像に応じた音声文法

定延利之さん(神戸大学国際文化学部教授)が代表をしておられる、科研費のサイトです。

日本人はどんなキャラでしゃべっているの?

―共同研究「人物像に応じた音声文法」―

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