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2009年8月31日 (月)

「女ことば」は作られる

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中村桃子(2007)『「女ことば」はつくられる』ひつじ書房 

ISBN9784894763524

*目次*

 はじめに

 序章 「女ことば」に対する二つのアプローチ

 1 本質主義・進化論的アプローチ

 2 本質主義・進化論的アプローチの問題点

 3 構築主義・イデオロギー的アプローチ

第一部 規範の対象としての女の言葉づかい

 一章 「女の話し方」イデオロギーの創生

 1 鎌倉・室町時代の女訓書

 2 江戸時代の女訓書

 3 「女の話し方」イデオロギー―管理・支配されるべき女と言語の関係

 二章 「女房詞」の規範化―「女の話し方」に回収される女の創造的な言語行為

 1 女房詞を示す言説

 2 女房詞に対する批判

 3 高い地位を表象する女房詞―メディアが与えた価値

 4 男が使う女房詞

 5 男は女房詞を使うなという言説

 6 規範となった女房詞―辞書・女訓書

第二部 ジェンダーと「国語」―明治の国民国家成立と「女ことば」

 三章 「男の国語」の創生

 1 言文一致論争が問題にしなかった言葉の性差

 2 「男子の標準語」の創生―「国語」にはジェンダーがあった

 四章 「女の話し方」イデオロギーの完成

 1 江戸時代の教訓を増幅する女訓書

 2 女訓書において「女の話し方」イデオロギーを維持するために使われた論拠

 3 修身教科書において「女の話し方」イデオロギーを維持するために使われた論拠

 五章 「女学生ことば」の構築―セクシュアリティに回収される女の創造的な言語行為

 1 服装に見る「女子学生」から「女学生」への変遷

 2 性別化―「書生言葉」の否定

 3 選択―「てよ・だわ言葉」と西洋語を選んだ言文一致小説

 4 否定―〈軽薄さ〉との結び付き

 5 セクシュアリティー化―「てよ・だわ言葉」から「女学生ことば」へ

 6 「女学生ことば」という言語イデオロギー

 7 指標性の構築―「ジェンダー化された国民化」と女の創造的言語行為

 六章 「国語」の男性化―「内なる他者」としての女子国民

 1 メタ言語的実践としての口語文典・国語読本

 2 女の言語的要素の構築と排除

 3 「書生言葉」の「国語」への採用―「女学生ことば」の排除

 4 「国語」の創生とジェンダー

第三部 女の国民化と「国語」―近代総力戦の「女ことば」

 七章 天皇制国家の伝統となった「女ことば」―植民地支配の正当化

 1 「女ことば」の起源は女房詞と敬語である

 2 日本の誇りとしての「女ことば」

 3 「国語」の守護者としての女子国民―天皇制国家伝統の継承者

 4 植民地の「国語」と「女ことば」

 八章 「ジェンダー化された国語」の創生―ジェンダーが担う伝統の相克

 1 「女ことば」を標準語の周縁に位置付ける

 2 「国語」のジェンダー化

 3 国語読本によることばの性差の教授

 4 「女ことば」と女の国民化

第四部 「女ことば」の脱政治化・本質化―「女らしさ」の戦後

 九章 自然な「女らしさ」の象徴となった「女ことば」

 1 「女ことば」をめぐる言説の闘争

 2 「女ことば」本質化の言説

 一〇章 「ジェンダー化された国語」の再生産―天皇制からの切り離し

 1 敗戦・占領と無縁だった文法書

 2 天皇制国家の伝統から切り離された「女ことば」

 3 「墨ぬり教科書」における「国語」の性差の教授

 4 国語教科書における「国語」の性差の教授

 5 米国占領による民主化とジェンダーの本質化

まとめ―ジェンダー化された言語イデオロギーを超えて

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