抵抗の快楽―ポピュラーカルチャーの記号論
こちらも『差別と向き合うマンガたち』でご紹介のあったものです。
ジョン・フィスク[Fiske, John](著)
山本雄二(訳)
『抵抗の快楽―ポピュラーカルチャーの記号論』
[原書名:READING THE POPULAR]
世界思想社、1998年
ISBN:9784790707189 (4790707180)
【目次】
第1章 ポピュラーカルチャーとは何か
第2章 快楽のショッピング
第3章 ビーチの記号論
第4章 テレビゲームの快楽
第5a章 マドンナ
第5b章 ロックとロマンス
第6章 いつものクイズ・いつもの暮らし
第7章 ニュース、歴史学、反乱するデキゴト
第8章 ポピュラーニュース
第9章 魅惑のタワー
【本文より】
テレビゲームはつねに社会に対する抵抗へと誘惑するが、逆説的ながら、その抵抗は社会への同調の記号と併存している。それはたんに店の注意書き―裸の人、身なりの悪い人お断り―に表れているだけでなく、ゲーム自体の表層構造にも表れている。テレビゲームで可能な抵抗は、たいていは社会的にも容認できる物語のなかでの抵抗である。つまり、ヒーローはいつでも宇宙人の侵攻から社会を守り、幽霊やモンスターの襲撃から人びとを守り、あるいはまた、キツネからニワトリを守りさえする。(中略―引用者)
記号内容が社会的中心性を保っていることは、たとえだれもその記号内容を真に受けるわけではないとしても、重要なポイントである。われわれはロナルド・レーガンやマーガレット・サッチャーが上空から撃たれるテレビゲームというものを知らないし、また、たとえ漫画的なキャラクターであっても傲慢な資本家や暴漢教師は出てこない。さらに、警官が悪漢として登場し、消されたり、こてんぱんにやっつけられたりするテレビゲームも見たことがない。(第4章、145-146頁)
« 相貌心理学序説―顔立ちと性格 | トップページ | ハマータウンの野郎ども »
「社会・政治」カテゴリの記事
- 「キング」の時代(2013.08.23)
- 日本2・0(2012.08.06)
- Neoliberalism and Applied Linguistics(2012.07.30)
- 『恋愛の社会学』・『美容整形と化粧の社会学』(2010.08.16)
- 交錯するアート・メディア(2010.08.10)
「ポップカルチャー・サブカルチャー」カテゴリの記事
- 日本2・0(2012.08.06)
- リアルのゆくえ―おたく/オタクはどう生きるか(2012.05.14)
- 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会(2012.05.14)
- 手塚治虫のオキナワ(2010.07.27)
- 「少女」文化の友(2010.07.06)
コメント